2019年4月から、働き方改革関連法が順次施行されていますが、そんな中で「どのように『改革』に取り組んだらよいのかわからない」という企業も多いのではないでしょうか?

ただ残業をやめるだけの「働き方改革」は、決して企業にとってプラスにはなりません。たしかに、不要な残業をカットし、従業員が働きやすい環境を整えるのは企業の義務といえるでしょう。しかし同時に企業は、ムダなコストを省いて業務を効率化し、生産性や業務の品質を向上させるための業務改善をおこなう必要があります。たとえば、残業を増やす原因の一端となる「業務の属人化」や、非効率な「紙のプロセス」が改善されてこそ、企業と働き手の双方にメリットをもたらす「働き方改革」の成果は得られるのです。

残業が常態化する原因とは?

しかし、働き方改革が各所で話題に上る一方で、企業がそれを実践し、効果を上げるのは簡単なことではありません。これは働き方改革法の施行前の調査ですが、デロイト トーマツ コンサルティングがおこなった働き方改革の実態調査2017では、働き方改革の効果を感じている企業はおよそ半数にとどまっていることが報告されています。また、「効果を感じた」としている企業でも、そのうち約4割は「従業員の満足は得られていない」と回答していました。

働き方改革でよくある間違いとしては、「残業を削減しましょう」「有給休暇を取得しましょう」と呼びかけるだけで、業務プロセスを手つかずにしてしまうケースがあります。しかし、具体的に仕事を効率化する手段を提示しないまま労働時間だけを削減すると、業務は改善されるどころか、むしろ停滞してしまう可能性もあります。そして、業務の停滞や遅延を避けるために、管理職が勤務時間に計上しない残業をおこなったり、従業員が会社に隠れて残業したりといった、好ましくない結果を招いてしまうのです。

こうした事態を避けるためにも、企業は残業の削減を最終目的とするのではなく、「生産性を向上させ、労働環境も改善する」という、働き方改革の本来の目的に立ち返る必要があります。ちなみに、「希望の残業学」という共同研究プロジェクトをおこなっているパーソル総合研究所の調査では、残業という習慣が、下記の「集中」「感染」「麻痺」「遺伝」という4つの主要メカニズムによって組織に根付いていくことが指摘されています。

  • 集中:スキルが高い特定のメンバーや管理職に仕事が集中する
  • 感染:「帰りにくい」雰囲気が職場に蔓延し、特に若いメンバーなどが周囲に合わせて残業してしまう
  • 麻痺:過剰な残業に幸福感・満足感を感じる層が存在する
  • 遺伝:残業に対する価値観が上司から部下へ伝わる

もちろん、残業が発生する理由はさまざまですし、上に述べたようなメカニズムによって職場に定着した労働習慣を変えるのは一朝一夕にできるものではありません。特に、複雑化した業務プロセスを整理して再構築するのは困難な作業ですが、こうした作業を容易にするものに BPM(Business Process Management)があります。

BPM は、大まかに説明すると「業務のプロセスを最適化しながら、継続的に業務を改善していく」業務管理の手法です。BPM では「業務のモデリング」を重視していますが、これは業務の流れ(フロー)を図に描き、整理・把握する作業です。業務のモデリングによって、「どのメンバーにどれぐらい仕事が集中しているのか」「どれぐらいムダな作業がおこなわれているのか」といったことが明らかになれば、徐々に不要な残業を減らしていくこともできるでしょう。業務プロセスの「見える化」は、長期にわたって職場に浸透した残業の慣習を変える第一歩となるのです。

業務プロセスの「見える化」で、仕事のムリ・ムラ・ムダを減らす

一方、業務改善を考える上では、仕事におけるムリ・ムラ・ムダを発見することが重要です。

仕事における「ムリ」とは

スキルやリソースが不足している状況で業務を無理強いすることは、仕事における「ムリ」に該当します。スキルが不足している人に仕事を任せても満足いく品質の成果物はできませんし、だからといってスキルがある人材にばかり業務が集中すると、特定の人に過剰な負荷がかかることになってしまいます。実際に、上の項で述べたパーソル研究所の調査では「スキルの高い従業員に残業が集中する」という傾向があることも報告されていますが、こうした業務量の偏りは、従業員を疲弊させ、失うことにもつながりかねません。

