人口減少や働き方の多様化など、ビジネス環境が大きく変化しています。企業においては、業務コスト削減、生産性向上、リスク回避等が強く求められます。これらの多様な要望に対応しつつ、企業の経営戦略と合った業務プロセス構築が求められています。
業務プロセスに対する要望が複雑になってきているからこそ、これまで以上に、現状の業務プロセスの品質向上が大事です。「現状の業務プロセスの見える化し、さらに分析すること。」を繰り返し行い業務品質向上に努める必要があります。
品質が高い業務とは、コスト削減、生産性向上、リスク回避などが狙い通りに実現できる業務の事です。BPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)は、業務品質向上の実践に有効な手法です。ここでは、業務品質向上の重要性とBPM活用のメリットについて解説していきます。
ビジネス環境の急速な変化
2019年4月に働き方改革関連法による改正後の労働基準法が順次施行されました(働き方改革関連法のあらまし (改正労働基準法編))。
- 罰則付きの時間外労働の上限規制
- 年次有給休暇の確実な取得
- フレックスタイム制の拡充
上記3つを導入しつつ、労働生産性の改善が期待されています。
さらに2019年9月に厚生労働省からテレワークついてのガイドライン(テレワークにおける 適切な労務管理のための ガイドライン)が発表されました。2020年のコロナショックにより、テレワークのメリットと課題の分析が急速に進むと考えられます。
ビジネス環境が大きく変化するこの時代だからこそ、環境の変化に追随した業務プロセス改善が大切です。業務コスト削減や作業ミスなどのリスク回避を図りつつ、顧客に満足して頂き、利益を生み出す業務プロセスの実践が求められています。
業務品質とは
自動車や家電製品などの製品で品質と言えば「性能やスペックを満たす度合いや状態」のことであり、イメージがしやすいと思います。
では、業務品質とはどのようなイメージがあるのでしょうか?業務にはインプットとアウトプットがあります。品質が良いと言われる業務は、期待通りのアウトプットを出せる状態を言います。例えば、想定内のコストで、一定の品質で、期限内に出せる、商品・サービスの事です。
労働時間の短縮、労働者の減少に対応しつつ、さらなる業務品質向上のためにも、改善を行っていく方法が大切なのは明らかです。しかしながら「言うは易く行うは難し」であり、どのように実施すべきか悩んでいる経営者や担当者が多いのではないでしょうか。
BPMの作業ステップ(PDCAサイクル)
BPM(Business Process Management)とは業務プロセスを管理する手法であり、主に業務の「現場」における改善に主眼をおいています。BPMは業務品質向上の実践に有効な手段です。ここでBPMの作業ステップを説明します。
(1)業務プロセスのモデリング
業務プロセスをフロー図として表示し、業務プロセスを「見える化」することを「モデリング」と呼びます。「モデリング」を行うことで、関係者との共通認識を形成し、業務品質向上を実現する改善案の検討が行えるようになります。

(2)新しく計画を立てた業務プロセスを実行する
関係者で検討して変更した業務プロセスを実行します。実際に業務を行うと、検討時には見出せなかった事も発生するかもしれません。後で分析を行えるよう作業結果の記録を残すようにします。
(3)業務プロセスの実施状況の分析
実際に業務プロセスを実施して得られた効果や新たな問題点などを検証します
(4)業務プロセスの次なる改善の計画を立てる
期待された効果が得られなかった場合の原因、及び新たな問題点を解決するために、改善案を検討します。改善案を「モデリング」による「見える化」を行います。 ※(1)に戻る
上記の(1)~(4)は、まさにPDCAサイクルを回している様子を示しています。BPMのポイントの1つは「継続的にPDCAサイクルを回すこと」です。
BPMシステムの活用
業務プロセスのフロー図を作成して、印刷物を関係者に配布する方法ならエクセルなどのオフィスツールでも可能です。しかし、業務品質を改善する作業そのものに「業務プロセスの社内共有が難しい」などの問題が発生します。
業務品質向上の為の継続的活動なしに今後の企業活動は考えられませんが、業務プロセスの改善を検討すること自体、利益を生み出しません。できるだけ効率的に行う必要があります。つまり、業務プロセス改善の検討には、必要な機能をもつシステムの活用が欠かせません。
また、システムの導入やアップデート(サーバーの設置やソフトのインストールなど)に手間がかかるようでは、これも作業効率を落とす原因となってしまいます。多くの関係者にストレスなく使えるシステムであることが必要です。
Questetra BPM Suiteについて
Questetra BPM Suiteは、本文で紹介したBPM4つの作業ステップを踏む手助けができるクラウド型BPMツールです。業務プロセスのフロー図をシステム上で描け、社内で共有できます。
さらに、工程ごとの延滞状況も把握できるため、業務プロセスの問題点の分析を行うことも容易です。業務品質向上のきっかけに、Questetra BPM Suiteを利用してはいかがでしょうか?