※ 2020年10月に「G Suite」の名称は「Google Workspace」に変更されました。
Q. Questetra を利用している業務について教えてください
ミラクル・リナックス株式会社(現「サイバートラスト株式会社」)は、サーバ用の基本ソフト(OS)を提供する会社として2000年に創業されました。今日では、OS 中核部分(OS カーネル)の技術をベースに、システム監視製品やバックアップソフト製品等を開発販売しております。
Questetra は2010年の春、「経費」と「申請」をオンライン化するためのワークフローシステムとして導入しました。ワークフロー選定においてミラクル・リナックスでは、基本的に『(A) 紙による申請業務を極力ゼロにしたい』と考えていました。一方で、国内海外を問わず出張業務が多く『(B) 何処からでも使えるロケーションフリーなクラウド型のサービス(SaaS)が望ましい』とも考えていました。
実際の選定導入作業は、IT業界に長い社長とプログラム経験のない人事担当の2人で行い、わずか1カ月半くらいで正式導入されました。何と言ってもブラウザ上でワークフローを作成できる機能が秀逸だと思います。
導入当初においては18の業務がペーパレス化され、具体的には「立替金精算」「経費申請」「出張申請」「名刺発注申請」や、「コンピュータ持込申請」「契約書作成レビュー申請」「入館申請」といった業務がペーパレス化されました。使い始めてから4年以上経った今では、ほぼ全ての業務を Questetra の上で回しています。ワークフローの数で言えば、約70種の業務になりました。
Q. 適用業務はどのようにして増えていったのでしょうか?
当初は経理部門が主管する業務を中心に利用していました。
ただ、現実に「紙で仕事を回す必要が無い」と言うメリットを体験してしまうと、「(A) 紙による申請業務を無くしたい」を推進したくなります。Questetra は、いわゆる「IT知識」を持たない人でも複雑なワークフローシステムを構築できるので、社内スタッフだけで適用業務を増やしていくことができました。
もっとも、ミラクル・リナックスは Linux OS (サーバ用の基本ソフト)を取り扱う会社であり、情報システムに精通しているエンジニアが数多く在籍しています。時には、データ入力画面や業務フローの曖昧な所などについて、非常に厳しい意見が上がってきました。そこで、何度か「利用者アンケート」を実施し、共有された「不満な点」について自分達自身で少しずつ改修すると言うカイゼン活動を展開しました。
Q. 長期間ご利用いただいていますが、改めてご感想いただけますか?
どんなツールにも言える事かもしれませんが、『(B) 何処からでも使える』に加えて『(C) いつでも使える』と言う事は非常に重要です。
Questetra を導入して約1年後の2011年3月11日、東日本大震災が発生しました。東京地域にあるミラクル・リナックス社でも震度5弱から5強の揺れがあり、社内サーバが利用できなくなったり、帰宅困難な状況になったりと、本当に混乱しました。
ただそんな状況の中でも、クラウド型サービスである『G Suite』(メール/ファイル)と『Questetra』(ワークフロー)は安定して利用し続ける事ができました。今日では「事業継続」や「BCP」といった言葉で危機管理が語られる事も多くなりましたが、当時は身をもって「クラウド型サービスのお陰でビジネス活動を止めずに済んだのだ」と実感したものです。平時も含め、その高い稼働実績には満足しています。
Q. 改善すべき点についてもお聞かせください
Questetra はクラウド型サービスであり、定期的に機能追加や機能変更される点は良いと思います。ただ一方で、ユーザ側として日常業務における「大きな変化」が生じてしまわない様に「バージョンアップ通知」の内容を熟読する必要があります。ケースによっては事前テストも行う事になるのですが、その際に「影響が出るかもしれないワークフロー」を認識できる様な仕組みがあれば、非常にありがたいなと感じています。
また、期末監査等においては Questetra 内の業務処理記録を提出しています。ただ今日現在、監査証跡の多くは紙で提出する必要があり、Questetra 内のデータを印刷して提出しています。現状では、監査に不要なデータも印刷内容に含まれ印刷ページ数が増えてしまうケースが少なくないので、たとえば情報のレイアウトをカスタマイズできる様な仕組みがあればありがたいと思います。