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こんにちは、マーケティング部の林です。

本ブログの前編では、

AI によってライターの仕事は代替可能か?

ということを、私のライター経験に照らし合わせて検証しました。

この後編では、人間が AI と共存しつつ仕事を進めていく方法について、ワークフローの実例とともに解説していきます。

いまのところ、AI には人間が必要?

さて、前編では ChatGPT をはじめとする AI の台頭により、「ライターの仕事が奪われる」可能性について検証しました。

たとえばライターの仕事のうち、

与えられたテーマやキーワードを元に文章を作成する

という作業は AI の得意とするところであり、その精度も向上してきています。

一方、AI には意思や共感力といったものは無いため、記事のテーマや方向性を決めたり、取材対象に寄り添って話を深めたり、といったことは困難です。また AI が作成した記事を最終的にチェックする作業も、いまのところは人間の仕事といえます。

「アイデアの提案」や「草稿作成」を AI が肩代わりしたとしても、それは業務における部分的な工程(タスク)であり、ライターの仕事自体が無くなるわけではない、というのが前編で紹介した「タスクベース」の考え方です。

では、AI とどのように共存すればいいのか?

それでは上述した「タスクベース」の考え方に沿って、AI を

業務プロセス内で特定のタスクを処理する存在

と定義してみましょう。

そうすると、AI を効果的に活用するためには、

  • 業務のどの部分を AI に担当させるのか?
  • ヒトと AI の間での仕事の受け渡しをどうするのか?

といったことを明確にする必要性が理解できると思います。これは RPA ツールを導入する際と同じですね。

ちなみに「業務のどの部分を AI に担当させるのか?」を検討する際には、BPM (Business Process Management)の手法が大いに役立ちます。BPM は業務のモデリング(可視化・見える化)を重視する業務管理の手法ですが、この BPM の実践をサポートするのが BPM ツールと呼ばれるソフトウェアです。

BPM ツールを利用するとパソコン上でワークフロー図を簡単に作成でき、ヒトと AI の間での仕事の受け渡しをスムーズにすることも可能です。

Questetra BPM Suite はクラウド型のBPM ツールです。

Questetra BPM Suite では無料でご利用いただけるワークフローテンプレートを多数公開していますが、次の項ではその中の『回答作成プロセス』というテンプレートを例に取り、「ヒトと AI の連携」をスムーズにする方法について具体的に解説します。

AI が下書きする『 回答作成プロセス』

さて、ここでご紹介する『回答作成プロセス』は、国会での内閣答弁をモチーフにしたワークフローテンプレートです。

<『回答作成プロセス』のワークフロー図>

上図は複雑そうに見えるかもしれませんが、基本は

質疑質問を受けつけ、指名された担当者が回答文を作成する

というシンプルなフローです。

このワークフローテンプレートの最大のポイントは、「回答文の下書き」という工程を AI(ChatGPT)がおこなうこと。回答文の作成者が入力画面で[x1.AI 下書き]をクリックすると、作業は AI に受け渡されます。すると、AI(ChatGPT)はピンポイントで「下書き」という作業をおこない、それを元に人間が答弁書を仕上げます。

<『回答作成プロセス』の入力画面サンプル>

『回答作成プロセス』のダウンロードはこちら

実際のところ現在では、日本経済新聞の『決算サマリー』のように、AI が作成した原稿を「ヒトがチェック・修正しない」という試みもおこなわれています。しかし、こうした特殊な例を除くと、AI が作成した原稿はまだまだ校閲や修正が必要なケースも多いため、このワークフローアプリのように「ヒトと AI」が連携する形のプロセスのほうが汎用性が高く、実用的といえるでしょう。

参考資料

完全自動決算サマリー/日本経済新聞

Open AI API と連携できるアドオン

さらに弊社では、「Chat GPT」や「Whisper-1」といった Open AI API とQuestetra BPM Suite をスムーズに連携させるためのアドオンを複数ご用意しています(2023年4月現在)。これらを活用することで、「AI との対話」や「音声データの文字起こし」「音声データを英文テキストに翻訳」といった工程を自動でおこなうことが可能となります。

以下は、Open AI API と連携できるアドオンの一覧です。

Addon: OpenAI: Chat, 開始

OpenAI API (ChatGPT) との会話を開始します。使用される MODEL はデフォルトで “gpt-4” です(変更可能)。指示文(PROMPT)に対する応答文(COMPLETION)を自動的に取得します。

Addon: OpenAI: Chat, パラメータ付き対話

OpenAI API (ChatGPT) と通信します。デフォルト MODEL は “gpt-4” (変更可能)です。会話履歴をふまえた再質問や高度なパラメータの付与など、ほぼ全ての Chat 機能をサポートします。具体的には、サンプリング温度、上位%サンプリング、再出現禁止度、頻出禁止度、Logitバイアスなどが設定可能です。

Addon: OpenAI: Audio, 文字起こし

音声ファイルから文字を起こします。OpenAI API の “whisper-1” モデルによって、音声データがテキストデータに変換されます。略称や専門用語を概要文(PRMOPT)としてセットすれば、より高精度な文字起こしが実現できます。

Addon: OpenAI: Audio, WebVTT形式で文字起こし

音源ファイルから字幕ファイル WebVTT を自動生成します。OpenAI API の “whisper-1” エンジン等によって、オーディオファイルや動画ファイルに収録されている音声がテキストデータに変換されます。AIエンジンModelの変更も可能です。略語や専門用語を概要文(PROMPT)としてセットしておけば、より高精度な文字起こしが実現されます。

Addon: OpenAI: Audio, 英文へ翻訳

音声データから英文テキストに翻訳します。日本語等の音声が収録されている音源ファイルや動画ファイルから英文テキストデータが生成されます。OpenAI API の “whisper-1” モデルにより生成されます。概要文(PRMOPT)として、あらかじめ略称や専門用語をセットしておけば、より高精度な変換が実現できます。

最後に

最近では ChatGPTの盛り上がりの影響もあり、AI の進歩や台頭を懸念する声も多く聞かれるようになりました。こうした意見のなかには、「AI に頼ることで人間の能力が低下する」という危惧を訴えているものもあります。

たとえば、車ばかりに頼って歩かずにいると、当然ながら足の筋力は衰え、人間の「歩く能力」は低下します。AI は便利ですが、そこに頼りすぎてしまうと、人間の「自分で考え、選択し、決断するといった能力を衰えさせてしまうかもしれません。

そう考えると、人間が「自分で考える」ことを意識的に維持しつつ、AI と共存していくことは思いのほか重要なことなのかもしれませんね。

ちなみに Questetra BPM Suite は、パソコン上で業務の流れ(プロセス)を簡単に可視化でき、作成したワークフロー図に沿って業務を自動で進行するソフトウェアです。しかし、業務プロセスを考えるのはあくまで人間の仕事。それだけに、プロセスの中にどう AI を配置するかを「考える」のも、有意義でやりがいのある作業になり得ます。

前編はこちら ≫

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