マーケティング部の末瀬です。
クエステトラ社には、それぞれの業務毎にワークフロー図(業務プロセス)があります。ワークフロー図とは、誰もが直観的に理解できる業務の流れ図のことです。クエステトラ社では、この業務の流れ図を「Questetra BPM Suite」というワークフローシステムを使って作成し、業務にかかわるメンバーで理解、共有して仕事をしています。
ワークフロー図は、最初から百点ではありません。業務を進めていく中で、新たな問題点を発見することもあります。そんな時は、必要に応じてワークフロー図を見直し、改善、最適化に取り組みます。
このように、既存のワークフロー図の問題点を見直し、最適化することをBPM活動と言います。今回は、”制作報告”のワークフロー図のBPM活動に取り組みました。
現状のワークフロー図
クエステトラ社のマーケティング部の業務のひとつに、スタッフが作成した制作物をリーダーにチェックしてもらうという仕事があります。制作物とは、例えば、ディスプレイ広告用画像、チラシデータ、プレゼン資料用画像、マーケティングサイト用画像、ブログ記事原稿などです。
今までは、リーダーから口頭やメール、オープンチャット(社内SNS)で制作指示を受けたスタッフが仕事を開始していました。そのワークフロー図が次に示すものです。
※クエステトラ社の「Questetra BPM Suite」というワークフローシステムには、仕事の流れの手順をワークフロー図として描く機能があります。

このワークフロー図には、リーダーからの制作指示による仕事のスタートがありません。口頭やメール、オープンチャットなどで指示を受けたスタッフが仕事の開始をしています。
このことが、仕事を進める上で問題がありました。
クエステトラ社の「Questetra BPM Suite」には、仕事を開始したり、仕事のボールを受けると、その仕事が”マイタスク”に自分の取り組むべき仕事として、自動的に登録される機能があります。

つまり、”マイタスク”で自分の取り組むべき仕事リストの一覧を確認できるのですが、リーダーが口頭もしくはオープンチャット(社内SNS)やメールなどで制作内容を依頼しただけでは、スタッフの”マイタスク”には登録されません。スタッフは、指示内容を忘れてしまう可能性があります。そして、もしリーダーも依頼していたことを忘れてしまった場合、このまま制作報告がされないまま終わってしまう可能性も考えられます。
そしてスタッフは、指示内容がマイタスクに登録されないので、自分にどれだけ取り組むべき仕事があるのかを把握しにくく、仕事の優先順位をつけにくくなります。またリーダーも、どのスタッフに何を依頼したのか、どれだけ依頼したのかを把握しにくいのが現状でした。
そこで、報告者(スタッフ)からのスタートだけではなく、リーダーから制作内容の指示によるスタート機能を追加したワークフロー図の改良に取り組みました。指示の際、リーダーは担当者を決定し、指示内容を入力できるようにします。
思いついたワークフロー図
リーダーからも仕事が開始できるようにと、最初に思いついたのが次のワークフロー図です。

制作内容の依頼による開始もできるよう、タスクを追加しました。しかしこのワークフロー図では、成果物がスタッフ始動によるものか、制作指示を受けたものなのか分かりません。ヒューマンタスクの制作結果を報告する入力フォームが同じになってしまいます。スタッフ始動で制作結果を報告する入力フォームには、依頼元(指示をした人)の情報は不要ですが、依頼を受けて制作結果を報告する入力フォームには、依頼元の情報が必要です。つまり、それぞれの入力フォームが必要になるのです。
改良を加えたワークフロー図
この問題点を解決するために、更に改良を加えたワークフロー図が次のものです。

新しく、リーダーに依頼された担当者のスイムレーンを追加しました(真ん中のスイムレーン)。これで、入力フォーマットの区別ができるようになります。
——-「Questetra BPM Suite 」を使ったことがない方は読み飛ばしてください!——–
- 差し戻し後の”(再)制作結果を報告する”タスクと”確認者コメントを確認する”タスクはリーダーに依頼された担当者のスイムレーンにまとめました。
- 下流工程の処理者(スタッフ)を、上流工程で指名できるように設定しました。
- リーダーに依頼された担当者のスイムレーン「制作担当」の設定に気をつけました。
- リーダーから依頼する場合、このままでは常にマーケティング部のメンバ全員(リーダも含む)に依頼されるので、データ項目「制作担当」で、”指定されているユーザ”に設定しました。
- リーダーの「制作内容を依頼する」タスクで、依頼元が誰かが分かるように、データ項目「依頼元(依頼したリーダーのこと)」は、依頼処理完了時に、タスクの処理担当者(依頼元)情報が自動的にコピーされるように設定しました。
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改良後に良くなったことや気づいたこと
リーダーから制作内容の指示によるスタート機能を追加したことで、指示内容はマイタスクに登録されるようになり、依頼されたスタッフは取り組む作業の見落としや忘れが無くなりました。リーダーも、現在何を依頼しているのか、どれだけ依頼しているのかを把握できるようになりました。
しかし、今までどんな問題が発生して、なぜ改良に取り組んだかをふり返ってみると、このワークフロー図はスタッフからのスタートは不要で、リーダーからのスタートのみに改良してもよかったのではないかとも思いました。
けれども制作物は、スタッフがアイデアを思いつくこともあります。やはり、スタッフ始動でリーダーに思いついた内容を報告するタスクも必要です。仕事の開始のきっかけは複数あります。リーダーのアイデアで開始する仕事、スタッフの思いついた内容で開始する仕事。自分が関わる業務の流れをワークフロー図という形にすると、改めて気づくこともあります。
みなさんも、実際に自分が関わるお仕事をワークフロー図にしてみませんか?そのワークフローを目にすることで、メンバー達で困っていることや問題点を分かりやすく発見できるかもしれません。さらにより良い手順が見つかるかもしれません。
クエステトラ社は、みなさんのお仕事がよりうまく進むように、業務改善を応援しています。
