クララ株式会社

急増するSaaS管理の最適解は「すべてを自動化しない」こと。人とシステムを繋ぐプロセス統制

クララ株式会社

1997年5月20日

グループ連結 293名
※2024年6月末 時点(常勤役員を除く)

インターネットサービス基盤、ビジネスコンサルティング、有料職業紹介、人材採用コンサルティング、輸出入業務・貿易コンサルティング

申請・承認、会計・経理、製造・開発

会社や部門の役割について

クララ株式会社は、日本および中国を軸としたクラウド構築・運用、ビジネスコンサルティング、人材紹介の3事業を展開し、企業のクロスボーダーなビジネス発展を強力に支援しています 。1997年の創業以来、20年以上にわたりインターネットインフラの運用実績を有する専門企業です 。

当社のクラウドソリューション事業部 コーポレートITグループは、全社の情報システム管理を担っています。SaaSが普及し、誰もがツールを使える時代だからこそ、IT部門がボトルネックにならず、人とシステムが最も効率よく連携できる仕組みを追求しています。

この記事の目次

多様なSaaS管理における課題

当社では以前から、Questetra上で「入退社に伴うアカウント管理業務」を運用しており、人事や各部門との連携は円滑に行われていました。

しかしコロナ禍以降、リモートワークの普及とともに利用するSaaSが急増。その結果、アカウント発行業務の負担が爆発的に増大しました。プロセス自体はQuestetraで可視化されている一方で、実際の設定作業は各サービスの管理画面を個別に開き、情報をコピー&ペーストしてコマンドを実行するという手作業が発生。対面であれば声掛けで補完できた進捗確認も、リモート環境では難しくなり、業務負荷とコミュニケーションの断絶が限界に達していました。

こうした背景から、「統制を維持しながら、いかに人手を介さずアカウント発行(プロビジョニング)を自動化するか」が重要な課題となりました。

基盤としてQuestetraを「使い続ける」という選択

この課題に対しては、新たなツールに置き換えるのではなく、既存のQuestetraを基盤として活用し続ける判断をしました。その理由は、Questetraが単なるワークフローにとどまらず、複雑な業務や部門間の依存関係を一貫して制御できる、高い統制力を備えているためです。

例えば「受注納品業務」では、営業、契約管理、経理、そして複数のエンジニアチーム(サーバー、ネットワーク、SSLなど)が関与し、複雑な分岐や並列処理が発生します。そこには「サーバー開通が完了しなければ請求できない」といった業務上の強い依存関係が存在します。これをメールやチャットで管理すると、必ずどこかで待ちや漏れが発生します。

Questetraではこうした部門を跨ぐ「泥臭いバトンタッチ」や並列処理をそのままフローとして定義でき、「誰が・いつ・何をすべきか」を明確に可視化できます。これまで他のワークフローシステムの検討も行ってきましたが、これほど複雑な分岐や人の判断、並列処理をありのままに表現し、制御できる製品はありませんでした。

このように、業務全体を統制できる基盤があるからこそ、その上に自動化を組み合わせることで、今回の課題解決にもつなげることができました。

Questetraによる「人間系×自動化」の実現

今回の仕組み構築で重視したのは、「すべてを自動化しない」という考え方です。人が担うべき判断や確認はプロセスとして残し、自動化すべき実務のみを切り出すことで、無駄な手作業や転記ミスを排除しながら、全体のプロセスを統制できる構造を目指しました。この「人とシステムの分業」をスムーズに実現するため、単一のシステムで無理に完結させるのではなく、各ツールの強みを活かして適材適所で連携させる構成を採用しています。

具体的には、「Questetraを起点に裏側の各ツールが自動で動く」アーキテクチャとなっており、役割分担は以下の通りです。

  • 人間系業務と進行管理: Questetra BPM Suite
  • 通知・コミュニケーション: Slack
  • IT業務の管理・監査ログ: Jira Service Management
  • アカウント発行等の自動化エンジン:Okta / Okta Workflows

人事がQuestetraでフローを開始し、承認が完了すると、APIを通じてJiraにチケットが起票され、Oktaでアカウントが自動発行されます。従来は手作業を介していたため、処理完了までにタイムラグが発生していましたが、現在は処理完了後すぐにQuestetraへ結果が返り、人事へ通知される仕組みとなっています。

実際の入退社フロー(クリックで左右それぞれ別ウィンドウ表示)

導入効果

Questetraをハブとして各SaaSを連携したことで、定量・定性の両面で大きな効果が生まれました。

入社のアカウント準備等は、延べ日数で1週間ほどかかっていたものが、実質「半日」で完了するようになりました。もちろん、これは背後のOkta等による自動化が寄与する部分も大きいですが、Questetraがプロセスの起点となり、人事が入力した正確なデータをそのまま各システムへ受け渡す仕組みを構築したことで、人間による「転記」という無駄な工程やミスを完全にゼロにできたことが大きな要因の一つです。

また、リアルタイム性の向上により、進捗の可視化やタスクの滞留検知が可能になり、「安心して入社当日を迎えられる」環境が実現しています。

Questetra BPM Suiteの便利な機能

外部SaaSとの連携を強化するため、「自作アドオン」を積極的に活用しています。Jiraへのタスク自動起票などの外部ツール連携に加え、Slack通知についても祝祭日を考慮した通知時間の制御ロジックをアドオンで補完し、業務に合わせた機能を独自に実装しています。

これらの開発ではQuestetra独自の実装ルールや特徴をまとめた社内ガイドラインを作成し、AIに読み込ませて活用しています。これにより、従来苦労していた仕様差異や制約への対応ハードルが大幅に下がり、効率的な開発が可能になりました。

その結果、現場の細かなニーズにも迅速に対応できるようになっています。このように、業務に適合したアドオンを柔軟かつ迅速に追加できる拡張性の高さが、Questetraを最大限に活用する上での重要な要素となっています。

AI時代のプロセス統制と「次の時代を道づくる」取り組み

AIが反復業務を担う時代において、Questetraには「人・AI・SaaSをつなぐ中心」としての役割が期待されています。今後は「AIが処理を行い、人が最終判断をする」という形が一般化すると考えています。

その中で、複数のSaaSやAI、人の判断をシームレスに連携できるプロセス基盤として、Questetraへの期待はさらに高まっています。「AIに置き換わる業務があっても、全体を俯瞰すれば必ず人の判断が必要なポイントが存在する」という前提に立つと、プロセス全体を見渡し、統制できるQuestetraの価値は変わりません。

クララ株式会社の掲げる「次の時代を道づくる」というミッションのもと、今後もQuestetraとともに、新たな時代に適した業務プロセスの構築に取り組んでいきます。

クララ株式会社 エントランス
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※ 本事例は取材当時の情報です。

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