先日(2019年5月25日)、京都大学で開催された「超交流会2019」で、組織における業務改善の議論を活性化する「(仮称)業務の流れ見える化 キット」を披露しました。
興味を持ってもらえそうな来場者に声をかけて、「(仮称)業務の流れ見える化 キット」を使って業務改善について議論したのですが、予想以上に盛り上がり、いくつか良い発見も得られました。
本記事では、超交流会での「(仮称)業務の流れ見える化 キット」を披露した様子を紹介します。
超交流会とは
「(仮称)業務の流れ見える化 キット」の話をする前に、「超交流会」とは何なのか簡単に紹介します。
「超交流会」は、その名の通り ”交流” にテーマを置いたちょっと変わったイベントです。京都大学情報学研究科の同窓会が主催なのですが、誰でも参加することができるとってもオープンなイベントです。
学生、経営者、研究者、芸術家など様々な人が、様々な目的をもって京都大学に集まり、セッションや展示ブースを通じて “交流” します。
このような “超交流” の場で、私たちは「ワークフロー」の良さを少しでも多くの人に知っていただくために「(仮称)業務の流れ見える化 キット」を準備して “交流” を試みたのでした。
「(仮称)業務の流れ見える化 キット」とは
私たちクエステトラは、業務の品質向上、効率向上を実現するための業務改善手法として「ワークフロー図」を使った方法を提案しています。
その提案を形にしたものが、クラウド型ワークフロー「Questetra BPM Suite」です。
「Questetra BPM Suite」には「ワークフロー図」を作成する機能があるので、これを使って業務改善の議論が可能です。しかし、ワークフロー図を操作するのは誰か1人、つまりワークフロー図に触れることが出来るのは、議論に参加している人のうち1人だけなので、他の人が割り込んでフローを触る、ことをしづらいという課題がありました。
業務改善の議論をより活性化させるためには、議論に参加している人たち全員がワークフロー図に触れられる状況を作り出すことではないか?と考え、作ったものが「(仮称)業務の流れ見える化 キット」(以下、「見える化キット」)です。

ワークフロー図とは
前節で出てきた「ワークフロー図」は、業務の流れを図にしたものです。「ワークフロー図」には次のようなイイところがあります。
- 仕事の流れを整理しやすい
- 役割分担がはっきりする
- 作業の順番がわかりやすい

1人で完結するような仕事の場合には大きな効果を発揮しませんが、チームで仕事を進めるような場合には「ワークフロー図」を書くことで、上記のようなメリットを享受することができます。また、業務の全体像が見えてくるので、現状をどう改善すればよいのか?という業務改善の議論も進めやすくなります。
「見える化キット」を使った業務改善の議論
超交流会の展示ブースでは、「温めたワッフルを食べながら、ワークフロー改善のお話をしましょう」と謳い、ワッフルきっかけで多くの人と業務改善のお話をさせていただきました。

「見える化キット」には、次の要素を書き込めるようになっています。
- スイムレーン(対象の業務に関わる人や組織を表すもの)
- 日付
- プロセスオーナー氏名(対象の業務の責任者)
- AS-IS / TO-BE チェック
このボードの上に、ワークフローの開始、終了、工程を表す部品を配置し、それぞれをペンを使って矢印を書き、つないでいくことでワークフロー図を完成させます。

業務改善の議論としては、まず身近な業務の内容を聞かせていただき、ワークフロー図に書きます(AS-IS)。続けて、書いたワークフロー図を見ながら、現在抱えている課題を確認します。課題がある場合には、一緒に改善案を考え、それをワークフロー図(TO-BE)に反映させます。

上の図では、問い合わせ対応のワークフローですが、AS−IS のものはすべての問い合わせを「サポート」が受けています。課題は「サポート」が対応しきれず、最初の工程で対応モレが発生している、ということでした。
そこで、サポートの負担を減らすために、問い合わせの中でも法律に関するものは、サポートを経由せずに総務に対応の依頼が行くような流れを、改善案として考えました。
ワークフロー図を見ながらの改善議論においては、業務全体を眺めながら課題やアイデアを出せること、気づいた課題を書き込める(件数多くモレ発生、と書いているところ)こと、そしてすぐに改善案を図に反映させることができる、ことが議論の促進につながったように感じています。
特にメモを書き込みやすい、というのは、パソコン上で改善議論を行う場合よりずっと良いポイントだと思います。

まとめ
今回作成・披露した「見える化キット」を用いた業務改善の議論を通じて、自分が関係するワークフローが目の前で作られていく様子を見ると、人は黙っていられないということがよく分かりました。AS-IS を書く段階で、本人自身も業務全体で考えることを意識するようですし、一旦完成したら、どこにどんな課題があるのかを語りやすくなるようです。
そんな課題をすぐにメモとして書き込めることは、事前にあまり想定していなかった「見える化キット」の価値でした。
今後、セミナーや客先でも「見える化キット」を積極的に活用していくつもりです。