仕事のミス・作業ミスをワークフローシステムで9割減らす方法(前編)

こんにちは。
マーケティング部の木村です。

さて早速ですが「仕事のミス・作業ミス」は「そもそも何が原因で起こるのか」考えたことはありますか?

気になったので調べてみました。

その結果、今回のタイトルとなった「仕事のミス・作業ミスをワークフローシステムで9割減らす方法」と題したブログ(記事と言うには足りないので)を書くことにしました。

2回にわけ、極力シンプルにお伝えしていきます。

前半となる1回目は「そもそも仕事や作業におけるミスは何が原因なのか」「解決策」にフォーカスし、後半となる2回目では「ワークフローシステムを利用してどのようにミスを減らすことが可能か」、紐解いて行きます。

そもそもミスはなぜ発生するのか

ミスのタイプと比率

ミスを「人に起因するもの=ヒューマンエラー」として話を進めます。
ミスの分類方法は諸説ありますが、ここでは中央大学の中條武志教授による論文を引用し、大きく2つのタイプに分類しました。

1つ目が、作業者が原因で発生するミス。2つ目が「作業環境・手順が原因で発生するミスです。

  原因 比率
作業者が原因で発生するミス
 手順を知らなかった 知識不足 20%
 手順を守る能力が不足していた スキル不足 15%
 手順に従う気がなかった モラル不足 25%
作業環境・手順が原因で発生するミス
 作業計画に無理があった、または環境が悪かった 計画・環境不備 10%
 作業方法がミスしやすいものであった 手順不備 30%

※上記データは 中央大学 経営システム工学 中條武志教授の1999年の研究論文「作業管理システムが作業ミスの発生に与える影響」より引用
URL:https://ci.nii.ac.jp/naid/110003154353
※上記論文は購入可能です

この2つの分類では、直接的に「人」に起因するミス(1. 作業者が原因)「環境」が人へ影響した結果発生するミス(2. 作業環境・手順が原因)に分けられています。

このうち1の「作業者が原因」で発生するミス「訓練することで防止可能」と言われます。また2の「作業環境・手順が原因」のミスについては「作業者を訓練しても防止できないミス」だと分析されており、転じて「人間は必ずミスをする」という前提に立った原因分析・再発防止策検討が重要とされています。

まあ見たとおりで「なるほどな」という感じです。

解決策

さて、それでは先に上げた原因ごとにどのような対策が講じられるのか、再度中央大学の中條武志教授による論文の中身を引用し、表にまとめました。

タイプ別の解決策

原因 タイプ 解決策
 知識不足 訓練することで防止できるミス

作業手順書を作成・更新する事を義務付ける・奨励する

作業手順が判らなくなった場合に、気軽に質問・相談できる担当者(メンター)をつけてあげる

 スキル不足

ツールを高度に使いこなす必要が無いような簡単な作業を担当するところから始め、徐々に複雑な作業にOJTで慣れてもらう

ツールに関する作業上のノウハウを勉強会や資料の形で共有する

 モラル不足

定期的に手順の妥当性を見直す
手順を遵守すべき意義はあるか、手順通りに作業することが過負荷になっていないか、の観点で手順から無理・無駄を無くす事。
ルール違反の動機付けやルール軽視の風土が醸成される事を防止する作用がある

手順が遵守されているか、定期的に内部監査する
ルール違反が常習化しないよう、定期的に手順通りに作業が行われているか、エビデンスをチェックすることで、抑止感情を醸成する

 計画・環境不備 「作業環境・手順を改善する事で防止できるミス」だが、作業者に着目して言い換えると「作業者を訓練しても防止できないミス」と言える。

「人間は必ずミスをする」という前提に立った原因分析・再発防止策検討が重要。

発生防止観点
排除 / 代替化 / 容易化 の3つの原理で対応する

波及防止観点
異常検出 / 影響緩和 の2つの原理で対応する

  手順不備

上記データは 中央大学 経営システム工学 中條武志教授による以下の論文中にある要素をまとめたものです。
1999年「作業管理システムが作業ミスの発生に与える影響」よりエラー分類と解決策を引用
https://ci.nii.ac.jp/naid/110003154353
人間信頼性工学:エラー防止への工学的アプローチ」より解決策としての分類を引用
http://www.indsys.chuo-u.ac.jp/~nakajo/open-data/Healthcare_Errorproofing2.pdf

