企業のDXは進んでいるのか?

独立行政法人情報処理推進機構「DX白書2021」※によれば、(全社戦略に基づき)DXに取組んでいる企業は約54%とされている。米国の約79%に比べると、日本のDX推進企業はまだまだ少ない。

業種別では、日米ともに「情報通信業」「金融業、保険業」においてDXが進んでいる。(ただし、米国の「情報通信業」91.0%と比べると、日本の「情報通信業」は57.5%と大きく遅れている。)一方、日本の「流通業、小売業」「製造業」「サービス業」の比率は低く、DXがあまり進んでいない。

出所:独立行政法人情報処理推進機構「DX白書2021」
(Copyright DX白書2021(2021) IPA)

※調査対象:経済産業省「情報処理実態調査」の調査対象範囲26業種(製造業/非製造業)534社。調査期間:2021年7月~8月

DXに取り組まなければ、どうなるのか?

総務省「情報通信白書令和3年版」では、企業のDX推進度合いと売上高の関係を測定している。(DX推進度合いでは、DX推進において、社内体制整備やビジョン策定、外部連携などに取り組んでいるか否かで、進展度を1から3に分類し定義している。)

下の図は、DX進展度別に(2020年度)売上高の増減を示したものだ。DX進展度の高い企業ほど、前年度に比べて売上高が増加したとされている。

出所:総務省「情報通信白書令和3年版」

また、同書では、今後日本が米国程度にDXが進んだ場合、売上高にどの程度影響するかがシミュレーションされている。その結果、製造業/非製造業ともに売上高を約5%押し上げられるとされている。

つまり、DXに取り組まなければ売上高が伸び悩み、取り組めば売上高が伸びる可能性が高いということが示されている。

出所:総務省「情報通信白書令和3年版」

DX推進に必要なこととは?

そもそも、DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、「デジタル技術※の活用により、組織やビジネスを外部環境の変化(技術革新)に適合させる。これにより、(顧客体験や仕組みなど)新たな価値を創造し、自社の競争力を高め、ひいては社会制度や仕組み、文化をも変革する」取り組みのことだ。

しかしながら、いきなり「社会において、既存の仕組みを変える/新たな仕組みを作る」ことは難しい。そのため、DXを推進できていない企業がまず取り組むべきことは、デジタイゼーション(Digitization)やデジタライゼーション(Digitalization)だ。

デジタイゼーションは、電子化やペーパーレス化などのバズワードに代表されるように、自社でデジタルツールを導入することで、アナログの情報/業務プロセスをデジタル形式に変換することだ。

一方、デジタライゼーションは、自社内の取り組みに留まらず、クライアントやパートナーなど外部も含めたビジネスプロセス全体をデジタル化する取り組みであり、商品やサービスの提供方法、ビジネスモデルの変革なども含まれている。

たしかに、デジタイゼーション/デジタライゼーションとDXは全く別ものだ。デジタイゼーション/デジタライゼーションは既存のアナログ業務のデジタル化であるのに対し、DXは既存のアナログ業務を前提としない新たな価値創造に重点が置かれた言葉だ。取り組みの影響範囲に関しても、前者は(企業の場合)自社や顧客、パートナーなどに留まるものの、DXは社会全体にまで拡がる。

しかし、既存の業務がアナログの状態である企業が、DXを進めていくことは難しい。つまり、既にビジネスを展開している企業が、デジタイゼーション/デジタライゼーションを飛び越えて、DXに取り組むことは現実的ではない。

<デジタル化の分類>

※デジタル技術:第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)

まずはデジタイゼーションから

デジタライゼーションにおける「商品/サービスの提供方法やビジネスモデルを一新する」取り組みも実施ハードルは高い。

そのため、まずはデジタイゼーションから始めることをお勧めする。自社内に残っている、アナログの情報/業務プロセスをデジタル化する取り組みこそがDXの第一歩となる。

クエステトラ社で実施しているデジタイゼーションの一部は以下の通りだ。

– 業務プロセスのデジタル化

  • 勤怠管理
  • 社内コミュニケーション、情報共有/記録
  • 申請/承認
  • 顧客管理
  • 請求管理
  • SNS投稿管理
  • ブログ投稿管理
  • ランディングページ制作管理

– 業務の自動化

  • 問合せ受付/対応
  • 無料トライアル受付/対応
  • ステップメール(ナーチャリング)
  • 集計作業
  • お役立ち資料申込受付/対応

これらは全てクラウドワークフロー「Questetra BPM Suite」で実施している。また、他業務で利用しているGoogle WorkspaceやBoxなどのクラウドサービスとも連携している(できる)ため、Googleカレンダーへの予定自動追加や、Boxへのファイルの自動保存なども可能だ。

「Questetra BPM Suite」はノーコードで上記のような業務プロセスに関するシステム(ワークフローアプリ)を作成できる。そのため、エンジニア以外の方でも、簡単にデジタイゼーションを始められる。

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