公益財団法人 京都大学iPS細胞研究財団

試薬・資材の購買業務を可視化し、担当部門間のコミュニケーションコストを削減。GMP文書管理に展開へ。

公益財団法人 京都大学iPS細胞研究財団

2019年

細胞製造品質評価、細胞保管管理及び細胞調製施設の管理・運営、研究開発、研究開発及び臨床応用に対する総合的支援、教育訓練及び人材育成、産学官及び国際交流等を通じた情報共有及び情報発信 など

製造・開発

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この記事の目次

iPS 細胞等の製造に使用する試薬などの購買業務に利用

公益財団法人 京都大学 iPS 細胞研究財団は、「最適な iPS 細胞技術を良心的な価格で届ける」という理念を掲げ、iPS 細胞の製造や品質評価などの技術を産業界へ「橋渡し」する事業を推進しています。

財団が取り組むプロジェクトには、「iPS細胞ストックプロジェクト」「my iPSプロジェクト」があります。

「iPS細胞ストックプロジェクト」では、拒絶反応が起きにくい健康なボランティアの方の血液由来の、品質の保証されたiPS細胞をストックする事業を行っております。現在、iPS細胞ストックの製造は手作業で行われており、一度に製造できる数は非常に限られています。また、一回あたりの製造には、採血から品質評価まで行うと数千万円ほどがかかります。それを当財団では大学や企業へ無償、もしくは良心的な価格で提供しています。

「my iPSプロジェクト」では、患者さん由来のiPS細胞(my iPS細胞)を製造する技術開発を行っています。自動培養装置の開発などにより、2025年には年間1000検体のmy iPS細胞が製造され、大学や企業へ1検体あたり100万円程度で提供されるようになることを目標としています。

Questetra は、iPS細胞等の製造に使用する試薬、資材などを購買する業務で使用しています。

購買ワークフローにおける「納品報告」漏れが80%減

iPS 細胞の製造では、薬機法(旧薬事法)に基づく GMP 省令(※)を遵守しなくてはなりません。GMP 省令では、医薬品を製造する際に、定められた品質規格に適合することが確認され、かつその製造過程についても記録を残し、それが適切に管理されることが求められています。

※GMP 省令 = 厚生労働省令「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」

製造管理、品質管理において、多くの GMP に定められた製造記録文書が作成されます。my iPS が年間1000検体製造されるようになるには、GMP 文書の作成・保管に関する業務も、効率的に処理される必要があります。今後、my iPS の製造数が増える前に、スタッフが Questetra での業務管理に慣れることを考慮して、購買業務から始めることとしました。

購買業務は以下のような1 – 4の工程を経て処理されます。

  1. 申請/承認:各部署の購入担当者が購買を申請後、その上司が承認する。
  2. 発注:承認され次第、購入担当者が発注手続きを行なう。
  3. 納品報告:購入担当者は、納品があり次第、納品書番号を経理部門に報告する。
  4. 支払:経理部門では、届いた請求書と納品書番号を確認して支払う。

Questetra を使ってこれらの処理を電子化した結果、購買担当者は未処理状態の「納品報告」が一目瞭然になり、処理されないまま(報告モレ)のものが5分の1程度まで減少しました。また「納品報告」が処理されていなくても、経理部門で滞留している購買案件をすぐに参照できるようになり、経理部門から購買担当者に「報告処理」を催促しやすくなりました。

2021年中に GMP 文書管理への道筋をつける

Questetra には、クラウドストレージ Box と連携できる機能が標準で装備されている点が選定ポイントでした。

共同研究のためにお付き合いのある民間企業や、財団内でのファイル共有のために、日常的に Box が利用されています。文書が関連する業務では、必ず Box が使われるので GMP 文書を管理するシステムには Box との連携が容易であることが必須条件になっていました。

購買業務においては、「納品報告」が処理されると、そのときに入力されている情報を元に生成された CSV ファイルが、自動的に Box にアップロードされるようにしています。Box に保存された CSV ファイルは、経理部門にて会計の処理などに活用されます。

GMP 文書を管理する業務への適用について、2021年中に道筋をつけたいと考えています。

申請者の拡大、自動発注メールを計画

購買業務では次の2点に取り組む予定です。

  1. 同じ施設内で働く、共同研究者などの人からの申請を受け付けられるようにする。
  2. 頻繁に発注する物について、発注処理を自動化する。

1 については、Questetra のログインIDを持たないユーザでも申請できる機能を活用して実現できそうです。また、2については、いつもお世話になっている発注先に注文内容が書かれたメールが自動的に送信されるようにします。

Questetra に対する要望はいくつかありますが、最も大きなものは Microsoft Excel との連携機能をより強化することです。Google Spreadsheet との連携機能が豊富であることを把握していますが、それと同等のレベルにまで Excel についても高めてほしいです。

※ 本事例は2021年3月時点の情報です

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