さて、上記の解決策をそれぞれの原因ごとにブレイクダウンしていきます。

1.知識不足

解決策
作業手順書を作成・更新する事を義務付ける・奨励する
・作業手順が判らなくなった場合に、気軽に質問・相談できる担当者(メンター)をつけてあげる

策自体に個人的に異論はありません。

特に手順書(マニュアル)は、一定の処理について「読めば理解できる」事が多く、どのような企業・現場においても手引きとして有用だと考えます。

次に、メンターの存在についてです。
メンターという呼称に不慣れな方もいらっしゃると思いますが、主に上司や教育係がこの役割と果たします。

疑問が生じた際、すぐに確認・相談し判断を仰げる存在が近くにいると安心して作業を進められます。

ポイント
  • 作業手順書のフォーマットの統一
  • 作業手順書の更新頻度と更新にかかるコスト
  • メンターの質・素養

さて、この解決策をすすめるにあたり、注意しておくポイントがあるので、併せて説明します。

まず、「作業手順書のフォーマットの統一」

これは作業手順書自体が属人的に作成されることを防ぐ為です。

手順書Aと手順書Bでは内容の精度やボリュームが大きく異る、あの手順書はXさんでないと書けない、など人に依存した状態を避け手順書は作成される必要があります。

要は手順書の構成や質について予め定めておいたほうが、後に苦労の種が減るということです。


次に「作業手順書の更新頻度と更新にかかるコスト」についてです。

「更新」が行われる切掛は「追加・修正・削除」の必要が出てきたタイミングです。しかし、更新作業が「外注で作業書を作ってもらっている」「手順書を紙で印刷して綴じ直すので、n日かかる」「電子化されているが、情シスにお願いして承認を得て〜とn日かかる(関連コストを消費する)」状況だといかがでしょう。

なかなか「更新」し辛いですよね。

更新のコストを考えると、そもそも「更新が容易に行える環境や体制」を構築しておく必要があります。


最後に「メンターの質・素養」についてです。

これもそもそもなのですが、メンターの質は誰が担保するのでしょうか。メンターの上司なんでしょうかね?

ありがちなのは、特定分野での知識差を以って「こんな事もできないのか」「勉強が足りない」などと判断してしまうメンターが存在することです。また、違うタイプでは「求められていない事まで教え込もう」とするメンターも存在します。

また、昨今の人材の流動性を考えると「メンター以上に知識を持つ人」が業務の現場に参加するケースも少なくありません。

そういった状況では、「そもそもこの手順は効率的ではないので、変更したい」などの意見も上がってきます。(会社の雰囲気次第ですが)

その際、メンターが「うちではこうだから〜」など、咀嚼せずに突き返してしまうと改善の機会を失ってしまいます。

しかし、どの様な質問にも答えられる「万能の神」の様な人は存在しません。

ですので、メンターという存在自体を「あくまで役割」として捉え、即答できない質問や手順の改善にかかる内容は「チーム内で協議する」「測定指標を備え、結果を見て判断する」など、発生した事項に対して「判断する」仕組みを備えておくことが無難です。

2.スキル不足

解決策
ツールを高度に使いこなす必要が無いような簡単な作業を担当するところから始め、徐々に複雑な作業にOJTで慣れてもらう
・ツールに関する作業上のノウハウを勉強会や資料の形で共有する

この解決策自体にも、異論はありません。

強いて言うのなら「心理的安全性」が担保される環境づくりを検討しておきたいところです。

「この程度しかできない自分は評価されないのではないか」「勉強会で皆のように発表できないので、評価されないのではないか」と、「スキルが不足しているという外部評価を受けた人」は思いがちです。

要はですね、ある企業に必要とされるスキルは、実は企業毎に異なるわけです。なぜならビジネスモデルや環境、評価形態、すべてが異なる環境だからです。従って、実は「スキル不足」というよりも「スキル付与がされていない」という捉え方も出来るんですね。

「スキルが付与されていない」という視点に立つと、自ずと教える側も考えるのでは無いでしょうか。

「足りないと嘆くよりも」ですね。

ポイント
  • 理解度・習熟度に応じた作業を割り振る
  • 刺激し合える環境を作る

さてポイントの説明です。

まず、書いて字の如く「理解度・習熟度に応じた作業を割り振る」事が重要です。その際、スキルが不足していると考えるのではなく「いかにわかりやすく・早くスキルを付与できるか」の視点に立ち、OJTや勉強会を実施する必要があります。

