クイック稟議に不可欠な考え方

現場に全てを任せる部長でありつつ、現場の全てを把握する部長であれ!

1. 課題: 代理決裁されことの認識モレ

BunBun商事の行動指針は「スピード命」です。全社員が、迅速かつ効率的な業務遂行が競争優位性の鍵と捉えています。

稟議プロセスにおいては、部長代理に “代理決裁権限” が付与されています。すなわち、部長が不在の場合や、部長よりも専門知識を持ち合わせているときに、部長代理は部長の変わって決裁します。

また、24時間以内に誰も可否判断しなかった場合に “自動決裁される仕組み” も実装されています。すなわち、現場の担当者が起案した稟議に対して部長や部長代理が否決しなければ、24時間後には実行可能となります。

しかしながら最近、「代理決裁」された内容や「自動決裁」された内容について、部長が把握しきれていないケースが増加しています。部長は代理決裁を含む全ての決裁について責任を負います。この「把握モレ」は看過できない問題と言えます。

2. 解決策: 事後確認(事後承認)のタスク化

プロセスオーナーは、ワークフロー設定に HTTP Throw イベントを2つ、HTTP Catch イベントを1つ追加しました。(複数トークンに分流中のプロセスが終了し、その下流に新たにクローン・プロセスが起動される仕組み)

「代理決裁」や「自動決裁」が発生すると、稟議申請プロセスは[全終了イベント]に到達し、稟議申請は決裁ステータスで終了します。しかし、このプロセス改善により、複製されたプロセス(クローン・プロセス)が Catch イベントから開始されるようになります。つまり、部長に〔3.事後承認する〕が割り当てられるようになります。

結果、部長は代理決裁の内容を確実に把握できるようになります。

Before:
  • 1.起案する: 申請者は、ワークフローアプリを開始し、申請の各項目を入力したうえで[稟議を提出]ボタンをクリックします。助言が必要な場合は、助言者を選択して[助言者に助言を依頼]ボタンをクリックします。
  • 2.決裁する: 申請者所属部の部長は、可否を判断します。決裁(≒承認)する際は[決裁する]ボタンをクリックします。否決する際は[差し戻す]ボタンをクリックします。なお、24時間以内に判断されなかった場合、決裁されたものとみなされます。
  • 決裁通知: 決裁されたことが申請者宛にメール通知されます。
  • 2b.代理で決裁する: 申請者所属部の部長代理は、可否を判断します。決裁(≒承認)する際は[代理で決裁する]ボタンをクリックします。否決する際は[代理で差し戻す]ボタンをクリックします。
  • 代理決裁通知: 代理で決裁されたことが申請者宛にメール通知されます。
After:
  • 1.起案する: 申請者は、ワークフローアプリを開始し、申請の各項目を入力したうえで[稟議を提出]ボタンをクリックします。助言が必要な場合は、助言者を選択して[助言者に助言を依頼]ボタンをクリックします。
  • 2.決裁する: 申請者所属部の部長は、可否を判断します。決裁(≒承認)する際は[決裁する]ボタンをクリックします。否決する際は[差し戻す]ボタンをクリックします。なお、24時間以内に判断されなかった場合、決裁されたものとみなされます。
  • Timeoutシグナル▲: 24時間可否判断されなかったため、部長の事後承認をリクエストするシグナルがHTTP信号が発出されます。
  • 決裁通知: 決裁されたことが申請者宛にメール通知されます。
  • 2b.代理で決裁する: 申請者所属部の部長代理は、可否を判断します。決裁(≒承認)する際は[代理で決裁する]ボタンをクリックします。否決する際は[代理で差し戻す]ボタンをクリックします。
  • 代理決裁シグナル▲: 代理決裁されたため、部長の事後承認をリクエストするシグナルがHTTP信号が発出されます。
  • 代理決裁通知: 代理で決裁されたことが申請者宛にメール通知されます。
  • シグナル開始△: 決裁案件(クローンプロセス)が新規に自動開始されます。全ての申請データは自動的にコピーされます。
  • 3.事後承認する: 申請者所属部の部長は、事後承認します。(否決できません)
  • 代理決裁事後承認通知: 部長により代理決裁が確認されたことが申請者宛にメール通知されます。
Compare:

3. 効果

  • 部長による監督責任の強化
    • 部長は、すべての決裁内容を把握できるようになります。
    • 代理決裁/自動決裁の内容が見落とされることがなくなり、全体の決裁プロセスの信頼性が向上します。
  • 代理決裁の見える化
    • 代理決裁の頻度や内容を分析することで、業務の効率化やガバナンスの強化に役立てることができます。
    • 部長は、代理決裁に対して事後承認を行うことで、代理権の濫用を防ぐことができます。
    • 部長と代理者(部長代理)のコミュニケーションが活性化し、意思決定の迅速化にもつながります。
  • 権限委譲による組織の活性化
    • 上位管理者が抱える決裁案件の負担を軽減することで、より重要な戦略立案や業務指導に注力できるようになります。
    • 現場に近い担当者が意思決定に関わることで、より迅速かつ的確な判断が可能になります。
    • 多様な人材の育成を促進することができ、組織全体の活性化にもつながります。
  • 申請者安心感の向上
    • 申請者は、すべての決裁が適切に行われていることを確認できるため、安心感を得ることができます。
    • 不明点や疑問点があれば、部長に直接確認することが可能になります。
  • コンプライアンスの徹底
    • 代理決裁に関するルール化につなげることで、コンプライアンスを徹底することができます。
    • 社内統制の強化にもつながります。

4. その他の業務への応用

“事後の確認タスク” は、コンプライアンスを維持しつつ業務スピードを落とさない方法として有効です。稟議決裁フロー以外にも、以下のような様々な業務への応用が考えられます。

  • 契約承認フロー:
    • 契約プロセスにおいて、重要契約については、経営層の事後確認タスクを設定します。
    • 経営層にも正確に契約内容を把握してもらえるようになります。
  • 経費精算:
    • 経費精算において、一定金額を超える経費については、経理決裁の下流に申請者上司の事後確認タスクを設定します。
    • 不正経費の発生を防ぐことができます。
  • 人事異動:
    • 人事異動において、各部門長の承認後に、人事部の事後確認タスクを設定します。
    • 人事採用活動がコントロールされます。
  • 情報公開:
    • 公開内容を経営層が正確に確認する必要がある場合に、事後確認タスクを設定します。
    • 情報公開内容の適正性を確認されます。

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