専務の兼務で所見入力が滞留。100万円未満の申請では専務を除外する新ルールを導入し、助言工程の遅延を防止。業務負担を適正化し、リードタイム目標を維持。
Key Point
- Ashi-Ashi ワークス社は、稟議申請業務をデジタル化し、リードタイムを短縮した
- ある時期から、専務の「所見入力工程」で滞留するようになった
- 専務への割り当て条件を変更することで、短いリードタイムで安定するように改善した
1. 課題:助言工程での滞留
Ashi-Ashi ワークス社は、BPO (Business Process Outsourcing) 事業を手がける企業です。
同社は従来、稟議申請業務を「紙を使った回覧」で実施していましたが、Business Process Management System (以降、BPMS) を導入し、稟議申請ワークフローシステムを作成しました。これにより、申請から決裁までのリードタイムを短縮しました。
また、申請者・上長の承認後の経理部長・総務部長・専務が意見(助言)を記載する「所見入力工程」を並列化することで、リードタイムを一層短縮することに成功しています。
しかしながら、新たな問題が発生しました。専務が営業部長を兼務することになり、業務負担が大幅に増加したのです。その結果、専務による「所見入力工程」が遅延することが多くなり、決裁完了までのリードタイム目標である「3営業日以内」の継続が困難になっています。

2. 解決策:助言担当を案件規模に合わせて減らす
「所見入力工程」は承認・否認行為ではなく、あくまで意見・アドバイスを入力する工程です。過去の履歴を確認したところ、100万円以下の申請に関しては、専務による所見はほとんど入力されていないことが判明しました。
この状況を踏まえ、プロセスオーナーは、上長の承認後に無条件で経理部長・総務部長・専務の割当ルールを変更しました。
具体的には、100万円未満の申請に対しては、経理部長および総務部長のみに「所見入力工程」が割り当てられ、100万円以上の申請に対しては、専務にも「所見入力工程」が割り当てられるように改編します。
Before




ワークフロー図詳細を見る
- 1. 申請
- 2-1. 一次承認
- 上長は、必要項目を入力して申請します。
- 上長は、必要項目を入力して申請します。
- 3-a. 所見(総務)
- 総務部長が所見を入力します。
- 3-b. 所見(経理)
- 経理部長が所見を入力します。
- 3-c. 所見(専務)
- 専務が所見を入力します。
- 専務が所見を入力します。
- 4. 決裁
- 社長が決裁します。
After




ワークフロー図詳細を見る
- 1. 申請
- 2-1. 一次承認
- 上長は、必要項目を入力して申請します。
- 上長は、必要項目を入力して申請します。
- 3-a. 所見(総務)
- 総務部長が所見を入力します。
- 3-b. 所見(経理)
- 経理部長が所見を入力します。
- 3-c. 所見(専務)※100万円以下の場合のみ
- 専務が所見を入力します。
- 専務が所見を入力します。
- 4. 決裁
- 社長が決裁します。


3. 効果
- 申請リードタイムの安定化
- 100万円未満の申請に対しては、専務の業務負担が軽減されるため、「所見入力工程」における遅延が減少し、決裁完了までのリードタイムが安定します。これにより、リードタイム目標である「3営業日以内」をより確実に達成できるようになります。
- 効率的なリソース配分
- 専務が営業部長を兼務している状況を考慮し、より重要な100万円以上の申請に専務のリソースを集中させることで、効率的なリソース配分が可能となります。これにより、重要な意思決定に専務の知見が活用される一方、日常的な小額の申請については迅速に処理されるようになります。
- プロセスの透明性向上
- 明確な基準に基づいて「所見入力工程」が割り当てられるようになることで、プロセスの透明性が向上します。申請者や承認者にとっても、プロセスの進行がより予測可能となり、業務のスムーズな進行に寄与します。

