こんにちわ!矢作です!

ビジネスの現場でよくある「決済」と「決裁」。このふたつの「けっさい」、意味は全く異なりますが、ビジネスの現場ではそれなりに登場しますよね。

本記事では、「決済」と「決裁」の違いを整理するとともに、2つの「けっさい」が関連する業務にどのような課題があるのか見ていきたいと思います。

決済とは

「決済」を辞書で調べると、次のように説明されています。

[名](スル)代金や証券・商品、または売買差金の受け渡しによって、売買取引を終了すること。

goo国語辞典 デジタル大辞泉

“売買取引を終了すること” とあるように、取引を済ませることを決済と言います。決済されると、取引を通じて発生した、買い手・売り手の債権・債務が解消されるということになります。

買い手と売り手の債権債務

例えば、自動販売機で飲み物を購入するとき、お金と飲み物の交換はその場で終わり、発生した債権・債務はすぐに解消されます(そもそも債権・債務が生じる隙きがないかも…)。この場合、”決済” は一瞬で済んでしまうことになります。

しかし、企業間での取引では、お金とモノの交換が同時でないことがよくあります。買い手はモノを受け取った後に届く請求書に基づいて、翌月の末日(例)までにその代金を売り手の銀行口座に振り込むというような手続きを行います。

この場合は、買い手はモノを受け取ってから代金を支払うまでの間は “債務” を、売り手は “債権” を持ちます。まだ債権・債務が残った状態なので、この状態では取引が済んでいない = “決済” されていない 、ということになります。

買い手が売り手の銀行口座に振り込んで、”決済” されたということになります。この場合は、決済までそれなりに時間がかかるということになりますね。

決裁とは

「決済」はお金の話でしたが「決裁」はどのような意味でしょうか。こちらは、お金が関係する場合と関係しない場合がありますね。

「決裁」を辞書で調べると、次のように説明されています。

[名](スル)権限を持っている上位者が、部下の提出した案の可否を決めること。「―を仰ぐ」「書類を―する」

goo国語辞典 デジタル大辞泉

この説明で十分わかりやすいですね。強調するなら “案の可否を決める” のは、権限を持っている上位者である、ということでしょうか。

企業においては、様々な企画が起案され決裁されます。このとき、よくあるのは投資金額の大小に応じて、その企画を決裁できる人が変わるということです。

  • 100万円未満(例:セミナー開催) → 部長決裁
  • 1000万円未満(例:展示会出展) → 担当取締役決裁
  • 1000万円以上(例:テレビCM企画) → 社長決裁

というように、投資金額が大きな案になるほど、上位の人が決裁権限を持ちます。多くの企業等では、このような「決裁ルール」が職務分掌規程や稟議規程などの各種規程類に定められています。

お金が関係しない「決裁」があると先に述べました。例えば、

  • 従業員の休暇取得
  • 人事異動
  • 規程類の改訂

などが挙げられます。

「決済」業務の課題

取引に関連する「決済」については、売り手の手間が大変大きなものになっています。

モノとお金が同時に交換されるのであれば、決済はすぐに終わりますが、実際には、売り手が買い手にモノを提供してから、お金が売り手に支払われるまでに時間が生じます。売り手としては、確実に支払われるまで管理する必要があります。この管理の手間が大変大きなものになっています。

売り手は、この手間を最小限にするために、入金確認業務の自動化、督促業務の自動化などの工夫をする場合もあります。他に、クレジットカード決済サービスのように、決済に関する業務を楽にしてくれるサービスを利用する場合もあります。

「決裁」業務の課題

決裁業務は通常、起案の後、複数の承認がされた後、権限者による決裁が行われます。ややこしいのは、「決裁」の説明でも述べたように、決裁ルールが存在することです。

休暇取得の決裁は、従業員が申請し、その上長が決裁する、とシンプルです。

しかし、予算が1000万円の企画というレベルになると、規程によっては、多くの人への回覧、承認を経て、取締役会で決裁される、というような場合もあります。このような複雑なルールについては、各種規程に定められていますが、そのルール通りにマチガイなく運用する、ということが大変難しいという問題があります。

そのため、多くの企業ではワークフローシステムが利用されています。ワークフローシステムを利用すると、起案内容に応じて権限者に承認や決裁が自動的に依頼されるようになります。

以下は、決裁ルールをワークフロー図に表現したものです(クリックして大きな画像でじっくりとご覧ください)。ワークフローシステムの中には、このようなワークフロー図を作成しながら設定を行うものもあります。

このワークフローでは次のような流れで承認・決裁が行われます。

  1. 申請者による稟議の提出(企画の申請)
  2. チームリーダによる承認
  3. 100万円以下の場合、副部長による決裁
  4. 100万円より大きい場合、部長による決裁(500万円以下なら副部長による代理決裁も可能)

この決裁ワークフローはひとつの例ですが、「自社の稟議ルールをワークフロー図に描いてみたいなぁ」と思った人は、クラウド型ワークフロー「Questetra BPM Suite」の “無料お試し” にお申し込みください。60日間、無料でご利用いただけます。

決裁ルールは、どの企業でも同じではなく、企業により大きく異なります。ですので、自社の決裁ルールを反映しやすいワークフローシステムを選ぶことが重要です。

まとめ

取引を済ませることを意味する「決済」、組織における重要な意思決定を表す「決裁」。「決済」と「決裁」は、それぞれビジネスには重要なキーワードですが、まったく意味が異なりますね。

今後の記事では、「決済」業務、「決裁」業務について更に詳しく書いていきたいと思います。

今回はここまで!

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