「ビジネスプロセスの “見える化” を、少しずつでも推進したい」
「究極の “あるべき業務フロー” を、徹底的に議論したい」

改善規模の大小を問わず、ビジネスプロセス改善の議論は容易ではありません。実際、議論自体が発散したり、決定事項が曖昧になったりと、手間の割に得るものが少ないと感じた経験を持つ方も多い事でしょう。では、どの様な順序でビジネスプロセスを定義して行けば良いのでしょうか。

本稿では、ホワイトカラーのビジネスプロセスを効率良く定義して行く方法について記述します。

専門分化すべし!

「見積書」は顧客との商談の中で提出されるものです。およそ「見積書作成業務」と言うビジネスプロセスはセールスチームが主管し、あるべき姿の検討も、セールスチームが主導して実施すべきです。
見積書完成のためのビジネスプロセスが、仮に、

  1. 見積書提出先
  2. 見積書提出予定日
  3. 見積想定金額範囲

と言う入力フォーマットで定義されているとすれば、たとえば

  1. A社
  2. 2010年4月1日に見積書提出予定
  3. 100万円~150万円

と言う情報がこのプロセスの入力となります。他方、成果物は

  • A社様向けホームページ仕様書
  • 見積有効期限:2010年4月15日
  • 納期:2010年5月31日
  • 納入物:納品CD(ホームページデータ・設定マニュアル)

と言った具体的な提案書となるでしょう。

  • 見積内部工数、内部工数見積者および内部工数見積時刻
  • 受託時の想定制作メンバ
  • 見積書の決裁者および決裁時刻
  • 決裁者の仕様書評価

などの内部記録も有効です。
このケースでは、必然的に「仕様書」が制作チームのタスクとなり、その他の作業がセールスチームのタスクとなります。

このケース様に、複数チームにまたがる様なビジネスプロセスは、自然と「スペシャリストによるタスク」に分割されるでしょう。

極力分業すべし!

分業は「下流タスク作業者のチェックを受けられる」と言う副次効果もあって非常に有効です。では「顧客ヒアリング報告」の様にセールスチーム内に閉じたビジネスプロセスはどの様に分業すべきなのでしょうか。

結論から言って

  1. セールスチーム同士で分業し、成果物の品質を高める方針
  2. セールスチーム内で、構成とデザイン等の職能を分ける方針

等が考えられます。1.の場合、「素案作成」と「レビュー」や「評価」をセールスチーム内で分業し、ヒアリングシートの書き方や、記録として残すための工夫を切磋琢磨する事になるでしょう。

なお、分業するほどではないと言う結論であるならば、 「顧客ヒアリング報告」を独立したビジネスプロセスとしてとらえるのではなく、「提案書作成業務」の1タスクとして考える事も可能です。

成果物にはリーダが責任を持つべし!

成果物の完成件数や成果物品質には、責任者が責任を負う事になります。ビジネスプロセスをタスク分割する際には、成果物(最終的な出力)の完成工程で、責任者自身による評価タスクやレビュータスクを設置する事を検討したいところです。

まず一つ目の効果として、プロセス完了条件を厳格化が期待されます。換言すれば「仕事をいい加減に終わらせない」とも言えるでしょう。一般に執行と監督を分離する事で、納期は遅くなるかも知れませんが、品質は確実に向上します。
もう一つの効果として、ナレッジ整備が期待されます。成果物完成時点で、各成果物の採点をすれば、以降同様のプロセス実行時のベストプラクティスの検証が促進されるでしょう。

コスト構造を検証すべし!

ビジネスプロセスの開始と終了を定義し、タスクに分割していくと、自ずと標準的なプロセスを1件完了させるために必要なコスト(社内工数)が精緻に導出されます。

仮に受注活動に関するビジネスプロセスの内、セールスチームのタスクにフォーカスした場合、以下の様な必要コストが算出されるでしょう。

  1. 顧客ヒアリング報告 (ヒアリングシート) 《目標:週次20件》
    1. 1-1. 面談および原文作成タスク: 2時間×20件
    2. 1-2. 同行者コメントタスク: 1時間×20件
    3. 1-3. ヒアリングシートのリーダレビュータスク: 0.5時間×20件
  2. 提案書作成業務 (提案書) 《目標:週次10件》
    1. 2-1. 提案書原文作成タスク: 2時間×10件
    2. 2-2. 提案書デザインブラッシュアップタスク: 1時間×10件
    3. 2-3. 提案書レビュータスク: 0.5時間×10件
    4. 2-4. 提案書リーダ評価タスク: 0.5時間×10件
  3. 見積書作成業務 (見積書) 《目標:週次6件》
    1. 3-1. 見積概要定義および案件説明タスク: 2時間×6件
    2. 3-2. 制作チーム仕様書のレビュータスク: 1時間×6件
    3. 3-3. 見積書リーダレビュータスク: 2時間×6件
    4. 3-4. 見積書顧客説明タスク: 2時間×6件
  4. 受託契約業務 (契約書) 《目標:週次4件》
    1. 4-1. 契約書案作成タスク: 1時間×4件
    2. 4-2. 契約書リーダレビュータスク: 0.5時間×4件

現実には、定義されたビジネスプロセスの各タスクを実行する時間以外にも、他部署が主管するビジネスプロセス内のタスク処理、あるいはビジネスプロセスを改善議論するための時間や、非定型業務に投じられる時間も必要となります。
上記の例では、合計週次158時間となりますが、実際の構成員数、たとえば「5人」で処理しきれるのか、検証する必要があるでしょう。

ビジネスプロセスを不用意に多くのタスクに分割し過ぎると、現実の要員では事業目標を達成できない事態になりかねません。場合によっては、成果物の定義からやりなおす必要があります。

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