「GA4」とはナンダ? “Google アナリティクス” は、どう変わったのだ? 報道記事を読んでも、基本的なことが理解できていないので「読解」できない。だれかに「移行させる」にしても、どう指示を出したら良いものか…。 とお考えのアナタ(オジサン世代)のために「GA4の概要」をまとめてみました。

◆◆ Q1. ちなみにタグマネージャーって何?
『Google Analytics』ならタマに使うから、よく知っている。Webサイトへのアクセスが “トラッキング” される仕組みだ。そう言えば昔は、サーバにログインして “access_log” をゴニョゴニョ〔grep uniq ときどき awk〕してたっけ…。だから “Urchin” (あーちん)が登場した時〔2000年頃〕は、ホント度肝を抜かれた。懐かしい。
ところで、、、「タグマネージャー」ってナニ??
A1. 平たく言えば「タグ埋め込み管理システム」です。
HTML を書き換えることなく、さまざまな「タグ」(Tracking tag)〔←小さなプログラム〕を追加できます。”計測タグ” を HTML に埋め込む作業が不要になるだけでなく、様々な “計測タグ” をいつでもいくつでも、追加・変更できるようになります。
具体的には2012年、『Google Tag Manager』というサービスが誕生しました。各Webページには「GTMタグ」(親)という “ハコ”(←[コンテナ])だけを用意しておきます。そして “ナカミ” である各「計測タグ」(子)は、Google Tag Manager(GTM)側によってコントロールします。一般には「タグ管理システム」と呼ばれます。
たとえて言えば、「ビル内の “全ての部屋の電灯” を管理室でコントロールできるようになった!」みたいな感じでしょうか? あるいは「”var intX1, intX2, …;” と個別宣言していたデータを “var arrX” と配列宣言したので詰め込み放題!」みたいな感じかも知れません?!? 誤解を恐れずに真正直に言うなら、「バックドアを作った!」みたいな感じ、です(爆)! (バックドア: 正規の手続きを踏まずに内部に入ることが可能な侵入口 by Wikipedia) https://w.wiki/4xbC

◆◆ Q2. 計測や分析はどう変わったの?
『Google Analytics』は、2020年に大々的にリニューアルされたらしい。そして2023年には強制的に移行させられるらしい。ウチも『ユニバーサルアナリティクスプロパティ』というバージョンから、『Googleアナリティクス4プロパティ』というバージョンになるらしい。“第四世代” という意味くらいまでは…。
ていうか、スマホアプリの操作ログまで収集できるって、ほんとスゴイ! でも、どうやって収集してるんだ? (どうでもイイが、ネーミングの一貫性が無さすぎるトコ…、気に入らん…)
A2. “Pageview” から卒業することになります。
操作ログを送信する “計測タグ” (←小さなプログラム)は大きく進化してきました。「ブラウザ進化にあわせて進化してきた」と言っても良いと思います。 具体的には “urchin.js”、 “ga.js”(2007)、 “analytics.js”(2013)、 “gtag.js”(2017)です。 しかし一方で、Analytics 側のログ格納方法やログ分析方法は 【Pageview ベース】 という点において、変化はありませんでした。
2020年に登場した『Googleアナリティクス4プロパティ』(GA4)では 【Event ベース】 に変わりました。要するに、「ページを表示させた」(page_view)だけでなく、「スクロールさせた」(scroll)、「ダウンロードした」(file_download)、「じっくり見た」(user_engagement)といった様々な Event が同列に格納されるようになります。〔計測タグ: “gtag.js” のみ〕
この変化は、「デバイスの多様化(≒スマホの普及)にあわせて進化した」と言っても良いと思います〔ベータ版時代は『Google Analytics App+Web property』と呼ばれていた〕。 なお “格納庫” に保存データという観点でも、「GA4 Property」とそれまでの「UA Property」に互換性はありません。

