こんにちわ!矢作です!

本記事は、全3話で構成される「ノーコードでセミナー受付システムを作る」の最終話です。

第1話では、セミナーの申し込みフォームを公開し、そのフォームから申し込まれると、申込者に受付メールが送信される機能を作りました。

そして、第2話では、セミナー開催日の3日前に申込者にリマインドメールが自動的に送信される機能を追加しました。

最終話である第3話では、セミナー参加者にアンケート回答の依頼メールが送信され、セミナー参加者がアンケートに回答できる機能を追加します。

セミナー受付システムの完成イメージ

これでいよいよセミナー受付システムが「完成」ということになります。これだけの機能が備わると、アンケートメールを送る手間の削減、送り忘れの防止はもちろん、アンケート回答・未回答の状況も把握しやすくなります。

まずは、第1話、第2話と同様に、”処理の流れ” と “データ項目” の整理から始めます。

処理の流れとデータ項目を整理

今回は、セミナー終了後の処理を次のように追加します。

  1. セミナー参加の申込を受け付ける
  2. 受け付けた情報をセミナーチームのメンバが確認し、不適切な申込(競合、反社会的勢力など)でない場合に、受け付ける
  3. 受け付けメールが申込者に送信される
  4. (開催日が近づいたら)リマインドメールが送信される。
  5. セミナー終了後、セミナーチームのメンバが参加をチェックする。
  6. セミナー参加者にアンケート回答の依頼メールが送信される。
  7. セミナー参加者はアンケートに回答する。

1, 2, 3は第1話で、4は第2話で作成済みですね。今回は、5, 6, 7に関する処理を追加します。

取り扱うデータ項目についても整理していきましょう。

  1. 氏名
  2. 会社名/所属
  3. メールアドレス
  4. 電話番号
  5. 質問
  6. 社内通信メモ
  7. 開催日
  8. セミナー参加記録
  9. アンケートフォームキー
  10. 質問1 – 質問4

1から7までは、第1話・第2話で作成済みです。今回は、8, 9, 10のデータ項目を追加します。

セミナー終了後に、参加チェックできるように(処理5)、申込者がセミナーに “参加” “欠席” のいずれであったのか入力される「セミナー参加記録」を追加します。

続けて、アンケートフォームに関するデータ項目を追加します。アンケートフォームの URL は容易に推測できては困る(※)ので、簡単には推測できない工夫として「アンケートフォームキー」というデータ項目を追加します。また、アンケートの質問も追加します。(今回は4つの質問)

※ 参加者でない人がアンケートURLを推測し、アンケート回答できてしまうことを避けたい。

ここまで整理すると、あとは設定していくだけです。

ノーコードでアンケート回答の依頼メールが送信される機能を追加

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本記事で紹介するセミナー受付システムは、ご利用中の Questetra BPM Suite でカンタンに動かすことができます。次のページからダウンロードできるファイルをインポートするだけです。

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ワークフロー図の変更とデータ項目の追加

Questetra BPM Suite に「アプリ作成権限」を持つユーザでログインし、アプリ設定機能を使ってシステム開発を進めます。

ワークフロー図は、「アンケート回答の依頼メールが送信される処理とデータ項目を整理」で整理した処理の流れの通り、第2話で作成したワークフロー図に、アンケート回答に関連するアイテムを配置します。

ワークフロー図中の赤い点線で囲った部分を追加します。追加するアイテムの役割は次のとおりです。

  1. 青い四角「セミナー参加記録」は、セミナーチームのメンバがそれぞれの申込者が実際にセミナーに参加したかどうかを入力する工程です。
  2. 丸い形をした「アンケート依頼メール 送信」では、自動的にアンケート依頼メールが送信されます。
  3. グレーの四角「セミナーアンケートフォーム」は、セミナー参加者がアンケートに回答する工程です。2で送信されるメールに書かれた URL をクリックすると、「セミナーアンケーフォーム」画面が表示され、アンケートに回答できるようになります。

続けてデータ項目を追加していきます。追加するデータ項目は、前述の通り「セミナー参加記録」「アンケートフォームキー」とアンケートの質問4つです。

「セミナー参加記録」は、セミナーチームのメンバが申込者の「参加」「欠席」を入力できるように、”選択型” で追加します。

「アンケートフォームキー」は、アンケートフォームを表示するURLの一部に使用されるもので、”文字型” で追加します。「アンケートフォームキー」の役割は、アンケートフォームURLを簡単に推測できないようにするためのものですので、ランダムな文字が自動的に初期値として入力されるようにします。入力される文字は12文字とした場合、初期値の欄に次のようなおまじないを入力しておきます。

#{#randomString(12)}

最後に、アンケートの質問を追加していきます。選択肢から選ばれるようにするには “選択型” で、自由入力で回答されるようにするには “文字型” で追加します。今回は、”選択型” のものを3つ、”文字型” のものを1つ用意することとしました。

「セミナー参加記録」工程の設定

ワークフロー図中の青い四角「セミナー参加記録」工程では、セミナーチームのメンバにより、申込者がセミナーに参加したかどうかを入力します。「セミナー参加記録」というデータ項目の値が “出席” と入力された時、アンケート回答の依頼メールが送信されます。

分岐の設定

セミナー参加記録が「参加」の場合は「アンケート回答の依頼メール送信」の工程へと進み、「欠席」の場合はアンケートの依頼をスキップして終了へと進むように、業務の流れが分岐するように設定します。

