業務を効率化し、改善していくために欠かせない要素に「標準化」があります。

ここでは標準化の定義や、業務改善活動における標準化の必要性、そして業務標準化に役立つ BPM の手法などについて解説していきます。

「標準化」とは?

「標準化」と「属人化」

業務における「標準化」とは、個人に依存している仕事の手順や段取り、手法を、マニュアルの作成やパターン化などにより、誰でも業務を遂行でき、ある程度均質な作業ができる状態にしていくことを指します。

逆に、その業務を担当している人以外、誰も仕事の内容や進め方がわからない、といった状態を業務の「属人化」といいます。属人化した業務では、仕事の進め方やノウハウなどが担当者個人の中に蓄積されており、チーム内で共有されていません。

「工程」と「プロセス」、標準化の2つの視点

ところで、一般的に「業務を標準化する」という場合、「工程の標準化」を指すことが多いようです。

ここでいう工程とは「作業の1単位」であり、この工程をつないだものが業務の「プロセス」です(この記事では、そう定義して話を進めます)。製造業を例に取ると、流れ作業における1つの工程について、「部品をどのようにセットするのか」「工具をどこに置くのか」といったことを取り決めていき、誰もが同じように作業できる環境を整えるのが「工程の標準化」といえるでしょう。

その一方で、業務改善活動においては「業務プロセス全体を標準化する」という視点も重要です。この場合、標準化の対象となるのは工程の内容だけでなく、それぞれの工程の境界、処理される順番、処理する人(担当)などについても明確にする必要があります。また、業務プロセス全体の成果物もしっかりと定義しなければなりません。

業務を標準化するメリット

なぜ業務の標準化が必要なのか?

たとえば、「業務が属人化していて、マニュアルもない」といった状況においては、急な事情で担当者が仕事を進められなくなると、最悪の場合、その業務はストップしてしまうかもしれません。また、業務が標準化されず、それぞれが個々のやり方で仕事を進めているようなケースでは、作業や成果物の品質にバラつきが生じる可能性も高くなるでしょう。

企業が業務を効率化し、成果物や作業の品質を安定・向上させるためには、業務が属人化していないかを常にチェックし、人に依存した工程やプロセスを可能な限り標準化していく必要があります。

業務が適切に標準化されていれば、長期休暇や退職などにより担当者が業務を遂行できなくなった場合でも、チームの他のメンバは決められた手順や段取りに沿って仕事を進めることができます。業務の標準化においてはマニュアルの作成も重要な要素となりますが、これは「誰が対応しても一定レベル以上の成果を出せる仕組み」を作り上げるためです。

このように、業務の標準化とは、業務の属人化によるリスクを回避するためにおこなう取り組みともいえるでしょう。

属人化によるリスクとは?

業務の属人化による最大のリスクは、すでに述べたように「その人しか仕事を進められない」状況にあるために、担当者の都合によって業務がストップしてしまう可能性があることです。

たとえば、営業職などでは「この顧客は、この営業担当でなければ対応できない」といった状況が往々にして見られます。こうした職場では、担当者が仕事の引き継ぎをせずに退職してしまい、残されたメンバがイチから手順や段取りを手探りしてなんとか仕事を進めるといったケースも珍しくありません。

また、工程において「品質のバラつき」が生じてしまうのも属人化の大きなデメリットです。

たとえば単純な制作業務の工程において、Aさんのやり方では1時間に10個の成果物ができあがるのに対して、Bさんのやり方では1時間に5個しかできない、といった場合、工程を標準化して、Bさんはより適切なやり方で作業をこなす必要があるかもしれません。

その一方で、「Aさんは1時間に10個制作できるが、成果物の仕上がりが荒い」といったケースも想定されることから、業務の標準化においては、効率と品質のバランスを見ながら最適な手順や段取りを定義していく必要があります。

BPMはどのように業務標準化に役立つのか?

標準化するポイントを見極める

当たり前のことですが、これまで「人に依存していた」(=属人化していた)工程やプロセスを、なんのビジョンもないまま丸ごと標準化することはできません。

仕事には専門的な技能や知識を必要とするものもあり、もちろん業務を標準化できない工程も存在します。その一方で、仕組みさえしっかりと作り上げれば「(チーム内の)誰が担当してもいい」という工程もあるはずです。さらに業務によっては、プロセスを丸ごと標準化できるものもあるでしょう。このように、「業務を標準化するポイントを正確に見極める」ことは、業務の標準化を成功させる第一歩といえます。

では、どのようにして業務を標準化するポイントを見極めれば良いのでしょうか?

