こんにちは、マーケティング部の林です。
仕事上の「うっかりミス」、経験のない人はいないのではないでしょうか?
人間である以上、こうしたミスを100%無くすことは難しいですよね。
しかし、ときには作業上の小さなミスが、会社の信用に関わるような大きな事態に発展してしまうケースもあるため、ミスの防止は業種を問わず大きな課題となっています。
そこで今回は、「作業ミスを防ぐ仕組みづくり」について、業務プロセスに照らし合わせて解説していきます。
作業ミスの原因は?
さて、うっかりミスは「ケアレスミス」と言われたりもしますが、これはその名のとおり注意不足が原因で起こるミスですね。やるべき作業を忘れていたり、必要な工程を飛ばしたりといったケースもこうしたミスのひとつといえます。
では、なぜこのようなミスが起こるのでしょうか?その原因はさまざまです。たとえば、単純に疲れが原因で注意力や集中力の低下を招いているのならば、適切な休憩を取ることがミスの予防につながるかもしれません。
しかし、そもそも業務の手順や職場環境に問題があり、ミスが多発しているのならば、それらを根本から見直す必要があります。
問題 1:「チェック」の工程がない
もし業務プロセスにおいて、作業の仕上がり(成果物)を誰もチェックしない状態であれば、
- 「チェック工程」を業務プロセス内に設ける
ことによって作業ミスを抑制できる可能性があります。
下図は「問い合わせ対応」の業務プロセス図です。

一見、問題がないように見えますが、このプロセスにはチェック工程がなく、作業ミスの防止策が取られていません。これでは回答メールに内容の間違いや誤字脱字があっても、スルーされてしまうおそれがあります。
そこで、これを下図のように改善します。

このように、チェック担当を指定し、第三者の視点でチェックをおこなうことにより、早い段階でミスを発見し、その影響が拡大するのを防げます。
また、単純なチェックでは足りない場合は、ダブルチェックなどの工程を組み込む方法もあります。ただし、チェックにも時間や労力などのコストはかかっていることを念頭に置いて、ムダな重複作業が生じないように気をつけることも大切です。
問題 2:業務が標準化されていない
一方、
- 各々がそれぞれのやり方で作業をおこなっている
ことが、作業ミスの原因となっている場合もあります。こうした業務の属人化は、ベテランにとっては「自分がもっともやりやすい手順」で作業をおこなえる反面、新人にとっては「作業の正しい手順がわかりにくい」というデメリットにもなります。
また作業を熟知している人でも、「慣れ」からくる油断がミスを招く場合もありますし、はっきりとした手順がわからないまま作業をおこなうのは、作業ミスのリスクが高い行為です。
そこで、業務の標準化が必要となります。
業務の標準化とは、その時点での最良の業務手順を抽出し、誰もが同じ手順で業務をおこなえるようにマニュアル化することです。
標準化が適切におこなわれれば、知識不足や経験不足によるミスを回避しやすくなります。ただし、業務に慣れている人においては、マニュアルが作成されても「必要ない」と思われる工程を飛ばしたり、重要度の低い工程で手を抜いたり、といった「マニュアル無視」で業務を進めてしまう可能性もあります。
こうした「マニュアル無視」が、その人にとっては「業務の効率化」につながっている場合もあるので厄介ですが、マニュアル無視が常態化すると、なんのためにマニュアルが存在しているのかわからなくなってしまいますよね。
そこで、手順に問題が見つかったり、より良いやり方が見つかったりした場合には、速やかにマニュアルを改良し、常に業務プロセスを最適化しておくことが重要となります。こうした作業をあくまで現場主導でおこなうことで、チーム内の各々に当事者意識が生まれ、マニュアルを遵守する風土も醸成されるはずです。
作業ミスを防止する業務プロセスを構築
さて、ここまで作業ミスの原因と、その解決策について述べてきました。すでにお気づきの方も多いと思いますが、「作業ミスの防止」は「業務プロセスの改善」と密接に関係しています。
たとえば、業務プロセスを改良・再構築して「チェック工程」を盛り込むにしろ、最良の手順を抽出してマニュアルを作成するにしろ、まずは業務プロセス全体をしっかりと把握しなければこうした作業はおこなえません。
そこで必要となるのが、業務のモデリング(可視化)です。
業務のモデリングとは、業務の流れを図式化して把握しやすくすることです。上の項でも、「チェック工程のないプロセス図」と「チェック工程を盛り込んだプロセス図」がすでに登場していますが、これらは BPMN という表記法で描かれた業務プロセス図(ワークフロー図)です。
たとえば下図は、おなじく BPMN によって描かれた基本的な業務プロセス図の例です。「工程」と書かれている部分には、実際には具体的な作業が入りますが、こうして図式化することで、誰もが業務全体の流れを直観的に把握できるようになります。

ほかにも、業務プロセスを図式化すると、
- 業務全体を俯瞰で見られる
- 問題や課題を発見しやすくなる
といったメリットが得られます。たとえば、なんとなく見過ごされていた、業務上のボトルネック(業務が滞留するポイント)や作業のムダな重複などは、「図にすると一目瞭然」になるかもしれません。
業務を自動化して作業ミスを防止する
一方、少々乱暴な言い方ですが、「人的ミス」を起こさないためには、その作業を「人間にやらせない」という解決法もあります。
たとえば、データの入力・収集・加工といった作業であれば、RPA ツールを導入して、ロボットにこうした作業を担当させるのも一つの方法です。もちろん導入にはコストがかかりますが、単純作業をロボットに代行させることで、人間はより重要度の高い作業に集中できるのが RPA のメリットです。ロボットは「疲れ」によって集中力が低下したり、それによってミスをしたりすることもありません。
また作業ミス防止には、BPM ツールによって、業務全体の進行や管理を自動化する方法も有効です。Questetra BPM Suite を受発注管理業務に活用している三信電気株式会社の事例では、BPM ツール(Questetra BPM Suite)の導入によって、入力ミスを抑制できただけでなく、コストの削減にも成功したことが報告されています。
Questetra で作業ミスを防止するシステムを構築
さて上の項では、RPA ツールとBPM ツールという2つのソフトウェアについて述べました。大まかにいうと、RPA ツールは業務の一部分である特定の作業を自動化するツールであり、BPM ツールは業務全体の進行や管理を自動化するツールといえます。
これらは上手く活用できれば業務の効率化につながるツールですが、たとえば RPA ツールの導入においては、「仕事の受け渡し」が課題となる場合があります。これは、「人間」から「ロボット」に仕事の指示を出したり、「ロボット」がおこなった仕事の成果を「人間」が受け取ったりする際に、手間がかかるケースがあるためです。
しかし、BPM ツールと RPA ツールを連携させれば、こうした課題は解決できます。
これは、「BPM ツールで業務プロセス全体を管理し、RPA ツールによる工程をその中に組み込む」という連携です。この連携により、「人間」と「ロボット」の間の仕事の受け渡しを自動化でき、 RPA ツール導入の効果を高められます。

先に述べた事例でもご紹介した Questetra BPM Suite はクラウド型の BPM ツールであり、RPA ツールとの連携にも幅広く対応しています。
参考:RPA ツールと無料で試せる BPM ワークフローとの連携
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