この設定は「セミナー参加記録」工程の設定画面を開き、「分岐」というタブで行います。ここで進む行き先(遷移先)とそちらに進むための条件をそれぞれ指定します。「分岐タイプ」として表示されている2つの項目のうち「最初に合致した条件の遷移先に流す(タスク処理完了ボタンは1つ)」のボタンをオンにすると、3つの項目が表示されます。

そのうち、「遷移先」に「アンケート依頼メール 送信」と表示されている行の左側にある鉛筆マークをクリックして条件の設定画面を開きます。条件名を「参加」と入力し「条件に合致すれば遷移」のボタンをオンにすると条件文の設定が開きます。左側(件名と表示されている)をクリックすると設定したデータ項目が一覧されるので、「セミナー参加記録」を選択します。右側(値が入力されていると表示)をクリックして一覧から「右の値と等しい」を選択すると、さらに右に「参加/欠席」が選択できるようになります。この場合は「参加」を選択したら設定は完了です。

次に「遷移先」に名前が無い行に同様の設定をします。こちらは条件名を「欠席」、右の値と同じの選択も「欠席」と指定します。

条件名に「デフォルトフロー」と表示されている行は他の条件がいずれも合致しない場合、この例では「セミナー参加記録」が未入力の場合に進みます。「参加/欠席が不明ならアンケート依頼しない」とするならば、遷移先に「条件名:空白」の方を指定しておきます

「セミナーアンケートフォーム」工程の設定

グレーの四角「セミナーアンケートフォーム」工程の設定を行います。セミナー参加者が質問に関するデータ項目に入力できるように設定します。

続けて、「セミナーアンケートフォーム」工程の設定画面を開き、「全般」というタブをクリックして「API キー」という箇所で「アンケートフォームキー」を選択します。

この工程で定義されたアンケートフォーム画面にアクセスするための URL は、この工程をクリックして表示される歯車のアイコンを更にクリックして表示される画面で確認できます。「URL (編集不可)」という欄に表示されている URL が、このフォームにアクセスするための URL です。(青い色をつけた部分は、ご利用中の Questetra BPM Suite により異なる部分です)

https://example-example-000.questetra.net/System/ReceiveTask/Form/123/99/(プロセスID)/(API キー)/view

この URL をアンケート回答の依頼メールの中に挿入すると、メール受信者はアンケートに回答できるようになります。(プロセスID)、(API キー)はどうするの?という疑問が出てくると思いますが具体的な設定方法は次の節で説明します。

アンケート回答の依頼メールの設定

第 1, 2 話で追加してきたメールを送信する機能と同じように設定していきます。今回のメールでは、アンケートフォームを表示するURLがメール本文に差し込まれるようにします。

アンケートフォームを表示する URL は、前節で説明したとおり次のようになります。(青い色をつけた部分は、ご利用中の Questetra BPM Suite により異なる部分です)

https://example-example-000.questetra.net/System/ReceiveTask/Form/123/99/(プロセスID)/(API キー)/view

これをメール本文に書けばよいのですが、(プロセスID) と (API キー) は次のようにします。

いずれも「参照を挿入する」をクリックし、(プロセスID)の部分は「プロセスID」を(#{processInstanceId}が挿入される)、(API キー)の部分は「アンケートフォームキー」(フィールド名を示す文字が挿入される)を選んで挿入される文字に置き換えます。

アンケートフォームキーのフィールド名が q_enquete_form_key の場合、次のような URL になります。(青い色をつけた部分は、ご利用中の Questetra BPM Suite により異なる部分です)

https://example-example-000.questetra.net/System/ReceiveTask/Form/123/99/#{processInstanceId}/#{#q_enquete_form_key}/view

動作確認

ここまでの設定が終わったら、リリースしてシステムを公開します。

リマインドメールが送信されるところまでは第2話と同じです。リマインドメールが送信された後、セミナーチームのメンバは申込者がセミナーに参加したかどうかを入力できるようになります。セミナー「参加」と入力されると、参加者にアンケート回答を依頼するメールが自動的に送信されます。

上図のように、「セミナーアンケートフォーム」に滞留している件数が表示されます。ここをクリックすると、アンケートに回答していない人の一覧が表示されるので、催促連絡などのアクションを起こしやすくなります。

まとめ

今回は、セミナーに参加してくれた人に対してアンケートを実施する機能を追加しました。第1話第2話と少しずつ機能追加をして、それなりに立派なセミナー受付システムになりました。

  • セミナーの申し込みフォームを公開
  • 申込者に受付メールが自動送信される
  • セミナー開催日が近づくと、リマインドメールが自動送信される
  • セミナー終了後、参加者にアンケート回答依頼メールが自動送信される
  • アンケート回答フォームを公開

このような機能を備えるシステムを、Questetra BPM Suite を活用してノーコードで構築する方法を紹介してきました。

このシステムを更に発展させて、セミナー参加者がアンケートで「相談したいことがある」を選んだ場合には、営業部に自動的にエスカレーションされるようにする、というようなことをすることで、よりきめ細やかに対応できるようになります。

今回紹介した、参加者がアンケート回答できるセミナー受付システムは、ご利用中の Questetra BPM Suite にインポートしてすぐに稼働させられます。次のページでダウンロードできるファイルをインポートするだけです。すぐに動かしてみたい、自社用にアレンジしてみたい、という人は、是非、こちらもご利用ください。

今回はここまで!

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