業務プロセスの改善サイクルを回すのは容易ではない。ホントは毎月毎週のようにコツコツとPDCAを回したい。しかし、現状把握(Check)や対応(Act)に時間が取れないのが実情? 業務プロセス定義をバージョンアップする(Re-Plan)なんて夢物語?? ここでは「少しの工夫」で「小さな改善」を繰り返す方法について提案してみたい。
1. 集計も自動化!
自動開始(毎週や毎月)の「集計&通知」が好き。
要は、業務データを無人で期間集計してくれる(そして通知してくれる)業務プロセス。ソレは「業務プロセスに流れたデータを集計する業務プロセス」というコトになる。(ヤヤコシイ…)
平たく言えば “自動レポート機能” だ。
たとえば、、、『立替金精算プロセス』に対して『前月立替金の集計プロセス』、、、のように集計用の業務プロセス(ワークフロー アプリ)を作るのだ。それらは勝手に始まり(タイマー開始)、途中の処理工程も全て無人で、そして勝手に終わる。そして、最下流に「関係者へのメール通知」や「タイムライン投稿」が配置されるのがオキマリとなる。
- 222-立替金精算
- 222-notice-前月立替金の集計と通知 (←毎月・スタッフ別集計)
- 222-cross-前月立替金の集計 (←毎月・全社集計)
- 242-出退勤報告
- 242-notice-前週の出勤簿の通知 (←毎週・スタッフ別集計)
- 242b-アルバイト出退勤報告
- 242b-cross-アルバイトの前月勤務時間集計
- 216-Flexible-Billing-Cycle
- 216-notice-Flexible-Report
- (などなど)

▼多用しているデータ抽出工程『Questetra BPMS: 案件, 指定データTSV一括抽出』

日付フィルタされた複数の案件データを複数行のTSV文字列として抽出します。抽出項目は “string:0,date:2,select:3″ のようなCSV書式で指定します。Tabコードと改行コードは、自動的に削除されます。”ファイル型” はファイル名が、”選択型” は選択された選択肢の表示テキストが抽出されます。
2. ソレって、モニタリングでわ?
確かに、わざわざ “集計用のプロセス” を実装する必要なんてナイ。業務データの期間集計をしたければ、その時々に「モニタリング機能」を使えば良い。いつでも、様々な角度から、過去のデータを集計できる。
そう。。。”集計プロセス” たちは、その「モニタリング」を自動化して、(通知して)、いるに過ぎない。
だがシカシ!、、、だが然し!!、、、なのだ!?!
3. いつでもデキル=永遠にシナイ
「集計の無人化」をアレコレ実践してみて、改めて思う。
人間にとって「自分の意志で情報を見に行く」っていうのは、実は “とてもシンドイコト” なのだ。
- 興味がない訳ではない
- モチベーションが湧かない訳でもない
が “過去データを振り返ること” はあまりしたくないのだ。
単に「振り返りたくない」と表現してしまうと語弊があるので、掘り下げて考えてみたい。
むしろ “振り返るコト” は、”目の前にある新しいシゴト” に比べれば、大概はラクだ。(見て眺めれば良いだけ、なのだから…) それでも人間は、“A: 振り返るコト” を “B: 目の前にあるシゴト” と比べてしまうと、ついつい「後で…」と考えてしまう生き物なのだ。 それは「今すぐヤル」ということ自体にメリットが無いのだ。「後でやっても同じ」→「後でやろう」。そして、その繰り返しで、結局 “集計データ” を見る機会が少なくなってしまう。
もし「KPIを集計し報告すること」それ自体が仕事なのであれば、きっと “後回し” にはしない。しかし、そのような場合、集計作業が完了した時点で「振り返り見るパワー」が残っていない。 たしかに、(ウマく言えないが)、KPI情報は「見る」のかも知れない。しかし、きっと「観ることができていない」のだろう。そして「診ることもできていない」のだろう。そして何の改善(PDCAサイクル/BPMサイクル)にも繋がらない。
そもそも “いつでも見ることができるモノ” と思ってしまった瞬間に、“いつまでも見ないモノ/めったに見ないモノ” にしてしまうのは、人類の必然なのだろう。
神戸に20年間住んでたクセに、一度も「異人館」に行かなかったようなものだ。。。(違)
4. Check のキッカケを作ろう!
つまるところ、、、責任者自身が『今すぐ実行しよう』と思える機会がなければならない。
キレイに集計された業務データを眺め見れば(業務の様子を振り返れば)、誰だって意見したくなる。少しは改善したくなる。
- 取り締まるコトが仕事である「取締役」、、、
- 監査するコトが仕事である「監査役」や「会計監査人」や「内部監査室」、、、
彼らがキッチリと “振り返り” を行えるのは、きっと「チェックすべき書類や報告」がルーティーンに届くから、だ。
その機会(キッカケ)のためには、やはり「外部トリガー」が重要なのだろう。自己管理がカンペキな人であっても、全てのタスクを「自己トリガー」(自分の意志)で開始することは容易ではない。(そもそも存在自体を忘れてしまう事だってある)
- “振り返り” を行えるのは、今しかない!
- “振り返り” を効率よく行えるのは、今だ!
そう思わせてくれるキッカケを自分自身に与えなければ、いつまで経っても振り返りを行うことができない、、、かも知れない。
データが、定時に、キレイに集計されて、届く。。。少なくともワタシにとって、この「自動集計通知」は、心地よいセルフ・マネージメント・ツール(ペースメーカー)になっている。。。 (今のところw)
▼二軸で集計の例

▼単純集計の例

▼集計の前段階でのデータフィルタ例
