みなさん、こんにちは!マーケティング部の西川です。
自社サイトから、ホワイトペーパーやお役立ち資料、サービス紹介資料など…「資料をサイト訪問者にダウンロードしてもらいたい!」ということ、ありませんか?
今回は、「資料をサイトの訪問者にダウンロードしてもらう仕組み」をノーコードで構築する方法をご紹介したいと思います!
1. 資料ダウンロードの流れ
では、サイト訪問者に資料をダウンロードしてもらう流れをみていきましょう。
大まかな流れは以下の通りです。
- 入力フォームにメールアドレスを入力してもらう。
- 入力してもらったメールアドレスに、資料ダウンロードのURLを送る。
- メールの本文に書かれたリンクから、資料をダウンロードしてもらう。
ここでメールアドレスを入力してもらうことで、資料申込者とのコミュニケーションが可能となります。
2. 使用するサービスと役割
ここでは、先ほどの資料ダウンロードの流れにおいて、どの様なサービスがどの様な役割を果たすのかをみていきましょう。
使用するクラウドサービスと、それぞれの役割は以下の通りです。
- クラウドワークフロー「Questetra BPM Suite」
- 役割:ワークフローアプリの作成(作成したワークフローアプリでは、主に以下のことを実現します。)
- 資料申込者の受付(入力フォーム作成)
- Box にリクエスト送信(フォルダ作成、ファイルコピー、フォルダ削除)
- メールの自動処理(メール内容設定、メール送信)
- 役割:ワークフローアプリの作成(作成したワークフローアプリでは、主に以下のことを実現します。)
- クラウドストレージ「Box」
- 役割:資料の保存/ダウンロード環境の提供(Box から資料をダウンロードしてもらう)、(リクエストを受けて)フォルダ作成、ファイルコピー、フォルダ削除
この様に「Questetra BPM Suite」と「Box」の2つのクラウドサービスで、資料ダウンロードの仕組みが作れます!( Google Drive や Microsoft 365 OneDrive など、他のストレージを使用した仕組みも作成可能ですが、今回は Box をご紹介します。)
各クラウドサービスの主な役割は次の通りです。Questetra BPM Suite で作成した入力フォームで「資料申込を受け付け」、資料申込者のメールアドレスなどの「データを格納」するとともに、メールアドレスをメールの宛先に自動設定するなど「データを自動処理」します。また、Questetra BPM Suite から「Box をコントロール」し、Box に保存している資料を申込者専用フォルダに複製/共有化し、資料申込者に資料をダウンロードしてもらえる状態にします。その後、Box の容量を圧迫しないよう、一定期間で申込者専用フォルダを資料ごと削除します。
Questetra BPM Suite では、ワークフローアプリを作成することで、これら一連の作業を全て自動処理できます。(下図参照)

3. 「資料申込受付アプリ」の作成手順
では、このワークフローアプリの具体的な作成手順と、Box の設定方法などをみていきましょう。(今回作成するワークフローアプリ名を「資料申込受付アプリ」と呼ぶことにしましょう。)
先ずは、事前準備として、Box 側でフォルダを作成し、ダウンロードしてもらう資料(マスターファイル)を保存します。今回は、「Master_Files」というフォルダを作り、その中に資料を保存します。

その後、以下のように、Questetra BPM Suite 側で、ワークフローアプリを作成していきます。
- ワークフロー図を作成する
- 工程で処理する内容を設定する
- 入力フォームを作成する
- 「申込者専用フォルダ」自動作成を設定する
- ダウンロード資料の自動複製を設定する
- 共有リンクの自動発行を設定する
- 「ダウンロードURL告知メール」内容を設定する
- 「ダウンロードURL告知メール」の自動送信を設定する
- 待機期間を設定する
- 「申込者専用フォルダ」の自動削除を設定する
- ワークフローアプリをリリースする
これで完成です。では、各手順でどのような設定をするのか、更に詳しく見ていきましょう。

3-1. ワークフロー図を作成する
Questetra BPM Suite でのアプリ作成は、ワークフロー図を作成することから始まります。前述の資料ダウンロードの流れを「資料申込受付」から順番に可視化した図がワークフロー図です。ワークフロー図において、円形や長方形の各アイコンが業務の工程を表し、処理すべき工程とその順序(=業務の流れ)を可視化しています。
ワークフロー図は、画面上部のアイコンのアイテム一覧からアイコンを移動し設置するなどのカンタンなマウス操作で作成できます。(下図参照)
※ワークフロー図を完成させずに、ひとつの工程毎に(次項目でご説明する)「工程の設定」に進むことができます。(便宜上、ワークフロー図を完成させてから「工程の設定」の説明をしております。)

3-2. 工程で処理する内容を設定する
3-2-1.入力フォームを作成する
先ずは、このアプリで扱うデータを入れる入れ物「データ項目」を設定します。
具体的には、データ項目選択画面で、左側にあるアイテムのうち、該当するものを右のフィールドにドラッグ&ドロップで設置します。例えば、メールアドレスの場合は、「文字(単一行)」を設置します。また、プライバシーポリシーは、同意を得る必要があるため、「選択(チェックボックス)」を設置します。(下図参照)
※ここでも最初にすべての「データ項目」を設定する必要はありません。便宜上上記のように記載しておりますが、工程ごとに必要となる「データ項目」を順番に設定していっても問題はありません。