これは「刺激し合える環境」作りにも影響を与えます。

勉強会での報告結果や、資料を共有する行為自体に対して報奨する制度を設ける企業も存在します。

「仕事のミスを無くす」という今日のお題とかけ離れているように思えて、実は「管理」とは「環境」の事を指すのではないか?と考えさせられるポイントであり、技術的解決に頼らぬ手法であるとも言える重要なポイントです。

3.モラル不足

解決策
定期的に手順の妥当性を見直す
・手順が遵守されているか、定期的に内部監査する

モラル不足。

言葉にして「あの人はモラルが不足している」と言うのは易いですが、その原因は根深いものがあります。

例えばですが、熟練した人ほど定形手法を飛ばして作業をする事があります。

これは状況に応じ、その時必要だと思われる作業や最も効果があると思われる作業を優先する考えから生じる行為です。

その結果、ミスを起こしてしまうと元も子もないのですが、ここには業務改善のヒントが隠されているケースもあります(手順を見直すきっかけ)。

一方で、手順が守られぬ事により生じるリスクも存在します。

会社に対しての帰属意識の薄い人や会社の方針に合意できない点を抱える人は「モラル不足」というより、「他人(会社)の意見より自分の意見を信じる(正義は我にあり)」傾向があります。

この場合、「モラル不足」を埋める・補うというより「何に合意していて、何に合意できないのか」のポイントを相互に理解する必要があります。

この点に関しては、次回の後半で「技術課題と適応課題」としてより詳しく説明しますので、ここでは「まあそうだよね」ぐらいに捉えていてください。

ポイント
  • 手順を遵守すべき意義はあるか、手順通りに作業することが過負荷になっていないか、の観点で手順から無理・無駄を無くす
    ※ルール違反の動機付けやルール軽視の風土が醸成される事を防止する作用がある
  • ルール違反が常習化しないよう、定期的に手順通りに作業が行われているか、エビデンスをチェックすることで、抑止感情を醸成する

さて、モラル不足に対してどの様なアプローチが可能なのか。

一つは、公に「意義」を確認しあうこと(お互いにこの点はこの意味合いがあるね、と合意すること)です。

平たく言うと、「意味ある・意味ない」などの不毛な議論を抑え「目的」ベースで合意するということです。

次に、手順自体の負荷を考えることです。

いくら「この手順で作業をすれば、これぐらいのアウトプットが出る!!」と推進すれど、そもそも息切れするペースで作業を詰め込みすぎたり、人を人と思わぬペースを要求(押し付ける)したりすると、反発は必至です。

具体的で意義を伴う作業として、相互に負荷がかかりすぎない手順となっているか、見直す必要があります。

さてさて、一方で「ルール違反の常習化」を是正する仕組みづくりも重要です。

例えばですが、「納期」と「品質」。両立することは十分な時間や資産が無いと難しいですよね。

でも現場では「納期絶対!!!」などで、恒常的に品質に目を背けていた(チェック手順で重要でなさそうなものをすっ飛ばしていた)などのケースが常態化することもあります。ここで有用なのは「ルールの意義」を指導する頻度と内部監査の頻度です。

まあ、ルールの意義を指導する機会が多くなると、自ずと「改善策」や「不要なもの」が「相互に」見えてきます。

この点を修正していくプロセスは、その場にいる人にとって「成長」を感じさせるものであると考えます。

また定期的な内部監査は、従業員からすると「外部評価」される出来事です。

まあこれは当たり前に抑止力に繋がりますが、この際に嘘を申告されても困るので、先に述べた「ルールの意義」を相互に確認する頻度が「嘘」などの抑止につながるとして進めたいところです。


さて、ここまで「ミスの原因」を大きく分類したうちの3つ、「スキル不足」「知識不足」「モラル不足」についてご紹介してきました。

SaaSの会社なのにSaaSの宣伝がまったくないので怒られそうなのですが、まあ今回の記事にあるように整理・抽象化 (というよりも視座の転換かな)して考えることをしなければ、そもそもツールを利用する意味や意義を取りこぼします。

さて、次回はミスの原因のうちの残りの2つ「計画・環境不備」と「手順不備」、そして「技術課題と適応課題」に少し触れ、一気に「ワークフローシステムでの解決方法の説明」に入ります。

ご期待ください。

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