こんにちわ!矢作です!

ビジネスの現場では、今日もいろんな会話(今はチャット?)が飛び交います。

  • わたしの有給休暇申請が承認されました。来月2週間ほど、お休みをいただきます♡
  • 2ヶ月かけて準備した感謝祭企画が、事業部長に承認されました。あとは社長の決裁だけですね!
  • ◯◯工場の製造ラインに1億円の設備投資を行う決裁を、本日の取締役会に仰ぎます

これらの会話に含まれる「承認」と「決裁」は、同じ意味のようにも見えますし、そうでないようにも見えます。本当は明確に意味が異なりますが、どのように違うのでしょうか!?

「決裁」は組織の意思決定

「承認」と「決裁」。辞書ではどのように説明されているのでしょうか?

しょう‐にん【承認】
[名](スル)
1 そのことが正当または事実であると認めること。「相手の所有権を―する」
2 よしとして、認め許すこと。聞き入れること。「知事の―を得て認可される」
3 国家・政府・交戦団体などの国際法上の地位を認めること。「国連に―された国」

ビジネスの現場では、1or2の意味で使われることが多そうですね。

契約書の承認においては、法務部長が法的な視点で承認する(1の意味)場合や、営業部長の判断で値引きを承認する(2の意味)、というようなことが考えられます。

けっ‐さい【決裁】
[名](スル)権限を持っている上位者が、部下の提出した案の可否を決めること。「―を仰ぐ」「書類を―する」

この説明を見るとまさに「決める」という意味ですね。(字の雰囲気からもそれはまざまざと感じますが)

ものすごく砕けた言い方をすると、「承認」という行為は、起案された内容について「You、それタダシイよ!やっちゃいなよ!」と言っているだけに過ぎません。しかし「決裁」は、それを実行するのかしないのかを 組織の意思として決定する ことを意味しています。

「承認」されても組織としての意思決定はされていません。「決裁」されて組織の意思決定がされたことになります。

いや「承認」で意思決定してるしー

でも、「決裁」という言葉は使われない組織もあると思います。最初の例にある、

  • わたしの有給休暇申請が承認されました。来月2週間ほど、お休みをいただきます♡

では、承認の時点で意思決定がされています。この場合、「承認」という言葉は使われていますが、決裁権者である上長がヨシとしたのであれば、それは「決裁」されていることになります。

有給休暇の取得、残業、見積書の提出など、比較的軽い事項については、「承認」という言葉で「決裁」されていることが多いように感じます。

「承認」に意味はないの?

決裁権を持つ人が「決裁」する際、「承認」が重要になることがあります。

「決裁」する立場の人は、毎日、多くの意思決定を行っています。その中で、全ての起案内容について十分に理解する時間があるか?また、起案内容の良し悪しについて判断できるだけの知識や経験があるか?というと、必ずしもそうではありません。

その際に頼りになるのが、起案内容が自分に届くまでの間にされた「承認」です。

迅速かつ的確に「決裁」するために、

  • 誰が承認したのか?
  • 承認の際にどのようなコメントが書かれているのか?

は有効に働く場合があります。

「承認」という行為に意味があるかないか、それは承認者がどれだけ決裁者から信頼されているか?承認時に助言となるコメントを書けるか?にかかっているのかもしれません。

決裁ルール

組織においては、稟議規程、職務分掌規程というような規程で、検討すべき事項ごとに、起案、承認、決裁の権限を誰が持つのか、が定められています。このようにして定められたルールは、「決裁ルール」と呼ばれます。

決裁ルール:検討事項ごとに、起案、承認、決裁の権限者が定められたもの

例えば、京都大学の「会計職務権限規程」の職務権限一覧表で決裁ルールが定められています。次の図はその一部です。

例えば、「予算に関すること」を見てみると、「予算の要求又は申請に関することで重要なこと」という事項については、

  • 起案者:掛長
  • 承認者:課長補佐、課長、部長、財務担当理事
  • 決裁者:総長

となっていることが分かります。また、「予算の要求又は申請に関することで軽易なこと」という事項については、

  • 起案者:掛長
  • 承認者:課長補佐、課長
  • 決裁者:部長

とされています。

重要なことは総長が決裁し、軽易なことは部長が決裁する、という決裁ルールが定められていることが分かると思います。

決裁ルールとワークフローシステム

京都大学の「会計職務権限規程」の職務権限一覧表をご覧いただければ分かっていただけると思いますが、規程に定められているルールは大変複雑です。検討事項ごとに、適切にこのルールを適用し、承認、決裁が確実に行われるように運用することは、大変な労力が発生します。

そこで利用されるのがワークフローシステムです。ワークフローシステムを利用すると、決裁ルールに関する設定を行っておけば、自動的に適切な権限者に承認や決裁が依頼されるようになります。

私たちクエステトラ社が提供するクラウド型ワークフロー「Questetra BPM Suite」では、決裁ルールをワークフロー図に描くことで、権限者に承認や決裁が自動的に依頼されるようになります。

上図では、左の職務権限一覧表のうち「予算の要求又は申請に関すること」の決裁ルールを、ワークフロー図に描きました。

左の一覧表を見ると、「重要なこと」と「軽易なこと」で決裁者が異なることが分かります。「重要なこと」は総長が、「軽易なこと」は部長が決裁者になっています。このような違いを吸収し、ひとつの図に表現できるのがワークフロー図の良いところの一つです。

このワークフロー図は、クラウド型ワークフロー「Questetra BPM Suite」を使って描きました。このようなワークフロー図を描いてみたいという人は、無料トライアルにお申し込みください。

「Questetra BPM Suite」で描いたワークフロー図は、単なる図には終わりません。更に少し設定が必要ですが、起案画面、承認画面、起案画面を作ることができ、その画面で起案すれば、ワークフロー図に描かれた通りの流れで、権限を持つ人に承認や決裁の依頼がされるようになります。

また、重要な意思決定においては、職務権限一覧表のとおりに承認・決裁がされている記録が求められます。そのような記録も自動的に保存されるので、業務監査等への対応にかかる手間も大きく削減されます。

まとめ

「承認」と「決裁」の違いについて説明してきました。権限を持つ人が「決裁」するにあたり、「承認」されていることは重要な判断材料になることがあります。

また、「決裁ルール」は表で整理されていることが多いですが、ワークフロー図に仕上げるとより分かりやすくなります。

是非、皆さんの業務についてもワークフロー図を描いてみてはいかがでしょうか?

今回はここまで!

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