検収対応フロー
利用シーン
Web サイト制作から内装工事まで、受託や請負といった契約下での仕事は、単に成果物を「納品」するだけでは完了しません。通常は、納品した成果物をクライアントが「検収」し、仕事をおこなった側は「検収報告書を受け取る」ことによって、はじめて委託費を「請求」できます。
もっとも、この「納品」→「検収報告書を受け取る」という工程がスムーズにいくとは限りません。クライアントが、
- 検収期限ギリギリに検収報告書を提出する
といったケースや、
- 検収報告書が提出されない
(「みなし検査合格に関する規定」の適用を前提としている)
といったケースも考えられます。
さらに、「成果物が基準を満たしていない」と判断されて「検収期間の延長」や「再納品」を迫られる場合もあるでしょう。
今回、ご紹介する『検収対応フロー』は、こうしたさまざまなケースに対応することを想定して作成されています。本フローは「納品書 PDF の自動作成」に始まり、「検収対応」を経て、「請求書送付」までプロセスが自動で流れていきます。こうした自動化は、納品・検収対応・請求といった一連の作業にかかる手間を軽減し、「請求書の送り忘れ」のような人的ミスを抑制します。
また、このようにワークフローでプロセスを管理することで、管理者は検収への対応業務が「いまどんな状況にあるのか」をひと目で把握できるようになります。
【概要】
テンプレート名:検収対応フロー
用途:納品書の作成・送付から検収への対応、請求書送付までのプロセス
作成難易度:低
拡張性・汎用性:複数の対応パターンを必要とするプロセス、締切時刻になったら自動的に次工程に流れるプロセス

※ダウンロードしたテンプレートは Questetra BPM Suite にインポートしてご利用ください。
ポイント
本ワークフローのポイントは以下の通りです。
- 4つの対応パターンが用意されている
- 検収に期限を設定できる

ポイント1:「4つの対応パターンが用意されている」について
『検収報告フロー』は、入力した情報から納品書 PDF を自動生成して送付し、その後は、
- 検収報告の受領
- 検収期限による「みなし検収」
- 検収期限の延長
- 検収納品の断念
という4つのパターンで検収への対応業務を処理できるようになっています。そのため、クライアントがどのような検収結果を報告してきたとしても(あるいは報告がなかったとしても)、1つのワークフローで臨機応変に対応できます。
また、検収対応のプロセスは逐一記録されるため、「どのようなパターンを経て請求に至ったのか」も参照しやすくなります。
ポイント2:「検収に期限を設定できる」について
本フローでは、検収に期限を設定できます。
設定した検収期限は、そのまま〔検収対応・検収報告書受領〕工程の処理の締切日時となり、「その時刻になったら自動的に次工程に流れる」というプロセス上のルールが実行されます。 これは、〔検収対応・検収報告書受領〕工程に配置された工程アイコン『タイマー境界イベント』の働きによるものであり、設定した期限は後から変更することも可能です。
ちなみに、『タイマー境界イベント』とよく似た働きをするアイコンに『タイマー中間イベント』がありますが、『タイマー中間イベント』が
- その時刻まで必ず滞留し続ける(誰も次の工程に進められない)
のに対し、『タイマー境界イベント』には、
- その時刻まで必ずしも滞留し続けない(担当者はいつでも任意の工程に進めることができる)
という特徴があります。
テンプレート設定項目
データ項目(データの入れ物)
番号 | 設定上の名称 | タイプ | 用途・備考 | フィールド名 |
---|---|---|---|---|
1 | 件名 |
初期値では「[取引先] ●●●」と表示 |
||
2 | ▼社内コミュニケーション▼ | ガイドパネル | フォーム上に表示される区切り | |
3 | 社内通信 | 掲示板 |
テキストでやり取りできる掲示板 |
q_Message |
4 | 社内通信添付ファイル | ファイル |
社内通信に関連したファイルを添付 |
q_Attachment |
5 | 検収完了日 | 日付(年月日) | 検収完了日をカレンダーから選択 | q_Accepted |
6 | ▼▼納品書データ▼▼ |
ガイドパネル |
フォーム上に表示される区切り |
|
7 | 納品先会社名 | 文字(単一行) | 納品先の会社名をテキストで入力 | q_Company |
8 | 担当者メールアドレス | 文字(単一行) | 納品先の担当者のメールアドレスを入力 | q_Email |
9 | 担当者部署名+氏名 | 文字(複数行) |
納品先担当者の部署名および氏名を入力 |
q_Representative |
10 | 郵便番号+住所 | 文字(複数行) |
納品先の郵便番号と住所を入力 |
q_Address |
11 | 納品書発行日 | 日付(年月日) |
納品書の発行日をカレンダーから選択 |
|
12 |
検収期限 |
日時 |
検収の期限となる日時をセット |
q_Deadline |
13 | 文書ID | 文字(単一行) | 初期値では「プロセス開始年月日」+「ID 番号」を表示 | q_ID |
14 | 文書名 | 文字(単一行) | 初期値では「プロセス開始年月日」+「ID 番号」+「.pdf」を表示 | q_Title |
15 | 納品書ファイル | ファイル | 納品書 PDF を自動セット | q_Note |
16 | メッセージ上 | 文字(複数行) | 納品書の上部に記載する定型メッセージを自動セット | q_Header |
17 | 明細テーブル | テーブル |
納品した成果物の摘要・数量・単価などを入力 |
q_Details |
18 | 小計等の文言1 | 文字(単一行) | 初期値では「小計(税別)」と表示 | q_Label_Subtotal |
19 | 小計1 | 数値 | 納品物の小計を自動セット | q_Subtotal |
20 | 値引等の文言2 | 文字(単一行) | 必要に応じ「値引き」「送料」「振込手数料」などを記載(通常は空白のまま) | q_Label_Discount |
21 | 値引等2 | 数値 | 通常は空白(必要に応じて値引等の金額を入力) | q_Discount |
22 | 消費税等の文言3 | 文字(単一行) |
初期値では「消費税」と表示 |
q_Label_Tax |
23 | 消費税等3 | 数値 | 消費税を自動計算して表示 (初期値では10%) |
q_Tax |
24 | 総計等の文言 | 文字(単一行) | 初期値では「請求合計」と表示 | q_Label_Total |
25 | 総計等 | 数値 | 請求金額の総計を自動計算して表示 | q_Total |
26 | メッセージ下 | 文字(複数行) | 納品書の下部に記載する定型メッセージを自動セット | q_Footer |
注意事項
本テンプレートは、Questetra BPM Suite の Professional エディションでご利用いただけます。
ダウンロードリンクよりテンプレート(アーカイブ)をダウンロードした後、アプリの新規作成時に「アーカイブより作成」を選択して、テンプレートをアップロードするとアプリとしてご利用いただけます。データ項目の名称や各工程の名称は変更可能ですので、ご利用環境に応じて適宜修正の上ご利用下さい。
無料でスタートできる Questetra BPM Suite
「検収」はクライアントの都合で左右されることもあり、その対応には手間や労力がかかるケースも多いようです。しかし、検収対応のプロセスが自動化され、1つのワークフローでさまざまなケースに対応できるようになれば、こうした人的コストや担当者の負担は大幅に軽減されるでしょう。
ワークフローや BPM ツールといったソフトウェアの多くは、サーバへのセットアップなど利用するまでの準備が大変ですが、Questetra BPM Suite はお申し込み後すぐに利用できるクラウド型のサービスです。検収対応のプロセスを自動化して、臨機応変にさまざまなパターンに対応する『検収対応フロー』を、無料でスタートできる Questetra BPM Suite でぜひお試しください。