こんにちは、マーケティング部の林です。
前回の記事では、表計算ソフトを使用する業務について、ビジネスプロセスマネジメント(BPM)の視点からどのような改善が可能かについて述べました。これは、おもに「チーム内の業務プロセス」をいかに改善するかという内容でした。
しかし、業務プロセスはチーム内だけを対象とするものだけではなく、チームの外(クライアントや協力企業)を含むケースも存在します。また、こうしたプロセスにおいては、外部の企業とファイルやデータをやり取りすることもありますよね。
Google ドライブや Box といったクラウドストレージは、チーム内での「共有」はもちろんのこと、こうした外部とのやり取りにおいても重宝されるツールです。
今回は、クラウドストレージを活用した「外部とのやり取り」をテーマに、BPM の手法や BPM ツールを用いた業務プロセスの改善について、具体例とともに述べていきます。
BPM における「共有」の重要性
ビジネスプロセスマネジメント(BPM)の詳細については、前回も解説したので省きますが、大まかにいうと BPM は、
- PDCA サイクルを回しながら、業務プロセスを継続的に改善していく業務管理の考え方
であり、
- 業務のモデリング(業務プロセスの定義と視覚化)
- 業務の実行
- プロセス状態のモニタリング(状況の把握)
- 分析と問題の発見およびプロセスの改善
という4つの要素で構成されています。
さて、BPM による業務プロセスの改善においては、2つの「共有」が大きなポイントとなります。
1つは、上記の「2.業務の実行」において不可欠となる、チーム内での「業務プロセスの共有」です。そしてもう1つが、業務プロセスにおける「書類やデータの共有」という工程です。
こうした「書類やデータの共有」が、業務上の課題となっているケースは少なくありません。次項では、BPM の視点で「共有」を捉えなおした、業務プロセスの改善例を紹介します。
クラウドストレージによる「共有」
株式会社一条工務店仙台の事例では、社外との書類のやり取り(共有)を見直すことで、業務を大きく改善したことが報告されています。
同社は木造住宅を専業とする注文住宅メーカーですが、従来は住宅の「施工」に関わる協力会社とのやり取りを、FAX で処理していました。これは、住宅の施工に伴う依頼・検査・支払といった多岐にわたる手続きをおこなうためです。しかし、「報告・連絡・確認」といった工程を経るたびに、そこでは当然多くの書類が作成・送信されることになります。これは、双方の会社にとって大きな負担になっており、現場監督の残業過多や施工の遅れにつながる事態となっていました。これは、書類の「共有」に由来する問題といえます。
そこで同社は施工管理業務を抜本的に見直し、Questetra BPM Suite を活用したプロセスの改善に乗り出しました。
Questetra BPM Suite は、BPM の考え方による業務の進行や改善をサポートするソフトウェア(BPM ツール)です。BPM ツール はパソコン上で作成したワークフロー図に沿って業務を自動で進行できるのが特長ですが、今回の改善活動においては Questetra と Google ドライブの連携が重要なポイントとなりました。

Questetra を活用した新たな施工管理のプロセスでは、これまで担当者が作成し、FAX で送信していた工事依頼書や検査合格通知書といった書類が、Questetra によってPDF ファイルとして自動生成され、協力会社にメールで自動送信されます。
メールでファイルを受け取った協力会社は、そのメールに簡単なコメントをつけて返信をするだけで、(これも従来は FAX でおこなっていた)工事終了報告や請求処理通知をおこなうことができます。また、Questetra はそれと同時に関係する書類(工事終了報告書や請求処理通知書)も自動的に生成します。こうして生成されたファイルは、Google ドライブにも自動保存されるため、担当者はオフィス以外にいてもスマートフォンなどで書類を確認できるようになったとのことです。
BPM で「共有」について見直した成果
さて、Questetra BPM Suite を導入し、BPM の手法で業務プロセスの改善をおこなった株式会社一条工務店仙台では、下記のような成果を得ました。
- 書類作成の負担を軽減
- FAX 受信を確認するために事務所に戻るという手間をカット(残業の大幅減)
- 協力会社における書類のやり取りに関する手間を軽減
- FAX の送信漏れなどによる工事の遅れを大幅に削減
この業務改善では、従来は FAX でおこなっていた施工管理における書類の「共有」を、BPM ツールである Questetra BPM Suite と クラウドストレージである Google ドライブの連携によって効率化したところがポイントです。その効果は、単に書類作成や送信・確認の手間を軽減するだけでなく、現場監督の残業や工事の遅れを大幅に減らすところまで波及しました。
Questetra BPM Suite とクラウドストレージの連携でさらなる改善を
ちなみに、おなじく Questetra BPM Suite を活用して購買業務のプロセスを効率化した公益財団法人 京都大学iPS細胞研究財団の事例では、数あるワークフロー製品の中からQuestetra BPM Suite を選択した理由として、
- Box と連携できる機能が、Questetra には標準で装備されている
ことが挙げられています。これは財団内だけでなく、提携している民間企業とのファイル共有にも日常的に Box が利用されているためとのことでした。

このように近年では、業務に Box を活用している企業や団体も増えていることから、Questetraでも Boxとの連携機能を強化しています。
インターネット環境があれば、どこからでもファイルやデータにアクセスできるクラウドストレージは、単体でも業務の効率化に役立つツールです。しかし、上記の事例のように「クラウドストレージによるファイル共有を含む業務プロセス」について、さらなる効率化や改善を検討する際には、BPM ツールとの連携は有効な選択肢となります。
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