こんにちわ!矢作です。

今回は大好きな岐阜県が関係するお話。

岐阜県は私が住んでいる滋賀県のお隣の県であり、スキーを趣味とする私にとっては、大雪を楽しませてくれる大変ありがたい県です。(2018 – 19 シーズンは岐阜県のスキー場で13日滑らせてもらいました)

私(矢作)の話は置いといて、ここからが本題。

半年ちょっと前のことですが、岐阜市は「胃がん検診を受診した女性に、『要精密検査』と通知すべきところ『異常認めず』と通知していた」と発表しました(2019年7月16日)。その女性は胃がんで亡くなりました。

単純なミスがきっかけでこのような事象が発生したのですが、業務の進め方に問題があったことが判明しています。胃がんで亡くなった女性やその遺族の悔しさや悲しさは大変なものだったと思います。また、ミスを起こした本人や、関連する人の多くもつらい思いをしたのではないかと思います。(ミスを犯した組織や人を擁護しているわけではありません)

本記事では「ワークフロー(業務の流れ)をきちっと管理する」ことで、今回のようなミスを防止することができないかを考えます。

がん検診業務とミスの概要

2019年1月に胃がん検診を受診した女性が7月16日に亡くなりました。

岐阜市は1月28日に「異常認めず」という通知を女性に発送しました。その後、女性に肺がんが見つかり、これが胃がんから転移したものであることが判明しました。

検診結果は岐阜市が通知

岐阜市のホームページから得られる情報によると、胃がん検診の結果は次のようなプロセスで受診者に通知されます。

  • 検診は、公民館、コミュニティセンターなどの検診車で行われる。
  • 検診後、医療機関に採取されたデータ(エックス線写真、問診結果など)が送られ、医療機関で検診の判定が行われる。
  • 検診結果は医療機関から岐阜市に送られる。
  • 岐阜市は検診結果の通知書を作成し、受信者に送る。

岐阜市は受け取った検診結果をシステムに入力します。詳しくは分かりませんが、そのシステムから受診者にとって分かりやすい表現に変換された通知書が作成され、発送されるのではないかと思われます。

胃がん検診の大まかな流れ
胃がん検診の大まかな流れ

入力ミスを補う「読み合わせ」が実施されず

岐阜市は検診結果と通知内容を確認したところ、通知内容に誤りがあることが分かりました。

『がん検診で誤通知 岐阜市、女性5人に 1人が死亡』
岐阜市が市民向けに実施しているがん検診で、「要精密検査」と通知すべきだった50代女性に、「異常認めず」と誤った通知をしていたことがわかった。女性は16日夜に胃がんで亡くなり、がんは胃から肺に転移していたという。市は「がんの発見が遅れ、転移した可能性も否定できない」としている。

朝日新聞デジタルからの抜粋 https://www.asahi.com/articles/ASM7J5HLVM7JOHGB00D.html

検診の結果は、医療機関から岐阜市に送られてきますが、職員が検診結果をシステム(※)に誤った値を入力したとのことです。
※このシステムが何を目的とするシステムなのか、どのようなシステムであるのかは不明。

業務マニュアルには、医療機関から届いた検診結果をシステムに手入力した後、入力ミスがないか読み合わせを行うことになっていました。しかし、これが徹底されていませんでした。

『検診9年前から照合怠る 岐阜市のがん誤通知』
職員が検診機関の結果の入力をミスしたり、市のマニュアル通りに検診結果と入力データを照合するための読み合わせを行わなかったりした人為的なミスが原因だった。市では結果の通知書の送付は、4カ所で行われる。今回の5人のミスは、すべて市内の中市民健康センターで発生した。職員が市のシステムに結果を入力するのを誤り、読み合わせも行われなかったという。

岐阜新聞からの抜粋 https://www.gifu-np.co.jp/news/20190718/20190718-157063.html (現在は削除されています)
通知書作成業務の大まかな流れ
通知書作成業務の大まかな流れ

岐阜市には3つの市民健康センターと健康増進課が検診の運営に関わっているのですが、今回のミスは記事の抜粋にもあるように「中市民健康センター」(以下、中センターと書きます)で発生しました。北市民健康センター、南市民健康センター、健康増進課では、読み合わせが行われており、誤通知は発生していません。

無視された業務マニュアル

中センターが起こしたミスは、業務の進め方を他センターと比較すると明らかなように、検診結果のシステムへの入力内容を第三者が確認しなかったことにあります。マニュアルには読み合わせを行なって確認することになっていたにも関わらず、なぜこんなことになってしまったのでしょうか?なぜ業務マニュアルは無視されてしまったのでしょうか?

私(矢作)は、次の2つのポイントで課題があったと考えています。

  • 結果のシェア
  • 引き継ぎ

少し詳しく説明します。

業務遂行結果のシェア

何年もの間「読み合わせ」が行われていなかったことから考えられるのは、業務遂行の結果が、適切に「シェア」されていなかったのではないか?ということです。「シェア」は報告に近いのですが、単に上司に伝えれば良いということではありません。関係者に広く伝えると同時に、後日参照できる形で記録する、という気持ちを込めて「シェア」としています。

「読み合わせ」という業務が確実に行われたことが記録され、上司などの関係者にシェアされていれば、もし「読み合わせ」が行われなかったとしても誰かが気づく可能性が高まります。

業務の引き継ぎ

大変残念なことに、『「読み合わせ」を行わないこと』が前任者から引き継がれていました。

後任者が「マニュアルと異なることが引き継がれている」ことの重大性に気付いていれば、あるべき姿に戻すチャンスでした。しかし、それも業務を進める現場では難しいことだったのかもしれません。日々の業務に追われる中で、引き継ぎのために充分なコスト(手間)を掛けることが困難だった可能性も考えられます。

業務の引き継ぎは、その本質(ポイント)が確実に伝えられるように工夫することが求められます。同時に、それにかかるコストも低く抑えられなければなりません。

まとめ

本記事で書いた岐阜市の事故は、マニュアル通りに業務が進められなかったことが原因です。

これを改善するために、

  • マニュアル通りに仕事が進められていることを関係者が気づくことができるように「結果のシェア」をきちんとすること
  • 業務の引き継ぎが、適切にかつ低コストで行われるようにすること

に取り組む必要があると考えます。次の記事「胃がん検診ワークフロー」では、具体的にどのような方法でこの改善を実現するのかについて述べたいと思います。


参考

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