こんにちは、業務改善を勉強している武田です。普段、軽く食べたり、季節に合った服を選んだり、私達は色々なものを買い、活用しています。そうすることで、経済は回り日本は豊かになるでしょう。その経済を回す「物を買う」事と、今回紹介する「QCD」は密接に関係しています。

QCDは、品質の良いもの(Quality)を、安く(Cost)、早く(Delivery)届けることを基本とした品質管理の価値の概念のことをいいます。会社やお店などが、お客様に提供する物やサービスに対して、QCDの想定を行うことは重要です。

順番にも意味がある

頭文字にそれぞれどのような意味があるか具体的に、下記に説明します。

  • Q:Quality品質:商品やサービスの品質
  • C:Costコスト:商品を製造・提供するための費用
  • D:Delivery納期:商品をお客様に届けるための時間

QCDの順番にも意味があります。Qが一番最初にくる理由は「品質」が最も重要だからです。一定の基準のクオリティじゃないと「商品」にもならないからです。お客様が求める基準通り、もしくはそれ以上であることが重要です。

例えば、100円ショップで商品を購入した時「100円でこんなに使えるものがあるのか。」と感動を覚える事もあります。ちなみに、100円ショップの商品は100円という低コストではありますが、実用的に使えるものでなければ100円ショップの商品にはなりません。

例えば、100円の食器洗いのスポンジを使った感想として「1パックにたくさん入ってる。しかも、通常使うのに不便を感じない泡立ち方だ。食器に傷もつかない。」となると、何パックかストックに購入したくなるでしょう。一定の「品質」をクリアしているからこそ、たくさん、品物は購入されています。100円ショップは全国色々な場所で存在しています。

引用 品質・価格・コストを表す「QCD」とは?EQCDとは?

大きな課題から生まれた言葉

QCDは、1914年にチャーチ(A.H.Churh)が唱えたとされてます。QCDが生まれた当時、第一次世界大戦が終了し、アメリカの経済は激しい恐慌にみまわれていました。その際にH.フーヴァー(HooverH.)によってなされた産業界の無駄を排除する「合理化運動」にて、企業は合理化をすすめました。これまでは、別々の企業で「原料の生産」「製造」などの各機能を持っていましたが、合理化の結果、これらの企業が一箇所に統合され、大規模工場が生まれました。

それと同時に、製造、販売、研究開発などの様々な機能を抱える近代企業が、19世紀後半から20世紀の初頭にかけてアメリカ企業の主になっていきました。それが、今で言う大企業のはじまりです。

大企業が生まれた結果、処理すべき業務の種類や数が増大しました。そして、経営者が新たな会社の全体的な構成を行う時に調整が困難になりました。こうした業務の管理の問題に直面し、このような問題を解決して生産性を上げるかが大きな課題となっていきました。そこからQCDという言葉が生まれた時代背景があります。

日本の製造業では、1960年代後半から次第に普及し現在ではQCDは、広く定着しています。日本でQCDが普及するきっかけは、第二次大戦に敗戦した後です。様々な専門家から、「QC(QualityControl」と呼ばれる品質管理の知恵を、会社の経営者は学び取り入れました。その結果、日本で作られる製品の品質が高くなりました。その中にQCDも含まれていたのです。

1970年代には、アメリカ人は、燃費の良い日本車に目を向け、試しに乗ると品質がとても良いという印象を持ちました。それがきっかけで、日本で作られる製品の品質やレベルの高さが世界中でも高く注目されるようになりました。

引用 論文「QCD概念の意義の再検討」から  論文「A.H.チャーチの管理論」から

最終目的を決めるにあたってのQCD

業務改善活動における最終目的を決める際に、QCDの3つの要素が必要です。まず、1つの商品を作るにあたって、Quality=品質を定めて、それに関するCost=コストを算定します。こうして進めて行く事で、Delivery=納期がどのくらいになるかを予想します。こうして定めた目標値に対して、実績値の差がどうでるか、その差を埋める為にはどう改善したらいいかの社内での議論に繋げることが出来ます。

ちなみに、QCDの3要素のうち、Delivery=納期が一番、効果が感じやすいものです。納期の時間を短縮することで、改善成功となるからです。このように、QCDは、全て改善する必要はなく、改善しやすいものを見つけて改善していく事が重要です。

QCDのバランスを上手くとろう!

QCDの使い方は様々です。100円ショップや、早くて安く美味しいファーストフード、全国展開しているチェーン店は、私達の生活の中でも浸透しています。しかし、納期が遅く値段が高く長く使えるオーダーメイドのカバンというQCDの使い方もあります。

「安くて良いものを買えて、ここまでお金を貯めたんだ。」「長く使える良いものを買った。」と満足することが出来ます。QCDの使い方は、目指す商品像から編み出されるものです。

参照

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