こんにちわ!矢作です!
本記事は、全3話で構成される「ノーコードでセミナー受付システムを作る」の第2話です。
第1話では、セミナーの申し込みフォームを公開する方法を紹介しました。また、そのフォームを通じて申し込みがされると、申込者に受付メールが送信される方法も紹介しました。
今回の第2話では、セミナー開催日が近づいたら、申込者にリマインドメールが自動的に送信される機能を追加します。リマインドメールは、セミナーの出席率が高まることを期待して送信されます。自動的に送信されるようになることで、手間の削減だけでなく、送信の忘れや遅れの防止にも繋がります。
第1話の場合と同じく、リマインドメールが送信される機能を追加するために、処理の流れとデータ項目の整理から始めましょう。
リマインドメールが送信される処理とデータ項目を整理
第1話では、セミナー参加申込を受け付けるところまででしたが、今回は、受付後、開催日が近づいたら、リマインドメールが送信される機能を追加します。つまり、次のような流れになります。
- セミナー参加の申込を受け付ける
- 受け付けた情報をセミナーチームのメンバが確認し、不適切な申込(競合、反社会的勢力など)でない場合に、受け付ける
- 受け付けメールが申込者に送信される
- (開催日が近づいたら)リマインドメールが送信される。
1, 2, 3 は、第1話で既に作成済みの機能ですね。今回は、上記 4 を追加します。
続けて、取り扱うデータ項目について整理します。開催日が近づいたら…メールが送信されるような機能を作ります。
- 氏名
- 会社名/所属
- メールアドレス
- 電話番号
- 質問
- 社内通信メモ
- セミナー開催日
1 – 6 については、第1話で準備した項目です。7 番目の “セミナー開催日” というデータ項目を追加します。
ノーコードでリマインドメールが送信される機能を追加
Questetra BPM Suite 無料版のお申込み
ノーコード開発では、ワークフロー図の描画を通じてシステムを構築するプラットフォーム「Questetra BPM Suite」を利用します。記事のとおりに「セミナー受付システム」を作ってみたい人は、60日間無料で使える Trial にお申し込みください。メールアドレスだけでお申し込みいただけます。
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なお、本記事で構築するセミナー受付システムは、ご利用中の Questetra BPM Suite でカンタンに稼働させることができます。セミナー受付に関する “ファイル” を次のページからダウンロードし、それをインポートするだけです。
すぐに動作確認してみたい!という場合は、こちらのご利用もご検討ください。
ワークフロー図の変更とデータ項目の追加
Questetra BPM Suite に「アプリ作成権限」を持つユーザでログインし、アプリ設定機能を使ってシステム開発を進めます。
ワークフロー図は、「リマインドメールが送信される処理とデータ項目を整理」で整理した処理の流れの通り、第1話で作成したワークフロー図に、リマインドメールが送信されるアイテムを追加します。
上記ワークフロー図の 1, 2 のアイテム(いずれも丸いもの)を追加しますが、それぞれの役割は次のとおりです。
- 「開催日3日前」は、「開催日が近づいたら…」に該当するものです。設定された日時になるまで、ここで一旦待機状態になります。(システム上では[タイマー中間イベント] と呼ばれます)
- 「リマインドメール 送信」では、自動的にリマインドメールが送信されます。
次に、データ項目を追加します。 “日付型” の「セミナー開催日」というデータ項目を追加します。このデータ項目の値は、申込者、セミナーチームのメンバに入力されるものではなく、予め定められているものですので、初期値を設定します。
初期値に「セミナー開催日」の具体的な値を設定します。もし、2021年10月10日が開催日であれば “2021-10-10
” という形で入力しておきます。
開催日が近づいたら…の設定
[タイマー中間イベント] という種類のアイテムを利用します。ワークフロー図中の「開催日3日前」という名前の丸い形をしたアイテムが、[タイマー中間イベント]です。このアイテムを利用すると、設定された日時まで、このアイテムの位置で待機状態になります。設定された日時を迎えると、次に繋がるアイテムでの処理(今回の場合はリマインドメール送信)が行われます。 [タイマー開始イベント]の「開催日3日前」で、「セミナー開催日」の 3 日前まで待機状態になるように設定します。上図の以下の文字が書かれているところで、その設定がされています。#q_workshop_date.addDays(-3)
