こんにちは!矢作です!
「自動化のススメ」シリーズでは、目の前の業務を「自動化」し、少しでも楽をして良い成果をあげるためのヒントを紹介しています。
今回は、Googleスプレッドシートの「ファイル作成」と「シートコピー」という 2 つの処理を自動化します(タイトルには書ききれなかったので 1 つしか書きませんでした)。これら 2 つの処理を組み合わせて、請求内容に合った申込書が自動的に用意される仕組みを構築します。
システム内製化ツール Questetra BPM Suite
本記事で取り組む「業務の自動化」では、クラウド型システム内製化ツール「Questetra BPM Suite」を利用します。
Questetra BPM Suite では、ワークフロー図の描画を通じて様々な業務システムが構築されます。構築されるシステムでは、ワークフロー図通りにワーカーへの業務案件の受け渡しが自動化されるだけではありません。文字変換、数値計算、メール送信、なども自動化されます。更に、Google Workspace、Box、Slack、kintone、 等の他のクラウドサービスとのデータ連携も自動化されます。
これらの自動化は、ワークフロー図において自動化したいタイミング(例:問い合わせへの回答が入力された後)に、自動処理が行われるアイテム(例:問合者データが kintone に追加される)を配置することで実現されます。
Questetra BPM Suite に用意されている様々な自動化アイテムを利用すると、プログラミング等のスキルや経験がなくても「業務を自動化」できるようになります。
Google スプレッドシート(Google Sheets) ファイル作成
Google スプレッドシート(Google Sheets) とは Web ブラウザで利用可能な表計算ソフトです。Google が提供する Google Workspace に含まれています。
前節で紹介した「Questetra BPM Suite」に用意されている自動化アイテムには、Google スプレッドシートに関するものが多く用意されています。(v13.3.0)
- Google スプレッドシート: ファイル作成
- Google スプレッドシート: 選択肢データの一括取得
- Google スプレッドシート: 行追加
- Google スプレッドシート: シート追加
- Google スプレッドシート: シートコピー
- Google スプレッドシート: シート削除
- Google スプレッドシート: 行更新
- Google スプレッドシート: 行取得
次節で作る仕組みでは、「Google スプレッドシート: ファイル作成」と「Google スプレッドシート: シートコピー」(太字)が使用されます。
請求内容に合った申込書が自動案内される仕組み
2021 – 2022年の冬は例年以上に雪が多いこと、また2月2日からは北京で開催される冬季オリンピックの競技がスタートすることもあり、スノースポーツへの関心も高まっているのではないか?とスキー愛好家の私(矢作)は勝手に思い込んでいます。
ということで (!?)、今回はスキー・スノーボードに関連する業務での自動化を考えます。
スキー・スノーボードのレンタル申込書を Google スプレッドシートのファイルで提供する仕組みを構築します。レンタル希望者が、スキーかスノーボードのどちらの道具を借りたいのかを選ぶと、選んだ方の申込書URLが書かれたメールが送信されます。
- レンタル希望者が申込書請求フォームで、スキー・スノーボードのどちらかを選び、メールアドレスを入力する。
- Google スプレッドシートのファイルが作られる。
- 作られたファイルに、あらかじめ用意されていたレンタル申込書(スキー用 or スノーボード用)がコピーされる。
- 作られたファイルの閲覧用 URL がメールに差し込まれ、レンタル希望者に送信される。
この業務のワークフロー図を Questetra BPM Suite で作成します。
ワークフロー図の最も左の丸いアイテム(申込書請求フォーム)が申込書を請求するためのフォームを表しています。レンタル希望者がここでメールアドレス等を入力すると、ワークフローはスタートします。
3つあるグレーの四角は、Google スプレッドシートを操作する自動化アイテムです。「Google スプレッドシート: ファイル作成」「Google スプレッドシート: シートコピー」という 2 種類の自動化アイテムが使われています。
- スプレッドシートファイル作成(Google スプレッドシート: ファイル作成)
- レンタル希望者に案内する申込書ファイルが作られる。
- SKI申込書コピー(Google スプレッドシート: シートコピー)
- 作られた申込書ファイルに、別のファイルに用意されていたスキーレンタル用の申込シートがコピーされる。
- SNOWBOARD申込書コピー(Google スプレッドシート: シートコピー)
- 作られた申込書ファイルに、別のファイルに用意されていたスノーボードレンタル用の申込シートがコピーされる。
菱形のアイテムは条件分岐に関連するもの、email と書かれた丸いアイテムではメールが自動送信されます。
各アイテムでは、次の図のように設定されます。
「Google スプレッドシート: ファイル作成」の “親フォルダの ID” は、ファイルが作成されるフォルダ URL の中で、次に示す青い部分のことです。
https://drive.google.com/drive/folders/folder-id-example-folder-id-example-folder-id-example
また、このフォルダの共有設定を「リンクを知っている全員」にしておきます。(Google ドライブでの設定)
「Google スプレッドシート: シートコピー」では、予め用意されたスプレッドシートのシートが、指定されたスプレッドシートにコピーされます。今回は、コピー元のシートとして “スキーレンタル申込書” と “スノーボードレンタル申込書” を用意しておきます。
スキーとスノーボードでは、レンタルの前に確認しておくべきことが少し異なります。スキーの場合は、ビンディングの外れやすさ(解放値)くらいで良いと思いますが、スノーボードの場合は、バインディングの角度やスタンスの幅など、を確認する必要があります。(ちなみに、ブーツと板を固定する部品は、スキーではビンディング、スノーボードではバインディングと呼ばれます。なぜか。)
予め用意しておいたコピー元のスプレッドシートを表示させる URL の中で、次に示す青い部分を “コピー元スプレッドシートの ID” に入力します。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/spreadsheet-id-example-spreadsheet-id-example
次の図のように、レンタル希望者がレンタル申込書を請求すると、メールが届きレンタル申込書を確認できるようになります。
まとめ
Google スプレッドシートについて、ファイルが自動作成され、シートが自動コピーされるアイテムを活用した仕組みを構築しました。
クラウド型システム内製化プラットフォーム「Questetra BPM Suite」に用意されている自動化アイテムを利用すると、Google スプレッドシートの API(Application Programming Interface) に関する知識・経験が」なくても、Googleスプレッドシートを自動操作する仕組みを構築できるようになります。
「Questetra BPM Suite」には 60 日間無料でご利用いただけるトライアルが用意されています。ご興味のある方は、是非、以下よりお申し込みください。(クレジットカードの登録など不要です!)
他にも様々な「自動化」を実現できます。
今回はここまで!