BPM で業務プロセスを「見える化」する

業務を標準化する過程においては、工程やプロセスを「見える化」して、整理・把握・共有することが重要です。

逆にいえば、業務における標準化とは、工程やプロセスを適切に「見える化」し、それを実践していく活動ともいえるでしょう。たとえば、単純な作業の1工程を標準化するだけなら、作業の段取りや手順をマニュアルに書き起こせば済むかもしれません。しかし、プロセスを丸ごと標準化するとなると、業務の流れを誰もが分かるように明確に図式化する必要があります。

BPM(Business Process Management) は、プロセスを最適化しながら、継続的に業務を改善していく経営管理の手法です。BPM では 日常的な業務のプロセスに対して PDCA サイクル(※)を適用し、業務品質や生産性の向上、業務の効率化などを目指していきます。

この BPMの中核となるのが、業務の流れの「見える化」(モデリング)です。業務プロセスのモデリングでは、業務の開始から終了までに存在する作業工程について、「誰が」「どのような順番で」処理するのかを、ワークフロー図によってあらわします。

PDCAサイクルを効果的に回すためには、こうした業務の「見える化」が不可欠ですが、モデリングすることによって、業務におけるボトルネックなどの問題点も明確になります。そして、このように業務の流れが整理・把握されれば、自ずと「標準化すべきポイント」’(あるいは「標準化できないポイント」)も見えてくるはずです。

また、業務プロセスを継続的に改善すべくアプローチするBPMの手法は、プロセスのリーダやメンバに、常に作業の流れや品質を注視し、最適化することを求めます。こうしたアプローチは、マニュアルが形骸化し、無視されることによるトラブルを防ぐ上でも有効です。

※PDCA サイクル…設計(Plan)→実行(Do)→分析(Check)→改善(Act)というステップを繰り返しながら作業や成果物の品質を管理するフレームワーク。

BPM ツールを使用するメリット

業務プロセスの図式化については、国際標準である BPMN(Business Process Model & Notation)をはじめとするさまざまな表記法があります。

(参考:BPMN で表記した「出張申請」のビジネスプロセス図)

業務プロセスのモデリングは、こうした表記法に沿って、紙とペンを用いておこなうこともできますが、こうした作業を簡単かつ効果的に実行できるのがBPM ツール(BPMS)と呼ばれるソフトウェアです。

BPM ツールを使えば、パソコン上で簡単に業務プロセスを図式化でき、作成したワークフロー図に沿ってシステムを構築して作業を進めていくことができます。また、プロセスの変更や共有も容易なことから、標準化を実施する際も、業務の手順やルールを随時更新しつつ、企業やチームでスピーディーに共有していくことができます。そのため、こうした BPM ツールは業務の標準化に適したソフトウェアといえるでしょう。

また、BPM ツール ではデータとして事例がシステムに蓄積されていくため、過去の事例や業務上のやり取りなどに簡単にアクセスすることができます。BPM ツール のこうした機能は、過去の手順やノウハウを参考に業務を標準化していく際に大いに役立ちます。

業務の標準化をサポートする Questetra BPM Suite

Questetra BPM Suite は、クラウド型の BPM ツール です。

近年では多くの企業がテレワークの導入を推進していますが、テレワークの実施をスムーズにおこなう上でも、業務の標準化は不可欠な要素です。業務の工程やプロセスがしっかりとマニュアル化・パターン化されていれば、現場でリーダが細かく監督や指導をしなくても、メンバは適切に作業を進めていくことができます。さらに、業務プロセスの「見える化」は、標準化のポイントを見極めるだけでなく、テレワークに適した業務・適さない業務を判断する上でも有効です。

なお、Questetra BPM Suite はクラウドサービスとして提供されているため、インターネットに繋がってさえいれば、どこにいても簡単にオフィスと同じシステムにアクセスして作業をすることができます。これは、企業がテレワークを推進する上でも大きなメリットとなるでしょう。また、多くの BPM ツールは、サーバへのセットアップなど利用するまでの準備が大変ですが、Questetra BPM Suite はお申し込み後すぐに利用することが可能です。

無料でスタートできる Questetra BPM Suite なら、業務の標準化を強力にサポートするBPM ツールのメリットを手軽に体験することが可能です。この機会に、ぜひお試しください。

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