仕事における「ムダ」とは

ここでいう「ムダ」とは、人材・時間・お金といったリソースを、成果につながらない形で「ムダ遣い」してしまうことを指しています。たとえば、「同じ作業を別の担当者が重複しておこなっている」「形式だけの会議を続けている」「特定のスキルを持った人材が誰でもできる雑務を担当している」など、業務プロセスにおいては往々にして様々なムダが発生しがちです。

仕事の「ムラ」とは

仕事が平準化されていない状況=仕事に「ムラ」があるということです。たとえば、過剰に仕事をしている人がいる一方で、他の人の作業を待つためにヒマを持て余している人がいるというのは非効率な状況といえます。

仕事のムリ・ムダ・ムラを把握する方法

ビジネスプロセスを「見える化」すると、こうした業務上のムリ・ムダ・ムラが把握しやすくなり、

  • スキルや業務量に応じて仕事を担当者間で適切に割り振る
  • リーダーに同じタイミングで業務が集中しないよう調整する
  • 属人性の強い業務を標準化し、自動化できるポイントは自動化する
  • あきらかに不要な業務はカットする

といった解決策も検討しやすくなります。さらに、「業務の流れ」も組織内でしっかりと共有されるため、「業務の最適化」に向けた議論も活性化することでしょう。

紙のプロセスによるムダを減らす

ちなみに、あるべき業務プロセスに対してチーム内の理解が進めば、グループウェアやチャットシステムの導入が業務改善への近道となり得るかもしれません。紙に書かれた情報は共有がしづらいだけでなく、数字の集計などの作業にも手間がかかりますが、こうしたツールの導入が紙のプロセスに起因するムダを減らすことに役立つ可能性は高いでしょう。デジタル化を前提として、「押印した書類を巡らせる」といったような紙のプロセスを続ける意味があるのかを問い直せば、業務上のムリ・ムダ・ムラも大幅に抑制できるかもしれません。

働き方改革の成果も「見える化」する Questetra BPM Suite

「生産性が高い」というのは、少ない入力によって、より大きな出力をもたらした状況を指す言葉です。仕事の「見える化」から一歩進んで、業務プロセスを分析すれば、一連の業務で一定の成果物を生み出すまでに、どのくらいのリソースを費やしているのかが理解できます。特に、全体の生産性を阻害している業務の滞留部分(ボトルネック)が特定できれば、より効果の高い改善策を打ち出せるようになるでしょう。

さらに、こうした業務改善の効果が定量的に評価され、「どれぐらい業務が改善されたのか?」が目に見えてわかれば、組織のメンバーも納得感を持って働き方改革を進めていけるはずです。しかし、仕事の「見える化」はもとより、業務改善の成果を定量化するには、相応の知識やデータの蓄積が必要です。しかし、BPM ツール(BPM Software / BPM Suite)と呼ばれるソフトウェアを使用すれば、こうした作業は驚くほどスムーズにおこなえることでしょう。

Questetra BPM Suite は、業務フロー図を Web 上で作成し、簡単に仕事を「見える化」できるだけでなく、作成した業務フロー図に沿って業務を進めるシステムを自動で構築できるソフトウェアです。さらに、各業務に要した時間や各工程の平均処理時間も分析できるため、業務改善の成果を「目に見える」形で定量化することが可能となっています。

働き方改革はビジネスプロセス管理から

ビジネスの形が多様化し、日進月歩で変化している現在においては、デジタル化を前提としたビジネスプロセス管理をおこなうことが求められています。

クラウド型の業務プロセス管理システムである Questetra BPM Suite は、たとえば 次のようなビジネスプロセス上の問題を解決することを支援します。

  • 紙やメールで仕事を回しているので手間がかかって仕方ない
  • いま誰が対応しているのか分からない
  • そもそも業務の流れがどうあるべきなのかが分からない

そして、業務プロセスのうち、どの時点で仕事が滞留しているのか、各工程の平均処理時間はどのくらいか、といった分析をおこない、ムリ・ムラ・ムダの抑制に効果を発揮します。さらに、チャット機能やファイルの連携などによって、社内の情報共有やコミュニケーションをスムーズ化し、仕事の属人化を防ぎます。

BPM ツールの活用は、不要な属人化や紙のプロセスを排除した業務の標準化・自動化を実現し、デジタル化を前提とした業務プロセスの改善を促進します。そして、こうした業務改善活動が、企業にも従業員にもメリットをもたらす働き方改革の実現につながっていくのです。

今回の記事を読んで、ワークフロー図を書いてみたいと思われた人は、以下のQuestetra BPM Suite(無料)をお申し込みください。お申し込み後、すぐにご利用いただけます。

参考






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