こんにちは!矢作です!
Google スプレッドシート(Google Sheets)とは
クラウドで利用可能な表計算ソフトです。Google が提供する Google Workspace の 1 機能です。
私が所属するクエステトラ社でも、創業時(2008年)から Google スプレッドシートを活用しています。クエステトラ社では、コロナ禍のずっと前からリモートワークが行われていたため、オンライン上でスプレッドシートのデータが共有され、効率よく業務が遂行されていました。
個人向けの Google スプレッドシートもありますが、本記事では企業向けの Google スプレッドシートを対象にしています。
スプレッドシートへの転記を自動化したい
どんな業務においても、とにかく面倒なのは「データの転記」です。
Google スプレッドシートを使う業務でも、
- 届いたメールの内容を、コピー&ペーストで転記する
- 何らかのシステムの画面に表示されているデータを、コピー&ペーストで転記する
- 何らかのシステムからエクスポートしたCSVデータをスプレッドシートで開く
など、このような手作業があちらこちらで発生していると思います。単に面倒で手間が大きいだけでなく、業務ミスが発生する原因にもなっています。
手間を削減し、ミスを防止するために、 Google スプレッドシートへの転記作業を自動化したい、と考えることは当然のことだと思います。
自動化するなら Google Sheets API !?
Google スプレッドシートが関係する業務での「自動化」なら API を活用することになります。
API (Application Programming Interface) とは、データの受け渡しのためのつなぎ目のようなものです。Google スプレッドシートにデータを渡したり、逆に Google スプレッドシートのデータを読み取ったりするための API を活用すると、他のシステムとデータ連携できるようになります。 (APIについては「ワークフローと相性抜群!?APIとは?」も参考にしてください)
Google スプレッドシートを操作するための API は、Sheets API と呼ばれるものですが、使いこなすのは簡単ではありません。というのも、次のようなハードルがあるからです。
- 細かな仕様は英語で書かれている。
- 海外企業が提供するクラウドサービスの場合、ドキュメントは英語だけの場合が多い。
- API の詳細を理解しなければならない
- API に渡すデータ、API から受け取るデータの内容、形式はどのようなものなのか?
- 理解したことをプログラミングしなければならない
- 業務データを API に渡せる形に、API から受け取るデータを業務で使える形に、それぞれ変換。
このようなハードルがあるため、API を使って自動化の仕組みを構築するには、一定レベルの知識と経験が必要です。
Sheets API の詳細を自分で調べて自動化に取り組むのは大変ですが、API のことを意識することなく API を利用した自動化を実現する方法があります。
ノーコードで Google スプレッドシート自動化
Google スプレッドシートを操作する自動化アイテム
クエステトラ社が提供する、ノーコード開発プラットフォーム「Questetra BPM Suite」には、Sheets API にアクセスするアイテムが用意されています。
このアイテムを利用すると、API を使うための知識・経験がなくても「自動化」に取り組めます。
Questetra BPM Suite に用意されている Google スプレッドシートを操作する自動化アイテムには次のようなものがあります。
- Google スプレッドシート: ファイル作成
- Google スプレッドシート: 選択肢データの一括取得
- Google スプレッドシート: 行追加
- Google スプレッドシート: シート追加
- Google スプレッドシート: シートコピー
- Google スプレッドシート: シート削除
- Google スプレッドシート: 行更新
- Google スプレッドシート: 行取得
本記事では、「Google スプレッドシート: 行追加」を活用して、「データ転記」の課題を解決する方法を紹介します。
業務データがスプレッドシートに自動挿入
次のような業務を考えます。
- 問い合わせ者が問い合わせる。
- 問い合わせ窓口が問い合わせに対応する。
- 問い合わせデータのうち、「問い合わせ日」と「問い合わせカテゴリ」が Google スプレッドシートに記録される。
上記 3 つ目「Google スプレッドシートに記録」は、問い合わせ窓口メンバーの誰かが、Google スプレッドシートへの転記を手作業で行います。今回は、この部分が自動化される仕組みを作っていきます。
自動化を実現するために、前述の Questetra BPM Suite を利用します。(60日間無料トライアルはこちら)
Questetra BPM Suite はワークフロー図を作成しながら、システムを開発するプラットフォームです。次のようなシンプルな問い合わせ対応フロー図を作成します。
本当は、問い合わせが発生したら、
- 一次回答メールが自動的に送信される
- 担当者が問い合わせへの回答を作成する
- マネージャが回答をレビューする
- 関連部署が助言する
- 回答メールが自動的に送信される
など、人による工程や自動処理工程が存在しますが、説明を簡単にするためにとてもシンプルなフローにしています(Questetra BPM Suite ですべて実現可能)。
問い合わせが発生したら、
- 問い合わせ窓口のメンバーは、対応結果のメモを記録する。(問い合わせ対応)
- Google スプレッドシートにデータが追記される。(スプレッドシートへ)
この 2 つが処理されるフローです。
なお、ワークフロー図は BPMN というワークフロー図の表記ルールに基づいて描かれています。青い四角のアイテムは人による処理を、グレーの四角いアイテムは何らかの自動処理を示しています。
グレーのアイテム「Google スプレッドシート: 行追加」については、次の図のように設定すること、問い合わせの「受付日」と「カテゴリ」がスプレッドシートに追記されるようになります。
データが追記されるスプレッドシートはあらかじめ作成しておきます。作成したスプレッドシートの URL の中で、次に示す青い部分を、上図「入力先のスプレッドシートのID」に入力します。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/spreadsheet-id-example-spreadsheet-id-example
問い合わせ対応フローで取り扱うデータ項目を設定します。問い合わせフォームと問い合わせ対応工程で入力される項目を定義します。
他にもいくつか設定を行うと、次のような画面で、問い合わせ者が問い合わせを行う、問い合わせ窓口メンバーが問い合わせ対応の結果を入力する、ということが可能になります。
実際に問い合わせがいくつも入り、スプレッドシートへの連携がされた結果は次の図のようになります。
問い合わせ対応フローについて、今回の自動化が行われると、
- 転記担当者の負荷が減る
- 入力忘れ、入力漏れなどのミスがなくなる
- リアルタイムで集計されるようになる
というような効果が期待されます。
まとめ
Google スプレッドシートにデータが自動転記される方法を紹介しました。
クラウド型のノーコード開発プラットフォーム「Questetra BPM Suite」には、Google スプレッドシートにデータを追記するためのアイテムが用意されています。これを活用すると、Google スプレッドシートの API (Application Programming Interface) に関する知識や経験がなくても、簡単に Google スプレッドシートにデータを自動追記する仕組みを構築できます。
今回紹介した「Questetra BPM Suite」には60日間無料でご利用いただけるトライアルが用意されています。興味のある方は、是非、以下よりお申し込みください。
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まだまだ様々な「自動化」を実現できます。今後の記事で紹介していきます。
今回はここまで!