アカウント登録されていないド短期社員を、常勤社員が利用するワークフローに参加できるようにすることで、データの集約、業務ミスの低減、コミュニケーションの効率化などが実現。
1. 課題: 勤怠データの分散
物流会社◯◯ロジスティクスの物流センターでは、繁忙期や欠員が出たときに、数日間だけ契約するパートタイム労働者(以下、『単発バイト労働者』)が雇用されます。
◯◯ロジスティクス社では、全労働者が勤務終了後にその日の勤怠実績(出退勤日時、休憩時間など)を報告することが義務付けられています(勤怠報告)。通常、勤怠報告はワークフローシステムで行われています。しかし『単発バイト労働者』はシステムにアカウント登録されていないため、メール(勤怠報告メール)で勤怠実績を報告します。
この結果、勤怠データは次の2つに分散しています。
- スプレッドシートに記録された『単発バイト労働者』の勤怠データ
- ワークフローシステムに記録された『単発バイト労働者』以外の労働者の勤怠データ

勤怠データがこのように分散しているため、給与計算や勤怠状況の分析の際にはこれらのデータを統合する必要があります。
さらに、『単発バイト労働者』の勤怠報告がメールで行われているため、次のような問題も発生しています。
- 必須項目の抜け: 勤怠報告メールの本文を作成時に発生。(メール本文は自由記入のため)
- メール転送忘れ、宛先間違い: 上司が報告内容を確認後、管理部門に転送する際に発生。
- 転記モレ、誤記: 管理部門の担当者が、勤怠報告メールの内容をスプレッドシートに転記する際に発生。
これらの問題があるため、『単発バイト労働者』もワークフローシステムにアカウント登録しようという動きもあります。しかし、これには利用料が増加し、アカウントの登録・削除の手間が増えるなど、別の問題も生じるため、アカウント登録しない方法での改善が望まれています。
2. 解決策: アカウント未登録『労働者』の開始ポイントを追加
プロセスオーナーは、勤怠報告ワークフローの開始ポイントに「公開フォーム」を追加しました。
「公開フォーム」は、URL を知っていれば誰でもアクセスできます。そのため、アカウント未登録の『単発バイト労働者』もその他の労働者と同じワークフローで勤怠報告を行えるようになります。
Before:

『単発バイト労働者』以外の労働者
全員、ワークフローシステムにアカウント登録されています。
1.出退勤時刻を報告する
- 平日 AM 07:00 に全員に「1.出退勤時刻を報告する」工程が割り当てられます。
- 報告者は、「1.出退勤時刻を報告する」工程で出退勤時刻、休憩時間を入力します。
2.勤怠を確認する
- 上司は「2.勤怠を確認する」工程で報告内容を確認し、問題がなければ「OK」ボタンを押下します。プロセスは終了します。
- 不備があれば「差し戻し」ボタンを押下します。
1x.差戻に対応する
報告者は「1x.差戻に対応する」工程で報告内容を修正します。
『単発バイト労働者』
メールでの報告
- 勤務終了後、「勤怠報告」メールに出退勤時刻、休憩時間を記入し上司に送信します。
- 上司はメール内容を確認し、問題がなければ管理部門に転送します。
- 不備があれば修正依頼内容を加筆して返信します。
- 報告者は修正後、再度上司に送信します。
After:

『単発バイト労働者』以外の労働者(Before:と同じ)
全員、ワークフローシステムにアカウント登録されています。
1.出退勤時刻を報告する
- 平日 AM 07:00 に全員に「1.出退勤時刻を報告する」工程が割り当てられます。
- 報告者は、「1.出退勤時刻を報告する」工程で出退勤時刻、休憩時間を入力します。
2.勤怠を確認する
- 上司は「2.勤怠を確認する」工程で報告内容を確認し、問題がなければ「OK」ボタンを押下します。プロセスは終了します。
- 不備があれば「差し戻し」ボタンを押下します。
1x.差戻に対応する
報告者は「1x.差戻に対応する」工程で報告内容を修正します。
『単発バイト労働者』
1a.出退勤時刻を報告する
- 事前に通知された「勤怠報告フォームURL」にアクセスし、「1a.出退勤時刻を報告する」フォームを表示します。
- 自分のメールアドレス、出退勤時刻、休憩時間を入力します。
2.勤怠を確認する
- 上司は「2.勤怠を確認する」工程で、報告内容を確認し、問題がなければ「OK」ボタンを押下します。報告者に「OK通知」メールが送信され、プロセスは終了します。
- 不備があればメッセージ欄に不備内容を入力し「差し戻し」ボタンを押下します。報告者に「差戻通知」メールが送信されます。
1a.出退勤時刻を報告する
報告者は「差戻通知」メールに記載された不備内容を確認し、再度「勤怠報告URL」にアクセスし「1a.出退勤時刻を報告する」フォームで修正された出退勤時刻、休憩時間を入力します。


3. 効果
勤怠データの一元化
公開フォームの導入により、『単発バイト労働者』とその他の労働者の勤怠データが同じワークフローシステムで管理されるようになります。これにより、データの分散が解消され、給与計算や勤怠状況の分析が容易になります。
データ入力の精度向上
公開フォームにより、勤怠報告がシステム上で一貫して行われるため、必須項目の抜けが減少します。これにより、データの正確性が向上し、報告ミスが減少します。
プロセスの効率化
ワークフローシステムを通じて勤怠報告が行われることで、報告内容の確認や修正依頼が一元的に管理されます。これにより、メール転送の手間や宛先間違い、スプレッドシートへの転記がなくなり、プロセス全体の効率が向上します。
4. 他業務での応用
ワークフローシステムに未登録の人が、登録された人と同じワークフローを利用できるようにする改善手法は、次のような業務に応用できます。
プロジェクト日報
業務委託契約のプロジェクトメンバが、社員である他メンバと同じようにワークフローシステムで日々の成果を報告できるようになります。
インシデント報告
業務委託契約で社内の業務に関わっている人や短期契約社員が、他の社員と同様にワークフローシステムで事件や事故に関することを報告できるようになります。
設備、備品利用
業務委託契約で社内の業務に関わっている人や短期契約社員が、他の社員と同様に設備、備品の利用を申請できるようになります。