◆◆ Q3. データの見方が難しくない?
新しい『Google Analytics』〔GA4プロパティ〕にログインしてみたけど、メニューは少ないし、グラフも見づらいし、ヨクワカラナイ。
いろいろ設定しなきゃダメなんだろうけど、[パラメータ]ってナニ? [オーディエンス]ってナニ? 肝心の[コンバージョン]はドコ?
A3. まずは自社が注目すべき Event を決める必要があります。
GA4プロパティには「ありとあらゆるユーザ操作」(Event)が記録されるようになりました。つまり「分析の自由度が増した」と言えます。しかし、裏を返せば「分析の難易度も増した」とも言えます。
記録される Event は、その種類だけでも11種もあります。(←Web に限っています)〔202204時点〕
- click (outbound link)
- file_download (pdf,xlsx,docx,,,)
- first_visit
- page_view
- scroll
- session_start
- user_engagement
- video_complete
- video_progress
- video_start
- view_search_results
どんな Event が記録されているのかが分かってくれば、「自社にとって計測すべき Event」について、再考する必要が出てくると思います。つまり、「ページ遷移」だけを考えるのではなく、加えて「どこどこページにおける〇〇イベント」といった具合に、モニタリングしたい Event を再確認する作業が必要になってくると思います。イベント種類([イベント名]←イベントClass)を増やすことになるかも知れません。
[GA4プロパティ]の利用開始時には、基本的な設定〔データ保持期間・計測除外IP・クロスドメイン〕も必要です。

◆◆ Q4. ディメンションと指標は健在なの?
「分析」と言えば、”テーブル” だろ! Analytics の “テーブル” といえば[ディメンション]と[指標](メトリックス)だろ! まだ使えるの?
ちなみに、[ディメンション]は『ページごとに』とか『地域ごとに』とか、いわゆる “ごとに系の軸” のコト! そして、[指標]は『PV数』とか『セッション数』とか、いわゆる “計測値系の軸” のコト! それくらいは知っている。
A4. どちらのテーブル軸も進化しています。
[ディメンション]〔Dimension(s)〕と[指標]〔Metric(s)〕を使って分析することに変わりはありません。
『Dimension』は “配列型” であり、各値はいわゆる “A列” に〔≒縦方向に〕列挙されます。『指標』は “数値型” であり「Dimension の値」〔A列の値〕ごとに集計表示されます。 指示の例:「毎週、{pagePath} ごとの {screenPageViews} (の数)と {sessions} (の数)を計測しよう!」
[UA プロパティ]の格納データは、Google Analytics が提供するテーブル軸によって分析されていました。具体的には、Dimension(s) として
- “ga:pagePath” や
- “ga:browser” や
- “ga:country”
など100種類ほど分析軸が用意され、一方 Metric(s) (指標)として
- “ga:pageviews” や
- “ga:uniquePageviews” や
- “ga:sessions” や
- “ga:newUsers”
など50種類以上の計測値が用意されていました。
そして[GA4 プロパティ]の格納データも、あらかじめ用意されている Dimension(s)(150超)と Metric(s)(50超)で分析できます。
- Dimensions:
- “pagePath”,
- “browser”,
- “country”,
- “audienceName”,
- “videoUrl”, …
- Metrics:
- “screenPageViews”,
- “screenPageViewsPerSession”,
- “sessions”,
- “newUsers”,
- “activeUsers”,
- “conversions”,
- “eventValue”,
- “totalRevenue”, …
しかし[GA4 プロパティ]はさらに、分析軸や計測値を、任意に追加したり詳細化したりすることが可能です。「自社にとって必要な “軸” を考えること」は容易ではありません。 〔[カスタムディメンション]、[オーディエンス]、[カスタム指標]…〕
- UA Dimensions & Metrics Explorer
- GA4 Dimensions & Metrics Explorer (←ログインして利用することになります)
なお、詳細なグラフやレポートの作成には、[Google データポータル](旧称[Google データスタジオ])や[Google BigQuery]の併用が必要になってくると言えます。

◆◆ 追伸(まとめ?)
結局のところ、新しい[GA4プロパティ]も、「日々是精進」「習うより慣れよ」だと思います。(「ローマは一日にして成らず」とも言う)
筆者自身も、コツコツ改善していこうと考えています。
【追記:2022-05-12】 続編『GA4 Conversion 概説』も書いてみました。↓
▽困った時は公式ドキュメントへ!▽
◆◆ 宣伝: 集計値取得業務の自動化
ところで、「Google Analytics 集計結果の取得を自動化したい」と考えるのは、イマドキ当然です。
クラウド型ワークフロー『Questetra BPM Suite』なら、ワークフロー設定内に “自動工程” を配置しておくと、日々のデータ取得が自動化されます。 GA4プロパティ対応の自動工程は、これからも、どんどん随時追加していく予定です。 (←もし、ご要望あれば遠慮なくメッセージ下さい!)
