自動化のススメ – Box活用の資料請求対応(その1)」では、資料請求フォームで氏名とメールアドレスが入力されると、資料の閲覧用 URL が差し込まれたメールが自動送信される仕組みを構築しました。

本記事では、資料ファイルが添付されたメールが送信される仕組みを、ノーコードで構築する方法を紹介します。

ノーコード開発クラウド Questetra BPM Suite

「業務の自動化」には、ノーコード開発クラウド「Questetra BPM Suite」を利用します。クエステトラ社が提供するクラウドサービスで、システムの内製化に活用されています。

Questetra BPM Suite では、システム開発が Web ブラウザだけで行われます。業務の流れ図(ワークフロー図)の作成を通じて、業務システムが構築されます。構築されたシステムでは、業務データが電子化されるだけではありません。

人と人との業務情報の受け渡しが自動化されるとともに、数値計算、データの解析や整形、メール送信などの処理も自動化されます。更に、他のクラウドサービスとのデータ連携も自動化されます。

ノーコード開発クラウド Questetra BPM Suite 概要

自動化は、ワークフロー図において自動化したいタイミング(例えば、品質管理部長が検査報告書を承認したら)に、自動処理が行われるアイテム(検査報告書ファイルが Box にアップロードされる)を配置することで実現されます。

Questetra BPM Suite に用意されている様々な自動化アイテムを利用すると、簡単に「業務を自動化」できるようになります。

クラウドストレージ Box ファイルダウンロード

Box は企業向けのクラウドストレージサービスです。Box 導入事例ページには、「顧客企業数100,000以上、67%がフォーチュン500企業」と書かれており(2022-02-28確認)、大変多くの企業で利用されています。

前節で紹介した「Questetra BPM Suite (v13.3.0)」に用意されている自動化アイテムには、Box に関するものが用意されています。

  • Box: ファイルアップロード
  • Box: ファイルコピー
  • Box: ファイル移動
  • Box: ファイル共有リンク作成
  • Box: ファイル共有リンク削除
  • Box: ファイル削除
  • Box: ファイルダウンロード
  • Box: フォルダ作成
  • Box: フォルダ検索
  • Box: フォルダ共有リンク作成
  • Box: フォルダ共有リンク削除
  • Box: フォルダ削除
  • Box: コラボレーション追加
  • Box: コラボレーション削除

次節で作る仕組みでは「Box: ファイルダウンロード」(太字)が使用されます。

資料請求対応でのファイルのメール添付を自動化

次のような処理が行われるシステムを構築します。

  • 資料を求める人(資料請求者)が、資料請求フォームに氏名とメールアドレスを入力する。
  • Box に用意された資料(ファイル)が Questetra BPM Suite にダウンロードされる
  • 資料請求者に、資料(ファイル)が添付されたメールが送信される

最初に、資料請求者が氏名とメールアドレスを入力する以外は、全て自動で処理されます(太字)。

まずは、この業務の流れ図(ワークフロー図)を作成します。(以下、Questetra BPM Suiteで構築)

Box の資料ファイルを自動的に取り込む(ダウンロードする)アイテムが配置されます。
資料請求ワークフロー図

このワークフローにおいて、人が処理するのは一番左の赤丸のアイテム「1.資料請求フォーム」のみです。ここで、氏名とメールアドレスが入力されると、後ろに連なる工程が順番に処理されます。

  • 「2.資料ダウンロード」では、予め Box に保存された資料ファイルが Questetra BPM Suite にダウンロードされます。
  • 「3.請求者へメール」では、ダウンロードされたファイルがメールに添付され、資料請求者に送信されます。
クラウドファイルストレージ Box に保存されたファイルのURLからファイルIDを取得し、自動化アイテムに設定。
資料ファイルの準備と自動化アイテムの設定
請求者にメールを自動送信するアイテムの設定。資料請求から資料受け取りまでの様子。
資料請求から資料受け取りまでの様子

予め Box に保存された資料ファイルのファイル ID を、「2.資料ダウンロード」の”C2: ダウンロードするファイルの ID” に設定します。資料ファイルのファイルIDは、そのファイルのURLの一部(次の青い部分)です。

https://example.app.box.com/file/xxxxxxxxxxxx

資料請求が行われると、資料請求者は届いたメールに添付された資料(ファイル)を確認できます。

請求情報が入力された後、全て自動処理されるので、手間ゼロ、ミスゼロが実現されます。
完全自動化された資料請求ワークフロー

まとめ

自動化のススメ – Box活用の資料請求対応(その1)」と同様に、資料請求フォームに氏名とメールアドレスが入力されると、その後は人が関与することなく完全自動化された仕組みを構築する方法を紹介しました。

その1 との違いは、資料ファイルがメールに添付されるという点です。

資料ファイルが大きい場合はその1のほうが良いかもしれません。しかし、今回の仕組みのほうがワークフロー図で使用されているアイテムの数が少なく、設定の手間が小さくて済みます。

更に、メール受信ソフトによっては、受信したメールを開くとすぐに添付ファイルの内容を確認できます。メール受信者の手間も小さくて済みます。

完全自動化されているため、人が対応する場合に比べてファイル添付の手間が削減されます。さらに、請求への対応忘れや遅れ、誤ったファイルを添付してしまう、メールの宛先を誤る、というようなミスも防止されます。

ノーコード開発プラットフォーム「Questetra BPM Suite」に用意されている自動化アイテムを利用すると、Box の API (Application Programming Interface) に関する知識・経験がなくても、ファイルダウンロードが自動処理される仕組みを構築できます。

「Questetra BPM Suite」には60日間無料でご利用いただけるトライアルが用意されています。ご興味のある方は、是非、以下よりお申し込みください。

他にも様々な自動化が可能です。

今回はここまで!

参考

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