正確な出勤時刻、退勤時刻を本人が覚えている間に報告を促します。
1.課題: 不正確な勤怠報告
◯◯建設社では、社員の勤怠報告にワークフローシステムが利用されています。毎朝7時に勤怠報告フローが開始され、全社員に「出勤時刻の報告」工程が割り当てられます。各社員は出勤時に“出勤時刻”を入力し、退勤時には「退勤時刻の報告」工程で“休憩時間”と“退勤時刻”を入力しています。
勤怠報告が未入力だった場合、以下の自動処理が適用されます。
- 出勤時刻の報告がない場合、その日は「休暇」としてシステムに記録される
- 退勤時刻の報告がない場合、標準の退勤時刻が自動で登録される
このような自動処理は、社員の勤怠報告漏れによる処理の遅延を防ぎます。しかし、出勤報告を忘れても実際には出勤していた場合に「休暇」と記録される、または実際の退勤時刻と異なる標準時刻が登録されるなど、勤務データが実態と異なることがあります。

こうした不一致が発生すると、上司や管理部門が手動で訂正を指示する手間が増え、業務負荷が高まります。また、給与計算に誤差が生じるリスクもあります。
勤怠管理は企業経営の健全性を保つ基本であるため、社員が確実に勤怠報告できる仕組みへの改善が重要な課題です。
2.解決: リマインドメールフローの追加
プロセスオーナーは、社員が「出勤時刻の報告」や「退勤時刻の報告」を忘れないように促す仕組みを導入しました。具体的には、報告がまだ行われていない社員に対して、自動的に催促メールが送信されるようにしました。

この改善のために、勤怠報告フローの中に「分流」(並列ゲートウェイ / ANDゲートウェイ)を追加し、報告フローと同時に催促メールの送信フローが進行する仕組み(リマインドメールフロー)を構築しました。
平日7:00にフローが自動開始された後、出勤時刻の報告が行われない場合、11:55に「出勤時刻の報告」を促すメールが送信されます。また、退勤時刻の報告が18:00までに行われない場合も、同様にリマインドメールが送信されるよう設定されています。
メールが送信される時刻は、正確に出勤、退勤の時刻を覚えているタイミングが考慮されています。
このような仕組みにより、社員に気づきを促し、報告の漏れを防ぐことが狙いです。
Before




ワークフロー図の詳細を見る
s1.平日7:00(タイマー開始イベント)
平日07:00に全社員のフローが自動開始します。
1.出勤時刻の報告
社員は勤務開始時に出勤時刻を入力します。
x1.”勤務中”ステータス
データ項目「勤怠ステータス」に “勤務中” がセットされます。
2.退勤時刻の報告
社員は退勤時に “休憩時刻” と “退勤時刻” を入力します。
x2.”勤務終了”ステータス
データ項目「勤怠ステータス」に “勤務終了” がセットされます。
3.勤務時間確認
社員の上司は、社員の報告である “出勤時刻” “休憩時間” “退勤時刻” “勤務時間” を確認します。
2x.差戻対応
社員は差し戻しの理由を確認の上、”出勤時刻” “休憩時間” “退勤時刻” を修正します。
x3.”休暇”ステータス
データ項目「勤怠ステータス」に “休暇” がセットされます。
After




ワークフロー図の詳細を見る
s1.平日7:00(タイマー開始イベント)
平日07:00に全社員のフローが自動開始します。
g1.並列
出退勤時刻が報告される流れ(「1.出勤時刻の報告」工程へ)と報告催促メールが送信される流れ(「t1.11:55」へ)に分流します。
<出退勤時刻が報告される流れ>(Beforeと同じ)
1.出勤時刻の報告
社員は勤務開始時に出勤時刻を入力します。
x1.”勤務中”ステータス
データ項目「勤怠ステータス」に “勤務中” がセットされます。
2.退勤時刻の報告
社員は退勤時に “休憩時刻” と “退勤時刻” を入力します。
x2.”勤務終了”ステータス
データ項目「勤怠ステータス」に “勤務終了” がセットされます。
3.勤務時間確認
社員の上司は、社員の報告である “出勤時刻” “休憩時間” “退勤時刻” “勤務時間” を確認します。
2x.差戻対応
社員は差し戻しの理由を確認の上、”出勤時刻” “休憩時間” “退勤時刻” を修正します。
x3.”休暇”ステータス
データ項目「勤怠ステータス」に “休暇” がセットされます。
<リマインドメールが送信される流れ>
t1. 11:55
11:55 まで待機します。
g2.勤務中?
データ項目「勤怠ステータス」の値が “勤務中” の場合は yes の方へ、”勤務中” でない場合は no の方へ。
m1.催促(出勤報告)
社員に「出勤時刻の報告」工程の処理を促すリマインドメールが送信されます。
t2. 18:00
18:00 まで待機します。
g3.勤務終了?
データ項目「勤怠ステータス」の値が “勤務終了” の場合は yes の方へ、”勤務終了” でない場合は no の方へ。
m2.催促(退勤報告)
社員に「退勤時刻の報告」工程の処理を促すリマインドメールが送信されます。
Compare Before/After


※このプロセス改善ストーリーはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
3.効果
勤怠データの精度向上
勤怠報告の忘れを防ぐためのリマインドメールにより、社員の報告漏れが減少し、勤怠データの正確性が向上します。これにより、給与計算の精度が高まり、誤った勤怠情報による人件費の誤りやトラブルが減少します。
管理業務の効率化
上司や管理部門が再報告の指示を出す手間が減り、勤怠管理に費やす時間と労力が削減されます。結果として、上司や管理部門は他の重要な業務に集中できるようになります。
リスク軽減
勤怠報告の不備によって発生する給与計算のミスや法的リスクが軽減されます。報告漏れが減ることで、労務管理上のコンプライアンスリスクも低下し、企業の健全性が保たれます。
4.他業務での応用
報告忘れを防止するためにリマインドメールが送信される仕組みは、以下のような業務にも応用できます。
書類提出期限の管理
各種申請書や報告書の提出期限を管理するプロセスでも利用可能です。例えば、経費精算の申請、業務報告書の提出、顧客との契約書類の締結など、期限が過ぎる前に自動的にリマインドメールを送信することで、期限内に提出を促す仕組みが作れます。
営業活動のフォローアップ
営業担当者が商談後にフォローアップを行うタイミングを逃さないようにするためにも応用できます。例えば、商談後一定期間内に営業報告を入力しない場合、自動でリマインドメールを送信することで、営業活動の継続的なモニタリングが可能となり、顧客対応が遅れるリスクを軽減します。
教育・研修の進捗管理
社員のトレーニングや研修プログラムの進捗を確認するための仕組みとしても活用可能です。各ステップを完了しない場合にリマインドメールを送ることで、学習や研修の完了率を高め、学習進捗の把握が容易になります。
