こんにちは!矢作です。今回は「選択肢」に注目しました!
ワークフローシステムと選択肢
ワークフローシステムは、仕事に関する「情報」が、あらかじめ定められた順番で人やシステムに渡されることを支援する仕組みです。多くの場合、この「情報」は人により入力されます。しかし、人の入力には、どうしてもミスが紛れ込んでしまいますよね。
「入力ミス」を防止する方法のひとつに、提示された選択肢の中から選ばせる、という方法があります。この機能は多くのシステムで採用され、どのワークフローシステムにも備わっています。
入力候補を選択肢の中から選ばせる機能なので、重要なのは「選択肢」そのものです。「選択肢」が最初に決めたとおり変化しない(またはめったに変化しない)場合には問題ありません。
しかし、組織が活動する中で変化するものが「選択肢」になる場合、例えば、顧客、仕入先などの場合は、毎日、新しい選択肢を追加したり、削除したりする必要があります。このように「選択肢」にはメンテナンスが必要です。
ワークフローシステムを選ぶ際には、このメンテナンスがどのくらいラクなの?もポイントのひとつになります。
ジョブカンワークフロー、Create!Webフロー、コラボフロー、Questetra BPM Suiteで比較
ワークフローシステムにおいて、作業者が「選択肢」で顧客名などを入力(選択入力)できることは当たり前ですが、その「選択肢」がどのようにメンテナンスされるのかは、ワークフローシステムにより様々です。
本記事では、IT製品の比較・検討サイト「ITトレンド」で人気とされる上位3種のクラウド型ワークフローシステムと、私たちクエステトラ社の「Questetra BPM Suite」を加えた4つについて、「選択肢」がどのように扱われるのかを見ていきます。
ITトレンドの「【2021年最新】ワークフローシステムとは?タイプ別に見るおすすめ製品と導入メリット」という記事の “ITトレンド2021年上半期ランキング1~5位の製品” で発表された上位3種のワークフローシステムは次の通りです。(2021-12-14確認)
- ジョブカンワークフロー
- Create!Webフロー
- コラボフロー
それぞれのワークフローシステムで、「選択肢」の機能がどの様になっているのかを紹介します。
ジョブカンワークフロー
「ジョブカンワークフロー」は、株式会社DONUTSにより提供されています。
ジョブカンワークフローのマニュアルは Web 上で公開されているので、導入前でもどのような機能が備わっているのか詳しく知ることができます。ヘルプページの「マニュアル一覧」というセクションに “ジョブカンワークフロー スタートアップガイド” という箇所があり、ここからマニュアル(PDF)をダウンロードできます。
ジョブカンで使える「選択肢」には次のようなものがあります。
- 業務アプリごとに設定するもの
- 業務データが選択肢になるもの
- マニュアルでは「申請書選択」と呼ばれるもので、既に自分が申請している申請書を選択肢として利用できる。
- 独自で作るマスター
- マニュアルでは「汎用マスタ選択」と呼ばれるもの。貸出PC一覧など、組織独自のマスタ情報を選択肢として利用できる。
「過去の業務データが選択肢になるもの」で紹介した、自分が申請した申請書を選択肢として利用できる機能が特徴的です。
「独自で作るマスター」は、メンテナンス性が高いことがポイントです。様々な業務アプリで利用できる選択肢になるため、選択肢を変更しなければならない場合に、業務アプリごとに選択肢を設定し直す、というような作業が発生しません。
他のシステムに登録されている選択肢情報を自動的に取得する、という機能はない、またはそのような仕組みを作ることはできなさそうですが、「独自で作るマスター」により便利に運用できそうです。
Create!Webフロー
「Create!Webフロー」はインフォテック株式会社により提供されています。
Create!Webフローのマニュアルはサポートサイトで見られます。
しかし、ここで見られるマニュアルが、クラウド版のものであるのかどうなのか?がよく分かりませんでした。基本的にパッケージ版のものが掲載されているように見えます。ただ、使える機能はほぼ同じと想定して進めることにします。
Create!Webフローの「選択肢」は次の通りです。
- 業務アプリごとに設定するもの
- 外部データベースから取得するもの
- マニュアルでは「マスタ検索サブフォーム設定」と呼ばれる機能で、外部データベースに問い合わせた結果を選択肢として利用できる。
業務アプリごとに設定するものは、手入力による選択肢登録はもちろん可能です。さらに、外部データベースから選択肢データを自動取得することもできます。
