判断基準をAIにきっちり伝えると、社員の申請に潜む「法令違反」を分かりやすく指摘してくれます。
1.課題: 超過・深夜勤務の見落とし
シャラシャラシステム社は、企業システムの受託開発を行っています。
同社の勤怠報告フローでは、上司は部下の労働時間をチェックしています。具体的には、法定労働時間を超過していないか、深夜勤務になっていないか、休憩時間が不足していないか、の3点を確認しています。これら3点に問題がある場合、事前に届け出があったか、等が確認されています。
その結果、外部から見て会社が法律を適切に遵守しているとは思われなくなり、法令遵守の姿勢に疑問を抱かれる可能性が高まります。このままでは企業の信頼性が損なわれるリスクがあり、見落としを防ぐための改善策が急務です。
2.解決策: AIが勤怠報告を評価
プロセスオーナーは、AIが勤怠報告を評価する仕組みを勤怠報告フローに追加しました。
具体的には、上司の確認作業の前段階で、社員が入力した、出勤時刻・退勤時刻・休憩時間・勤務時間を基に、法令違反の有無がAIによって評価されます。その結果は、上司の確認画面に例えば「深夜勤務: なし、超過勤務: あり、休憩: 適切」といった形で表示されます。
このプロセス改善により、上司は報告内容を詳しく確認する前に、すぐに法令違反を把握できるようになります。その結果、法令違反の見落としが減少することが期待されます。

Before




ワークフロー図の詳細を見る
s1.平日7:00(タイマー開始イベント)
平日07:00に全社員のフローが自動開始します。
1.出勤時刻の報告
社員は勤務開始時に出勤時刻を入力します。
x1.”勤務中”ステータス
データ項目「勤怠ステータス」に “勤務中” がセットされます。
2.退勤時刻の報告
社員は退勤時に “休憩時刻” と “退勤時刻” を入力します。”勤務時間” は自動計算されます。
x2.”勤務終了”ステータス
データ項目「勤怠ステータス」に “勤務終了” がセットされます。
3.勤務時間確認
社員の上司は、社員の報告である “出勤時刻” “休憩時間” “退勤時刻” “勤務時間” を確認します。
2x.差戻対応
社員は差し戻しの理由を確認の上、”出勤時刻” “休憩時間” “退勤時刻” を修正します。
x3.”休暇”ステータス
データ項目「勤怠ステータス」に “休暇” がセットされます。
After




ワークフロー図の詳細を見る
s1.平日7:00(タイマー開始イベント)
平日07:00に全社員のフローが自動開始します。
1.出勤時刻の報告
社員は勤務開始時に出勤時刻を入力します。
x1.”勤務中”ステータス
データ項目「勤怠ステータス」に “勤務中” がセットされます。
2.退勤時刻の報告
社員は退勤時に “休憩時刻” と “退勤時刻” を入力します。”勤務時間” は自動計算されます。
x2.”勤務終了”ステータス
データ項目「勤怠ステータス」に “勤務終了” がセットされます。
x4.出退勤データAI評価
AI が出退勤データを評価し、評価結果を出力します。
3.勤務時間確認
社員の上司は、社員の報告である “出勤時刻” “休憩時間” “退勤時刻” “勤務時間” を確認します。
「x4.出退勤データAI評価」で生成されたAIによる評価結果も確認できます。
2x.差戻対応
社員は差し戻しの理由を確認の上、”出勤時刻” “休憩時間” “退勤時刻” を修正します。
x3.”休暇”ステータス
データ項目「勤怠ステータス」に “休暇” がセットされます。
Compare Before/After(スライドで動かせます)


勤怠報告データを評価するプロンプト(例)
<出退勤データ>を<評価ルール>に基づいて評価してください。評価結果と評価の背景や理由を<出力書式>に示すMarkdownテキストで出力してください(コードブロックにしないでください)。
<出退勤データ>
* 勤務日: #{#q_workday}
* 出勤時刻: #{#q_time_to_clock_in}
* 退勤時刻: #{#q_time_to_clock_out}
* 休憩時間: #{#q_break_time}時間
* 勤務時間: #{#q_working_hours}時間
* 出社旅費請求: #{#q_request_for_travel_expenses}
<評価ルール>
* 深夜勤務: 勤務時間帯が22時から翌朝5時までの間に含まれている時間があれば、"あり"と出力し、その被っている具体的な時間帯を示してください。
* 超過勤務: 勤務時間が8時間を超えた場合、"あり"と出力し、超過した具体的な時間も示してください。
* 休憩: 勤務時間が6時間を超え8時間以下の場合は少なくとも45分、勤務時間が8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩が必要。休憩時間がこれに満たない場合、"不適切"と出力してください。
<出力書式>
### 評価結果
- **深夜勤務**: {深夜勤務の評価結果}
- **超過勤務**: {超過勤務の評価結果}
- **休憩**: {休暇の評価結果}
### 解説
{評価の理由・背景}
3.効果
管理効率の向上
AIが法的問題を事前に評価しフィードバックすることで、上司の確認負担が軽減され、勤怠管理の効率が向上します。結果、管理部門の作業負荷が低下し、より重要な業務へのリソース割り当てが可能になります。
法令遵守
AIによる勤怠報告の自動評価により、法定労働時間の超過や深夜勤務、休憩時間の不足などの法的問題が効率的に検出されるようになります。これにより、法令違反リスクが低減されます。
信頼性の向上
法令違反の見逃しがなくなると、企業内外からの信頼性が向上します。これにより、企業イメージが強化され、顧客や投資家からの評価が高まる可能性があります。
4.他業務への応用
AIを活用して部員からの報告を評価し、上司が報告内容を効率的に把握できるようにする業務プロセスの改善手法は、以下の業務に応用できます。
プロジェクト管理
プロジェクトの進捗状況や問題点を部員からの報告をもとにAIが分析し、プロジェクトマネージャーが迅速に対応策を考える際の支援を行う。
カスタマーサービス
顧客からのフィードバックや問い合わせをAIが分析し、顧客サービスチームが最適な対応を迅速に行うためのサマリーを提供する。
クライアントミーティング
営業担当者からの会議報告をAIが分析し、重要なポイントやクライアントの関心事を要約します。