#q_workshop_date
は、今回追加したデータ項目「セミナー開催日」のフィールド名にセットした文字の先頭に #
が付与されています。これは、設定画面の右下にある「参照を表示する」をクリックして表示される一覧の中から「セミナー開催日」を選ぶと自動的に挿入されます。このままだと、「セミナー開催日」まで待機状態になってしまいますので、その 3 日前の日付に変換するための .addDays(-3)
という文字を付与します。もし、2 日前まで待機状態にさせたい場合には .addDays(-2)
とします。
リマインドメールの設定
ワークフロー図中の丸い形をした「リマインドメール 送信」と書かれたアイテムでは、設定に従ってメールが送信されます。送信されるメールには、データ項目に入力された値が自動的に差し込まれるように設定できます。
この図のオレンジで示した箇所では、データ項目の値をそのまま表示するのではなく、ちょっとした工夫をすることで日付を様々な形で表示しています。次のような形で書くことで実現できます。
#{#dateFormatter.format( <表示形式を示すおまじない>,<データ項目のフィールド名>)}
<表示形式を示すおまじない>では、例えば yyyy は年を4桁で、MM は月を2桁で、dd は日を2桁で表示するルールがあるので、そのルールに従って様々な設定します。以下に設定と表示結果例を示します。
日付が 2021-09-25 の場合。(必ずシングルクオーテーション(‘)でくくります)
- ‘MM/dd’ → 09/25
- ‘yyyy年MM月dd日(E)’ → 2021年09月25日(土) ※ E は曜日を示す
<データ項目のフィールド名>には、データ項目に指定されているフィールド名の先頭に # を付与したものを書きます。今回の場合、「セミナー開催日」のフィールド名は q_workshop_date なので、2021年10月10日(日)と表示されるようにするには、
#{#dateFormatter.format('yyyy年MM月dd日(E)', #q_workshop_date)}
と書きます。
リマインドメールが追加されたシステムの公開
ここまでの設定が終わったら、リリースという作業を行い、リマインドメールが送信される機能を有効にします。
動作確認
セミナーの申し込みフォームから申込がされ、「申込内容確認」工程で 受け付け 処理がされると、申込者に受付メールが送信されます。その後、ワークフロー図の通りに、今回追加した「開催日3日前」という名前のアイテムで待機中になります。
この図のように [タイマー中間イベント] の「開催日3日前」で待機中になり、セミナー開催日10月10日の3日前までここでとどまります。10月7日になると、再びフローに従って次のアイテム「リマインドメール 送信」が処理されます。このとき、リマインドメールが自動的に送信されます。
まとめ
今回の記事では、セミナー開催日の 3 日前に自動的にリマインドメールが送信されるような仕組みをノーコードで構築する方法を紹介しました。単にリマインドメールを送るだけなら、ノーコードで実現できることをご理解いただけると思います。
そして、ほんの少しコードを書くことで(ローコードで)、リマインドメールの文章の中に日付のデータを様々な形式で挿入する方法も紹介しました。このコードはそれほど難しいものではないので、今回紹介した形式以外の方法での出力も色々と試してください。
次の第3話でいよいよ「セミナー受付システム」が完成します。セミナー終了後、セミナー参加者にアンケート回答を依頼するメールが送信される機能を追加します。ただ、メール送信機能が追加されるだけでなく、アンケートの回答も受け付けられるようにします。
今回紹介した、リマインドメールが送信される機能を備えたセミナー受付システムについては、Questetra BPM Suite にすぐインポートして使えるファイルを公開しています。すぐに動かしてみたい、既にある設定を変更して利用したい、という人は、「セミナー申込受付 2」にアクセスしてください。そのページの「Download」でダウンロードできるファイルを、ご利用中の Questetra BPM Suite にインポートしてください。
今回はここまで!