業務の自動化~第10回 自動化の標準ケース評価 その2「社外とのやりとり」

全10回の連載もいよいよ最終回となりました。前回は社内での「稟議申請」の自動化について述べましたが、今回のテーマは「社外とのやり取り」。今回も Questetra BPM Suite を導入していただいている企業の実例をもとに、業務自動化の前後で何が変わったか?という分析・評価をおこなっていきます。

業務自動化の「4つのステップ」

ステップ1. 業務の整理
ステップ2. 業務の実施、計測、評価
ステップ3. 自動化するべき箇所の特定
ステップ4. 自動化の実現


社外とのやり取りをどう自動化するか?

そもそも紙ベースで社外とやり取りをするのは何かと手間がかかるものですが、こうした負担が業務の効率化を妨げてしまう場合もあります。株式会社一条工務店仙台の事例は、社外とのやり取りを自動化することにより、業務を効率化した好例といえるでしょう。

FAX によるやり取りが残業過多の原因に

同社では、木造住宅の建築において発生する「依頼」「報告」「請求」といった協力会社とのやり取りを、以前はすべて FAX によっておこなっていました。

<例:FAXによるハウスメーカーと協力会社のやり取りのフロー図>

しかし、FAX によるやり取りは、書類の作成や送信、さらには「受信確認のためにオフィスに戻る」といった手間を生じさせます。住宅建築には多くの協力会社が関わってくるため、そのすべてとやり取りをおこなう現場監督(ハウスメーカー社員)の負担は相当なものであり、このことが現場監督の残業過多や施工の遅れにもつながっていました。

書類の作成と送信を自動化

そこで 、上記のような問題を業務自動化で解決するべく、株式会社一条工務店仙台ではQuestetra BPM Suite を導入しました。

自動化にあたっては、現場監督が作成する依頼書や通知書、協力会社が作成する報告書や確認書といったさまざまな書類を、Questetra BPM Suite で作成するようにしました。Questetra BPM Suite では、事前に投入した施工計画データに基づく工事スケジュールに合わせて、これらの書類が PDF ファイルとして自動生成され、協力会社にメールで自動送信されます。

一方、協力会社側は、メールに簡単なコメントをつけて返信をするだけで、工事終了の報告や請求処理の通知をおこなえるようになりました。また、これらに関係する書類(工事終了報告書や請求処理通知書)も、自動的に生成されます。

自動化で残業も大幅減に

なお、自動で生成された上記のファイルは、Questetra BPM Suite とGoogle Workspace の連携により、Google ドライブに自動保存されます。

これにより、現場監督はどこにいてもファイルの内容をスマートフォンやタブレットで確認できるようになりました。もちろん、FAX の受信を確認するためにオフィスに戻る必要はありません。

自動化を実行した結果、現場監督の書類作成や FAX 業務の負担はなくなり、残業も大幅に軽減されました。同時に、協力会社側でも書類のやり取りに関する負担が軽減され、FAX の送信モレなどによる工事の遅れも減少したとのことです。

<例:自動化実施後の業務イメージ図>

紙ベースでは困難な「状況把握」

さて、紙ベースによる業務で大きな課題となるのが、書類の保管や管理であることは前回も述べました。

株式会社Impress Professional Works の事例では、問い合わせ対応業務で使用していた月間600ー800枚の書類を、自動化によりゼロにしたことがレポートされています。同社では、「メールでの問い合わせを印刷した書類」をもとに、対応状況の管理や把握をおこなっていたとのこと。しかし紙ベースの工程では、担当者にいちいち確認しなければ、状況把握ができなかったといいます。

ちなみに、先に述べた株式会社一条工務店仙台の事例でも、「FAX 送信モレが発生した時、後追い確認の時間的・精神的な負担が大きい」ことが、FAX による業務の課題として報告されていました。

自動化で進捗状況が一目瞭然に

株式会社Impress Professional Works でも、すでに述べた株式会社一条工務店仙台の事例と同様に、Questetra BPM Suite を用いて紙ベースの工程を電子化し、業務を自動化することで問題を解決しています。

自動化された問い合わせ対応業務の工程では、メールで届いた問い合わせは、自動的に Questetra BPM Suiteに取り込まれます。リーダーはパソコン上で問い合わせの内容を確認し、手順を選択して、担当者に振り分けます。そして、対応担当者が回答文章を入力すると、回答メールが自動的に送信されるようになりました。これにより、宛先や件名を手入力することで発生するミスも防げるようになったそうです。

<例:問い合わせ対応業務のワークフロー図>

なお、Questetra BPM Suite では、上記のような業務の流れは、作成したワークフロー図に沿って自動的に進行します。もちろん、メールを印刷する必要はありませんし、仕事を手渡す手間もありません。リーダーは、Questetra BPM Suite 上で、「誰が」「どんな仕事を」「どのぐらい」抱えているのか簡単に確認できますし、業務の進捗状況については、ワークフロー上を「トークン」と呼ばれる作業を示すアイコンが移動することで、「いま、作業がどの段階にあるのか」を教えてくれます。

無料でスタートできる Questetra BPM Suite

今回、紹介した2社は、自動化によって「社外とのやり取り」における業務の負担やミスを減らすことに成功しました。さらに、自動化に伴うペーパーレス化により、書類の印刷・保管・管理などにかかるコストも削減しています。

こうした自動化のカギとなるのが、業務プロセス全体を俯瞰して捉えるワークフロー図であり、作成したフローに沿って業務を自動的に進行できる BPM ツールです。

Questetra BPM Suite はクラウド型の BPM ツール です。

多くの BPM ツールは、サーバへのセットアップなど利用するまでの準備が大変ですが、Questetra BPM Suite はお申し込み後すぐに利用できます。無料でスタートできるQuestetra BPM Suite を、この機会にぜひお試しください。

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