人が製品(商品やサービスを含む)を知ってから購入に至るまで、様々な段階を経ます。製品を提供する側からすれば、より購入してくれそうな顧客を探し出し、より早く購入してもらえるように働きかけたいものです。
そのため、自社の製品に興味を持つ潜在顧客(リード)の意識/状態を行動に基づき、レベル分けしたものがMQLやSQL、PQLです。
これらはこの十数年、マーケティングで主に使われていた概念です。今回は、用語の意味とそれら(リードレベルの判別や管理)を自動化する方法を考察します。
4つのQLとは?
QL(Qualified Lead)とは、ある基準を満たした潜在顧客のことです。QLは、購入/有料化の確度が高まるほど、IQLからMQL、SQL/PQLとレベルアップしていきます。
※このうちIQLとPQLは既に定義が概ね決まっているのに対して、MQLやSQLは企業により定義が異なります。そのため、それぞれの相対的なレベルや位置づけは企業により異なります。特にPQLは別のレイヤーで考えたほうが良いでしょう。
IQLとは?
リードのうち「コンタクト情報が判明している潜在顧客」のことをIQL(Information Qualified Lead)と呼びます。
具体的には、メールアドレスなどの情報を提供する代わりに、お役立ち資料やホワイトペーパーなどの情報を得たリードです。
この時点では、リードは自社(自分)の課題を認識しているものの、(リード/製品提供側双方において)製品によりその課題が解決されるかどうかを把握できていません。
そのため、マーケティングチームがIQLに対して実施する取組みとして、「(アンケートやヒアリング等による)リードが持つ課題の把握」や「(動画コンテンツやウェビナー等による)製品で解決できる課題例の案内」などが挙げられます。
この様な取組みを通して、リードが持つ課題と製品がマッチしていることを認識してもらい、リードの購入意欲を高める必要があります。

MQLとは?
MQL(Marketing Qualified Lead)とは、「マーケティングに注力すべき見込客(有望見込客)」のことです。Warm Lead(そのうち顧客)とも呼ばれます。
リードのうち、(自社で決めた)基準を満たしたリードをMQLと定義します。これにより、製品を購入する可能性が低い「不適切なリード」を排除し、不要なマーケティングコストや機会損失(=有望見込客を逃すリスク)を軽減できます。
基準の具体例として、以下が挙げられます。
- 特定ページ(機能/価格/導入事例など)に繰り返し訪問していること
- 製品資料をダウンロードしていること
- 企業名(B to Bの場合)/担当者名/電話番号を把握していること
- ウェビナーへ参加していること
- 製品で解決できる課題を有した顧客であること(アンケート回答者など)
つまり、課題解決できる製品を探しているリードや、購入の可能性があるリード、コンタクトが具体的に取れるリードなどです。
マーケティングやインサイドセールスは、このMQLを対象に無料トライアルや無料相談を案内するなどのマーケティング活動を実施します。
この様にリードを定義することで効果的なマーケティング活動が実施できる一方で、MQLを判断/管理する際、以下のような課題も存在します。サイトへの訪問状況を把握するには、アクセス解析ツールを参照しリードの行動を追跡/記録する必要があります。また、複数の基準を設けている場合は、他の基準の到達具合も把握しなければならないため、情報の取得方法や記録方法も整理/工夫する必要があります。これらを手動で行うには多くの時間を要します。

SQLとは?
SQL(Sales Qualified Lead)とは、「営業に注力すべき見込顧客(有望見込客)」のことです。Hot Lead(今すぐ顧客)とも呼ばれています。
SQLを判断する基準の具体例として、以下が挙げられます。
- 無料トライアルや無料サンプルに申し込み、製品を実際に試用していること
- 無料相談を申し込んでいること
- 見積を請求していること
- デモを申し込んでいること
- 予算が製品価格と合致していること
- 企業規模が(自社で決めた)基準以上であること
- 営業が連絡することを許可していること
SQLは、製品を使うことで自身の課題が解決できるかもしれない、と考えています。また、ある程度購入意欲(購入能力)があるリードとも言えます。
SQLに対して、営業は直接連絡を取り、リードが持つ課題を解決する方法を提案します。また、SaaSビジネスの場合、無料トライアルなどを活用し、製品の使用方法についての支援も行います。このような取組みを実施することで、購入/契約に結びつけます。

PQLとは?
では、PQLとは何でしょうか?
PQL(Product Qualified Lead)とは、無料トライアルや無料エディションに申し込んだ「製品を試用している見込客(有望見込客)」です。
PQLは、製品を使用しようという意思を持つため、購入の可能性があります。そのため、見込客のレベルとしては、SQLに最も近いリードです。(ただし、間違って申し込んだケースや、インセンティブ目的のリードも含まれている可能性があるため、試用頻度やヒアリングなどから本当のPQLかどうかを見極める必要があります)
PQLへの活動内容は、SQLと同様に、リードが持つ課題を解決するための提案や、製品の使用方法についての支援などがメインの取組みとなるでしょう。

MQL、PQLの判別/管理を自動化する方法
これらQLの判断基準となる情報を取得する作業や適合判定を手動で実施することは大変です。特にリードの行動を複数の基準により追跡/記録する作業には、多くの時間がかかり、ミスやモレが発生する可能性があります。
クラウド型のノーコード開発プラットフォームQuestetra BPM Suiteを使うと、MQLやPQLの判別/管理を自動化できます。
Questetra BPM Suiteでは、ワークフロー図が業務システムの設計図になっています。そのため、ワークフロー図を描くことで、業務システムを構築できます。また、作成したワークフロー図をそのまま業務システムとして運用することが可能です。
MQLやPQLの自動判別/管理システム(ワークフローアプリ)を作成したい場合、判断基準や基準となる情報の取得先、MQL/PQLの管理方法などを整理します。整理した内容をもとに、誰が何をどの順番で処理するかを表すワークフロー図を作成します。
ワークフロー図上の工程には、「人が処理する工程」と「システムが処理する自動処理工程」があります。人が処理する工程では、入力/選択項目を設定すれば、自動的に入力フォーム(処理画面)が作成されます。また、システムが処理する自動処理工程では、どの様に自動処理するかを設定できます。
※具体的にどの様なワークフロー図となるかは、以下のサポートページをご覧ください。
MQLのワークフローアプリサンプル
Leadトラッキング, MQL
PQLのワークフローアプリサンプル
Leadトラッキング, PQL
Questetra BPM Suiteでは、この様なワークフローアプリ(業務システム)がノーコードで構築できます。また、上記のようなサンプル(テンプレート)はダウンロードしてすぐにお使いいただけます。ご興味がある方は是非、お試しください。
