未定義だった「再製作」の流れ。件数が増えてきたらシステム化すべし。
1. 課題: “想定外の差し戻し” が頻発
『竹取商会』は従業員5人の零細企業。竹細工の受注販売を行っています。
「営業のおっちゃん」が注文を受け、「職人のお爺ちゃん」が製作を担当しています。「お爺ちゃん」の “マイタスク” には、毎週4~5件の 受注情報(注文) が新たに追加されています。多くの案件は「ネーム入り竹櫛:100本」といった小ロット案件ですが、月に1~2度程度は「デラッ櫛:2000本」といった大型案件が来ます。
納品物の 出荷検品作業 は「たけお」が担当しており、注文内容と一致しているかの確認だけでなく、ひとつひとつの製作物(納品物)に汚れや破損(不良品)がないかも検査しています。「お爺ちゃん」の製作物には、100個に1個程度の不良品が発生します。
もし納品物の中に不良品が混入していた場合、「たけお」が「お爺ちゃん」に口頭で伝え、作り直し(再製作)を依頼していました。しかし最近の受注量増加にともない、「お爺ちゃん」は “再製作の依頼” を把握しきれなくなっています。(再製作の漏れ)




2. 解決策: “差し戻し” もタスク管理
再製作情報 が口頭で伝えている状態が主な問題点です。口頭で伝達していたのでは、ヌケモレの発生は回避できません。
プロセスオーナーの「たけお」(竹月竹男)は、業務システム(”ワークフロー・アプリ”)を改修しました。
- 受注情報(注文) が “マイタスク” に追加されるのと同様に
- 作り直し(再製作) も “マイタスク” に追加されるように
具体的には、ヒューマン工程〔3b.不良品に対応〕を「お爺ちゃん」のスイムレーンに追加し、〔4.請求書作成・検品発送〕から 差し戻せるように しました。(差戻工程の追加)
このプロセス改修により「お爺ちゃん」は、”マイタスク” で「製作案件の一覧」(再製作案件の一覧)を確認できるようになりました。

ワークフロー図 (BEFORE AFTER)


各工程の説明 (click to open)
BEFORE (Advanced edition):
- 1.受注入力: おっちゃんは、顧客から注文を受けて、その受注情報を入力し、必要な証憑を添付します。
- (分岐 AND ゲートウェイ): “1経路” が “複数経路” に分流するポイントです。プラス記号(AND)の場合、出力経路がすべて選択され、同時並行処理が始まります。(AND-Split)
- 2.原材料確認: オバちゃんは、必要な原材料を確認し、それを調達します。
- 3.受注生産: お爺ちゃんは、注文に基づいて製品を生産します。
- (統合 AND ゲートウェイ): “複数経路” が “1経路” に合流するポイントです。プラス記号(AND)の場合、すべての同時並行処理の到着を待って、1つの出力経路に流します。(AND-Join)
- 4.請求書作成・検品発送: たけおは、請求書を作成し、製品の検品と発送を行います。
- 5.検収完了を確認: たけおは、顧客が製品を受け取り、検収が完了したことを確認します。
- 6.入金を確認: オバちゃんは、顧客からの入金を確認します。
AFTER (Advanced edition):
- 1.受注入力: おっちゃんは、顧客から注文を受けて、その受注情報を入力し、必要な証憑を添付します。
- (分岐 AND ゲートウェイ): “1経路” が “複数経路” に分流するポイントです。プラス記号(AND)の場合、出力経路がすべて選択され、同時並行処理が始まります。(AND-Split)
- 2.原材料確認: オバちゃんは、必要な原材料を確認し、それを調達します。
- 3.受注生産: お爺ちゃんは、注文に基づいて製品を生産します。
- (統合 AND ゲートウェイ): “複数経路” が “1経路” に合流するポイントです。プラス記号(AND)の場合、すべての同時並行処理の到着を待って、1つの出力経路に流します。(AND-Join)
- 3b.不良品に対応 : お爺ちゃんは、検品不合格となった分について追加生産します。
- 4.請求書作成・検品発送: たけおは、請求書を作成し、製品の検品と発送を行います。
- 5.検収完了を確認: たけおは、顧客が製品を受け取り、検収が完了したことを確認します。
- 6.入金を確認: オバちゃんは、顧客からの入金を確認します。
ワークフロー図 Before After のスライダー比較 (click to open)


ワークフロー・アプリの改修動画 (click to open)
※このプロセス改善ストーリーはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
3. 効果
“差戻工程の追加” は、竹取商会に以下の効果をもたらしました。
- 再製作漏れの大幅削減
- 口頭伝達による漏れがなくなり、再製作漏れがゼロになりました。
- 以前は、複数案件で再製作が重なると、お爺ちゃんが把握しきれず、漏れが発生していました。
- しかし、マイタスクに表示されるようになったことで、漏れなく確実に対応できるようになりました。
- 納品遅延の防止
- 再製作漏れがなくなったことで、納品遅延が大幅に減少しました。
- 以前は、再製作漏れが発覚すると、その分の生産が遅れ、納品期日に間に合わないことがありました。
- しかし、漏れがなくなり、必要な製品を漏れなく生産できるようになったため、納期通りに納品できるようになりました。
- 顧客満足度の向上
- 納品遅延が減少し、顧客満足度が向上しました。
- 以前は、納品遅延が発生すると、顧客からクレームを受けることがありました。
- しかし、納期通りに納品できるようになったことで、顧客満足度が向上しました。
- 作業効率の向上
- お爺ちゃんは、マイタスクで再製作案件を一覧で確認できるため、作業効率が向上しました。
- 以前は、お爺ちゃんは、口頭で伝えられた再製作案件をメモ書きしたり、探したりするのに時間がかかっていました。
- しかし、マイタスクに表示されるようになったことで、必要な情報をすぐに確認できるようになり、作業効率が向上しました。
- 品質向上
- 再製作漏れがなくなったことで、製品品質が向上しました。
- 以前は、再製作漏れが発生すると、不良品がそのまま出荷されることがありました。
- しかし、漏れがなくなり、すべての製品が検品で確認されるようになったため、不良品の出荷がなくなりました。
- コスト削減
- 納品遅延や品質問題が減少し、コストが削減されました。
- 以前は、納品遅延が発生すると、再発送や顧客への対応にかかる費用が発生していました。
- また、品質問題が発生すると、返品や修理にかかる費用が発生していました。
- しかし、これらの問題が減少し、コストが削減されました。
4. 他業務での応用
“差戻工程の追加” は、受注生産プロセス以外にも、様々な業務プロセスに応用できます。
- 経理業務
- 経理担当者が作成した請求書を、上司や監査役がレビューし、修正指示を出す場合
- 経理担当者が処理した経費精算を、上長が承認し、修正指示を出す場合
- 設計業務
- 設計者が作成した設計図を、設計責任者がレビューし、修正指示を出す場合
- 設計者が作成した仕様書を、営業担当者がレビューし、修正指示を出す場合
- 開発業務
- プログラマが作成したプログラムを、テスターがテストし、修正指示を出す場合
- デザイナが作成したデザインを、クライアントがレビューし、修正指示を出す場合
- コンサルティング業務
- コンサルタントが作成した提案書を、クライアントがレビューし、修正指示を出す場合
- コンサルタントが作成した資料を、上司がレビューし、修正指示を出す場合


関連記事
“受注販売プロセス” の改善ストーリー (全4話)




















































