ジョブカンワークフローとコラボフローにある「独自で作るマスター」は、手入力で選択肢を登録し、それを様々な業務アプリから利用できる、というものです。
これに対し、Create!Webフローの「外部データベースから取得するもの」は、手入力で選択肢を登録するのではなく、外部データベースに登録されているデータを選択肢として利用できるものです。そのうえで、様々な業務アプリから利用できるようになっています。
すべての選択肢をデータベースで管理するという場合には、「外部データベースから取得するもの」はメンテナンス性に優れ、運用の手間が下げられると思います。
※ 個人的には、外部データベースから選択肢を取得することは、本当にクラウドサービスでも可能なのか?が少し疑問です。
コラボフロー
「コラボフロー」は株式会社コラボスタイルにより提供されています。
コラボフローのマニュアルはコラボフローサポートで公開されています。選択肢については、アプリ管理者ガイド > フォームパーツの解説 と マスター管理ガイド > マスター管理のTopページ が参考になります。
コラボフローの「選択肢」は次のとおりです。
- 業務アプリごとに設定するもの
- 独自で作るマスター
- マニュアルでは「マスター管理」「マスターデータ」という言葉で説明されています。貸出PC一覧など、組織独自のマスタ情報を選択肢として利用できる。
- kintone アプリのデータを取り込むもの
- コラボフロー for kintone(オプション)を利用することで、kintone アプリに登録されたデータを選択肢として利用できる。
ジョブカンワークフローと同じく、様々な業務アプリから利用可能な「独自で作るマスター」が備わっているのはたいへん心強いです。
「コラボフロー for kintone」オプションは、クラウド型データベース「kintone」が積極的に利用される組織においてたいへん強力な機能だと思われます。kintone アプリに蓄積されるデータを、手間をかけずにコラボフローで利用できるようになります。
Questetra BPM Suite
「Questetra BPM Suite」は、私たち株式会社クエステトラ社が提供するクラウド型ワークフローです。
Questetra BPM Suite の選択肢に関するマニュアルは、以下が参考になります。
Questetra BPM Suite の「選択肢」は次の通りです。
- 業務アプリごとに設定するもの
- 独自で作るマスター
- 貸出PC一覧など、組織独自のマスタ情報を選択肢として利用できる。
- Google スプレッドシートのデータを取り込むもの
- Google スプレッドシート:選択肢データの一括取得を利用すると、Google スプレッドシートに登録されたデータを選択肢として利用できる。
- kintone のデータを取り込むもの
- kintone: 選択肢データの一括取得を利用すると、kintone アプリに登録されたデータを選択肢として利用できる。
「独自で作るマスター」は Questetra BPM Suite にも用意されており、選択肢マスタを登録すると様々な業務アプリから利用することが可能になります。
Google スプレッドシートと kintone に登録されたデータを取得して、選択肢マスタとして登録する機能も備えています。この機能を、例えば1時間置きに自動的に動作するようにしておくと、Google スプレッドシートと kintone に登録された新鮮なデータを、他の業務で活用することができるようになります。
まとめ
選択肢データのメンテナンス容易性が、ワークフローシステム選定の重要なポイントです。本記事では、3つの人気ワークフローと私たちの「Questetra BPM Suite」について、「選択肢」に関連する機能の違いを紹介しました。
どのワークフローシステムでも、業務アプリごとに選択肢を手作業で登録する機能があります。また、複数の業務アプリから利用することができる選択肢を登録することができる機能も備えられています。
差が出てくるのは、他システムに登録されているデータが選択肢として利用できるかどうか、という点です。このような機能が必要かどうかは、どのような業務をワークフローシステムで管理したいのか?により変わってくると思います。
クラウド型ワークフロー「Questetra BPM Suite」では、Google スプレッドシート、kintone に登録されたデータを、カンタンに選択肢と取り扱えるようになります。興味のある方は、以下より無料トライアル(60日間、100ユーザ)をお申し込みください。
今回はここまで!