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皆さんは大きな目標があるとき、その目標を達成するために、どんな計画をして行動しますか?

会社にも、必ず達成しなければならない目標があります。本記事では、企業が大きな目標を達成するための方法について考えます。

大きな目標を細かく分けて行動に移す

先日、元水泳オリンピック選手のセミナーに参加したのですが、そのセミナーで、オリンピック選手を夢見る子ども達への下記のメッセージがとても印象に残りました。

”今は漠然としていて夢のような目標だけれど、その目標を細かく分けてそれを達成できるようにしてみてください。例えば、次の大会ではこのタイムを切ろうとか、小学生、中学生、高校生での目標タイムを作ることです。すると、やがて毎日の練習も大きな目標への大切な一日で、その日やるべき練習内容とその意味が分かってくるようになります”

”大きな最終目標を細かく分けて行動に移す”

この方法は、大谷翔平選手の目標達成シートが有名です。最終目標、細かく分けた目標、日々の行動、に分かりやすく分類されています。

この図のように、大きな目標だけでは今行動に移すべき手段をイメージしにくいですが、その目標を細かく分けてみると、そのための手段が明確になり迷うことなく行動に移すことができます。

しかし、これらの方法はスポーツ選手だけではなく、私たちが取り組む仕事でも似ているところがあります。

大谷翔平選手の目標達成シート

最終目標のKGI

仕事では、組織や企業が達成すべき最終的な大きな目標をKGIと呼びます。”Key Goal Indicator”の頭文字をとったもので、定量的な指標で表したものです。いつ、どの指標がどのレベルに到達したら目標達成とみなすのかを定義します。

具体的に分かりやすく数値化できない抽象的な理念や目的は、KGIとしてそぐわないので使われることはありません。それは、さまざまな価値観をもった関係者全員が目標を共有しにくく、その目標と実績を比べ、達成できたかどうかの判断も価値観によりさまざまで評価しにくいからです。また、その企業や組織がどうなりたいのかという目的が明確になっている必要があります。それを実現するために、期限を設けて何をどれくらいという数値目標で設定します。

KGIは、企業や組織が最終的に達成すべき長期的な目標です。KGIの設定だけでは、日々の業務でやるべき事や手段がすぐには明確になりにくく漠然としています。そこで、最終的な目標に到達するために、その前段階としてまずはこの目標を達成しようという中間目標(KPI)を設定するのです。

最終目標を適切に分解したKPI

KPIは、”Key Performance Indicator”の頭文字をとったものです。

企業などの組織において最終的な目標に到達するために、その前段階としてまずはこの目標を達成しようという中間目標を表す指標です。つまり、まず最終目標であるKGIが明確になっている上で、その目標を適切に分解し中間目標であるKPIを設定します。それから、その分解された中間目標のための手段を決め行動に移します。そして、その手段が正しく成果に向かっているかどうかの進行状況を定期的にモニタリングし、確認するためのものがKPIなのです。

目標達成までの過程にはさまざまな工程がありますが、それらの工程でそれぞれの目標数値を設定しておくことで、どこで問題が起きているかの原因を検証しやすくなります。

KGIは最終目標が1年、5年といった長期間を対象とするのに対し、KPIは短期間で結果のわかる数値を指標とする違いがあります。具体的に、次にアクセサリーを扱うネットショップのKGI、KPIと手段の関係図を例に挙げます。

最終目標だけでは今行動に移すべき手段をイメージしにくいので、中間目標であるKPIを具体的な数値とともに設定するのです。

すると、やるべき手段が明確になり迷うことなく行動に移すことができます。KPIをチームで共有することは、メンバの目標に対する意思の統一ができます。更に、共通の評価基準を作ることもできるのです。

しかし間違ったKPIを設定すると、そのKPIを目標とした手段も間違ったものになります。最終目標に対して返って逆効果になるので、KPIの設定は慎重に行う必要があります。

KGI、KPIを業務改善の材料に

KGI、KPIを定め、それに基づいて業務を進めて行くことは、業務改善の材料になります。実際に以下のような流れで業務改善を進めていくことができます。

・KGIの設定

  • 成功か失敗かの判断ができる・・・1
  • KPIを設定することができる・・・2

・KPIの設定

  • 手段に問題がないかの確認ができる・・・3
  • KPIの設定自体に問題がないかの確認ができる・・・4

まず、KGIを設定することによって、

1. 何が成功で何が失敗かを判断できる

例えばネットショップで年1000万円売り上げたとします。この場合、KGIを定めていないと成功か失敗かも分かりません。つまり、業務改善する必要があるかどうかも判断できないのです。

2. KPIを設定することができる

最終目標のKGIを達成するために、適切に分解された中間目標(KPI)を定めることができます。これにより、中間目標を達成するためにやるべき業務、移すべき行動を明確にすることができるのです。

次に、KPIを設定することによって、

3. 手段に問題がないかの確認ができる

もし定期的なモニタリングでKPIを達成できていなければ、まずは手段に問題がないかを考える必要があります。

例えば、先ほどのアクセサリーを扱うネットショップの図のKPI(サイトのページビュー数1か月3万)に対し、毎日のFacebook投稿を手段とする場合を考えてみます。この場合、意味のない内容の投稿を毎日行ってもあまり効果はありません。また、サイトのページ数を増やすという手段においても、ただページ数を分割するだけではかえって読みづらいサイトになります。

この場合は、手段である業務に問題があることが分かり、手段を改善する必要があるのです。

4. KPIの設定自体に問題がないかの確認ができる

定期的なモニタリングでKPIを達成できていなければ、次に、KPIの設定自体が現実とかけはなれた数値になっていないか、もしくは最終目標に対して的外れな中間目標になっていないかを考える必要があります。KPI自体が間違ったものであれば、それをめざす手段(業務)も間違ったものになるからです。

このように、KPIの設定、定期的なモニタリングは、手段である業務の問題点の発見、目標設定が適切であるかの確認も定期的にでき、素早く問題点に気づくことができるのです。

KGIの設定は慎重に

やるべき仕事、改善すべき業務の手段を決め、行動に移すためには、中間目標(KPI)が具体的で現実的な数値でなければなりません。その中間目標(KPI)を具体的で現実的な数値にするためには、KGIも具体的で現実的でなければなりません。

そのためには、KGIを定める人は、チームが取り組むそれぞれの業務の内容、特性、手順、ルールをしっかり見極め、理解しておく必要があるのです。

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