常々公平でありたいと願うリーダにとって、AI は良きパートナーになりそうです。
1.課題: タスク割り当ての偏り
グルグルインタラクション社は、拡張現実(AR)技術を用いて、教育とトレーニングのためのインタラクティブなサービスを提供する IT 企業です。
この会社ではクラウドサービスに関する顧客からの問い合わせに対応するため、1名のリーダと5名のメンバで構成されるチームが設けられています。顧客からの問い合わせは、ウェブフォームを通じて受け付けられメールで回答されます。
しかしながら、問い合わせ対応業務でのタスクの割り当てに偏りが生じており、チーム内での不公平感が生じています。
タスクが多めに割り当てられるメンバからは、過剰な負荷を訴える声が上がり、一方で割り当てが少ないメンバーからは、信頼されていないと感じる不安が表明されています。

このような不公平感は、チームメンバのモチベーションを低下させ、生産性が低下し、退職リスクが高まるなど、チーム運営における深刻な問題を引き起こす可能性があります。このため、この不公平感を解消するための対策を講じることが急務です。
2.解決策: AI によるランダム割り当て
プロセスオーナーであるリーダは、特に経験豊富で余裕がありそうに見えるベテランに、無意識のうちに多くのタスクを割り当ててしまっていたと考えました。
そこで、これまでリーダが手動で行っていた「1.回答担当者決定」工程を廃止し、代わりにAIを利用した新しい工程を導入しました。
この新たな工程「x1.回答担当者選定 by AI」では、チームメンバ5名のメールアドレスからAIがランダムに一つを選び出します。選ばれたメールアドレスに紐づくメンバは、続く「x2.回答担当者設定」で自動的に「2.回答作成」の処理担当者として設定されます。

Before




ワークフロー図の詳細を見る
s1.問合受付
問い合わせ者が問い合わせ受付フォームから問い合わせを行います。(メールアドレスと問い合わせ内容を入力します)
1.回答担当者決定
リーダが問い合わせへの回答を作成する担当者を決定します。
2.回答作成
「1.回答担当者決定」で指定されたメンバが、問い合わせへの回答を作成します。
3.レビュー
「2.回答作成」で作成された回答をレビューします。
2′.差し戻し対応
「3.レビュー」工程での指摘に基づき、回答を改良します。
m1.回答送信
回答が差し込まれたメールが問い合わせ受付フォームで入力されたメールアドレス宛に送信されます。
After




ワークフロー図の詳細を見る
s1.問合受付
問い合わせ者が問い合わせ受付フォームから問い合わせを行います。(メールアドレスと問い合わせ内容を入力します)
x1.回答担当者選定 by AI
メンバ5人のメールアドレスの中から、AIによりランダムに一つ選ばれます。
x2.回答担当者設定
「x1.回答担当者選定 by AI」工程で選ばれたメールアドレスに該当するメンバが、「2.回答作成」工程の処理者として自動設定されます。
2.回答作成
「1.回答担当者決定」で指定されたメンバが、問い合わせへの回答を作成します。
3.レビュー
「2.回答作成」で作成された回答をレビューします。
2′.差し戻し対応
「3.レビュー」工程での指摘に基づき、回答を改良します。
m1.回答送信
回答が差し込まれたメールが問い合わせ受付フォームで入力されたメールアドレス宛に送信されます。
Compare Before / After


メールアドレスをランダム選定するプロンプト(例)
<担当候補>に示される複数のメールアドレスから、ランダムに一つのメールアドレスを選び、メールアドレスのみを出力してください。
<担当候補>
tanaka@example.com
yamada@example.com
sato@example.com
suzuki@example.com
ito@questetra.com
3.効果
公平性の向上
人間が行う選定にはしばしば無意識の偏見が入り込むことがありますが、AIによるランダム選定はそのような偏見を排除し、すべてのチームメンバに均等な機会を提供します。これにより、メンバ間の公平感が向上し、不満や疎外感を減少させることが可能です。
モチベーションの向上
担当業務が公平に割り当てられることで、チームメンバは自身が平等に扱われていると感じ、モチベーションが向上します。これは、業務への積極的な取り組みにつながり、生産性の向上を促します。
生産性の向上
業務の担当がランダムに分配されることで、すべてのメンバが様々な種類の問い合わせに対応する機会が均等に与えられ、経験とスキルの向上が期待できます。また、リーダが担当者選定に費やしていた時間が削減され、他の重要な管理業務に集中することができるため、全体の業務効率が向上します。
4.他業務への応用
AIによるランダム選定を業務改善に活用する手法は、以下のような業務にも応用できます。
リード割当て
営業チームへの新規顧客リードの配分にAIを用いることで、すべての営業担当者に公平にチャンスを提供できます。これにより、リードへのアクセスにおける偏りを防ぎ、チーム内の競争を健全なものにします。
クリエイティブアサインメント
マーケティングチームにおいて、デザインやコピーライティングなどのクリエイティブタスクを担当するスタッフをランダムに割り当てることで、創造的なアイディアの多様性を確保し、新鮮なコンテンツの生成を助けます。
成果物のレビュー
研究開発チームにおいて、プロジェクトの成果物や研究報告書のレビュアーをランダムに選定することで、レビュープロセスの公平性を保ち、質の高いフィードバックを促進します。
