こんにちわ!矢作です!

私どもクエステトラ社のお客様には、BPO受託事業者が多いという特徴がありますが、そんなBPO受託現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)がどのようなものなのか?について、簡単に紹介したいと思います。

BPOとは

BPOとは Business Process Outsourcing の略で、簡単に言うと「自社業務の一部を外部委託すること」です。BPOを請け負う会社を、BPO受託事業者、BPOサービス提供者などと呼ばれます。(なぜかアウトソーサーと呼ばれることもあります)

企業は、自社の業務の中でもノンコア業務と呼ばれる業務を中心に、BPO(外部委託、アウトソース)します。コア業務は、自社の競争力の中心になる業務のことをいい、そうでない業務をノンコア業務といいます。企業がノンコア業務をBPOするのは、その業務に関するヒト・モノ・情報が足りないからです。

一方、BPO受託事業者は、クライアントである企業のノンコア業務を効率的にかつ高品質に処理するだけの、体制(ヒト)・設備(モノ)・情報(ノウハウ)を持っており、それを活かして事業を展開しています。

BPOについては「BPO(アウトソース)のススメ」も参考にしてください。

スーパーバイザー(SV)が取り組んでいること

BPO受託事業者はクライアント(委託企業)との間で、業務品質に関する厳しい取り決めを行います。例えば…

  • Webコンテンツ制作業務で、1ヶ月あたりの商品ページの制作件数
  • 問い合わせ対応業務で、問い合わせを受けてから回答までの時間
  • 積算業務で、営業からの依頼を受けてから提出までの時間
  • 未入金者への督促業務で、入金成功の件数

というような指標を定め、それらに目標値が定められます。各指標の実績値が週次、月次でクライアントに報告されます。

これらの目標はクライアントとの契約ですので、必ず達成されなければなりません。そして、BPO受託事業者は競争力のある料金でクライアントからの委託を受けることができるように、これらの目標を最小限のコストで達成しなければなりません。

このような厳しい要求に対応するため、BPO受託現場のスーパーバイザー(SV、マネージャのこと)は、徹底した「業務の標準化」に取り組み、高度な「進捗管理」「実績管理」を行っています。

BPO受託現場における「標準化」

業務の「標準化」とは、処理方法について守るべきルール(標準)を作り、誰もがルールに従って処理できるようにすることです。担当者による業務品質のバラツキを防止したり、ヌケ・モレをなくすことを目的として業務の「標準化」は行われます。

「標準化」は、2つの視点で行われます。業務の流れの視点と、流れに含まれる工程の視点です。

業務の流れの視点では、処理される工程の順番を標準化します。制作工程の後に、必ずチェック工程が処理されるようにする、というように、業務の流れについてルールを定めます。工程の視点では、その工程においてどのような処理がされるべきなのかをルール化します。制作工程では、どんな手順で成果物を作るのかが決められたり、チェック工程ではチェックリストが用意されたりします。

複数スタッフで構成されるBPO受託現場において、「業務の標準化」は効率よく十分な品質を維持するための基本的な取り組みになっています。「業務の標準化」は、担当者の退職や異動に伴う “引き継ぎ” のコスト削減に繋がるというメリットもあります。

BPO受託現場における「進捗管理」

BPO受託現場の業務の特徴は、案件の数が多いことです。とにかくたくさんの案件が流入してくるので、それらを組織的に効率よく処理していかなくてはなりません。このような現場のスーパーバイザー(マネージャ)の腕の見せどころは、遅れを見逃さないこと。

どの工程で案件が滞留しているのか、それぞれの案件がどの工程にあるのか、リアルタイムにこれらの状況を把握し、遅れ気味の案件を優先的に進めるために、仕事の割当を変更することを検討します。

BPO受託現場における「実績管理」

クライアントとの取り決めを守っていることを、月に一度などの頻度で、業務の実績を整理し報告する業務が、BPO受託現場には存在します。業務に関する件数や時間について集計し、レポートを作成する業務の負荷が、スーパーバイザーにとっては大変大きなものになっています。

業務の実績は、クライアントへの報告だけに使用されるものではありません。より効率よく、より品質高く業務を進めていくためのヒントが詰まっているため、自らの業務改善のためのデータとしても重要な役割を果たします。

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BPO受託現場におけるDX

業務の流れに着目した取り組み

BPO受託現場では、業務の標準化でも述べましたが、業務を流れで捉え整理することで、前節で述べた「標準化」「進捗管理」「実績管理」が行われています。業務の流れは、ワークフローや業務プロセスなどと呼ばれますが、業務の流れに着目した取り組みをBPM (=Business Process Management) といいます。

BPMは、すごく簡単に言うと、

  • あるべき業務の流れを定義する
  • 定義した流れのとおりに業務を進める
  • 業務をすすめる中で、改善すべき点が見つかれば、流れの定義を見直す(改善する)

というようにして進めていきます。

AI、クラウド、様々な自動化ツールといったデジタル技術を活用した変革(DX=デジタルトランスフォーメーション)を起こすには、業務プロセス自体に変革を起こすことが前提となります。そのためには、業務プロセスに着目した管理や改善、すなわちBPMという取り組みが非常に重要になってきます。

BPO受託現場におけるBPMシステム

BPMという取り組みを支援するシステムをBPMシステムといい、次のような機能が備わっています。

  • 業務の流れ図を書くと、そのとおりに業務を進めることができる仕組みが構築される
  • 業務を処理すると、業務の進捗状況、滞留状況がグラフィカルに表示される
  • 終了した業務について、件数や時間の実績がグラフィカルに表示される

これらは、前節で述べた「標準化」「進捗管理」「実績管理」に直結する機能なので、BPO受託現場ではBPMシステムがよく利用されています。

Box等のクラウドサービスと連携するBPMシステム

BPO受託現場では、業務を効率良く進めるために様々なクラウドサービスが利用されています。例えば、ファイルを共有するためのBox、簡易データベースkintone、チャットツールSlack、カレンダーツールGoogleカレンダーなどです。

複数のクラウドサービスを利用する現場の悩みとしては、同じようなデータを何度も入力する手間が大きいことです。例えば、BPMシステムに添付したファイルを、チェック工程の後、Boxにもアップロードしなければならない、というような手間です。このような手間をなくすために、BPO受託現場では、様々なクラウドサービスと連携できるBPMシステムが利用されています。

BoxとBPMシステムを連携させることで、BPMシステムに添付されたファイルが、チェック工程が処理されると同時にBoxにアップロードされる、というようなことを実現することができます。

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まとめ

BPO受託事業者は、徹底した業務の標準化から始まる、高度な進捗管理・実績管理を行うことにより、最小のリソースで業務品質を最大化しています。以前から課題とされている、少子高齢化による労働力不足に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大など、社会の状況はより厳しい方向に大きく変化しています。

このような変化の激しい状況の中でも、事業変革(DX=デジタルトランスフォーメーション)のための取り組みを推進するに当たり、BPMという活動を着実に実行できるBPMシステムが、BPO受託現場では採用されています。

私どもクエステトラは、BPMシステムをクラウドサービスとして提供しています。もし、ここまで記事を読んでくださった方は、是非、クラウド型BPMシステム「Questetra BPM Suite」を体験してみてください。

今回はここまで!

参考

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「BPO受託事業者はなぜ DX を推進できるのか?」への1件のフィードバック

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