各データ項目から設定画面を開きます。設定画面では、データを格納する入れ物の名前「フィールド名」を設定します。また、データ項目の種類により、様々な設定ができます。
例えば、「プライバシーポリシー」では、「フィールド名」や「フォームタイプ(=チェックボックス)」、「選択の表示ラベル(=同意する)」、「説明(=プライバシーポリシーページへのリンクや説明)」などを入力、設定します。(下図参照)

今度は、ワークフロー図に戻り、入力フォームの工程の設定画面を開きます。ここでは、入力フォームで必要なデータ項目「メールアドレス」と「プライバシーポリシー」を「編集可能」(=入力フォームに表示し編集できる状態)にします。その他を「閲覧不可」に設定することで、入力フォームに表示されないようにできます。(下図参照)

「フォームプレビュー」ボタンで、完成した入力フォームを確認します。(下図参照)
また、完成した入力フォームは、「フォームURL」ボタンを押すと表示される「埋込コード」を使って自社サイトに設置できます。(HTMLコードが表示されます。)

3-2-2.「申込者専用フォルダ」の自動作成を設定する
各申込者にしかアクセスできないフォルダを作成するため、Box にフォルダを作成する自動工程アイテム「Box: フォルダ作成」を使用し、「申込者専用フォルダ」を自動作成するよう設定します。
具体的には、工程の設定画面を開き、Box に接続するための「OAuth2設定」や「フォルダの作成場所(親フォルダ名)」、「作成するフォルダ名」、「作成するフォルダ名を格納するデータ項目」を設定します。(下図参照)

3-2-3.ダウンロード資料の自動複製を設定する
先ほど作成した「申込者専用フォルダ」に、ダウンロード資料を保存します。予め「Master_Files」に保存している資料を、「申込者専用フォルダ」に自動的にコピーし保存するよう設定します。(「Box: ファイルコピー」アイテムを使用)
具体的には、Box に接続するための「OAuth2設定」や「フォルダの作成場所(申込者専用フォルダ名)」、「作成するファイル名(ダウンロード資料であるPDFファイルなど)」を入力します。(下図参照)

3-2-4.共有リンクの自動発行を設定する
ここでは、ダウンロード資料が保存されている「申込者専用フォルダ」の共有リンク(フォルダにアクセスできるURL)を自動発行するよう設定します。
具体的には、Box に接続するための「OAuth2設定」や共有リンクを発行する「フォルダの作成場所(申込者専用フォルダ名)」、共有リンクのURLを格納する入れ物「データ項目」を設定します。(下図参照)

3-2-5.「ダウンロードURL告知メール」内容を設定する
資料をダウンロードできるURLを取得できましたので、次に資料申込者にURLを伝えるためのメールを送ります。ここでは、送信するメールの内容が自動でセットされるように設定します。
具体的には、「メールタイトル」や「メール本文」、「プロセス件名」を設定します。「メール本文」には、コメントを入力し、「共有リンクのURLを格納したデータ項目」を文中にセットします。また、「メールタイトル」も入力します。(下図参照)

3-2-6.「ダウンロードURL告知メール」の自動送信を設定する
ここでは、資料をダウンロードするURL告知メールを資料申込者に自動送信する際、必要となる情報を設定します。
具体的には、「送信元」や「送信先」、「CC」、「BCC」、「メールタイトル」、「メール本文」を設定します。「メールタイトル」と「メール本文」に関しては、先ほど設定し「データ項目」に格納しているため、それぞれのデータ項目をセットします。また、「送信先」に関しては、”3-2-1.入力フォームを作成”で作成した「資料申込者のメールアドレスのデータ項目」をセットします。その他、「送信元」や「BCC」に設定すべき自社のアドレス等を入力します。(下図参照)

3-2-7.待機期間を設定する
このアプリでは、資料申込者毎に固有のURLを発行することで、各資料申込者にしかわからないURLを伝えることができます。しかし、その反面、申込者数分のフォルダが作成されることとなり、一定期間経過した時点で削除していく必要があります。
ここでは、メール送信後一定期間でフォルダを削除できるよう、テスト用には5分程度、本番稼働時には7日間などの待機期間を設定します。(下図参照)

3-2-8.「申込者専用フォルダ」の自動削除を設定する
最後に「申込者専用フォルダ」を自動的に削除する設定をします。
具体的には、Box に接続するための「OAuth2設定」や「削除するフォルダ名」を設定します。(下図参照)

3-3.ワークフローアプリをリリースする
ワークフロー図の作成と各工程の設定が一通り完了しましたので、今度はワークフローアプリが正常に作動するかのテストを実施します。
先ずは、ワークフローアプリを使用できるように「リリース」します。(デバッグ機能もありますが、ここでは説明を割愛し、リリースして実際のワークフローアプリの動作確認を実施します。)

リリース後、実際に入力フォームにアドレスを入力し、送信します。Box で申込者専用フォルダが作成されていることや、そのフォルダの中に資料が複製されていること、共有リンクが発行されていることを確認します。また、入力したアドレスにダウンロードURL告知メールが届いたことを確認します。その5分後※ Box の申込者専用フォルダが削除されていることを確認します。(下図参照)
※タイマー工程に関しては、テスト用に5分程度に設定していますが、本番環境で運用する際は、7日間など資料申込者がアクセスできる期間をある程度設けた方が良いと思います。



これでワークフローアプリが正常に動作していることが確認できました。
今回は、自社サイト訪問者に資料をダウンロードしてもらう仕組みの構築方法をご紹介しました。資料申込受付からフォルダ削除まですべてが自動的に処理できるため、人手が必要ありません。また、今までサービス紹介資料を郵送していた方にとっては、ペーパーレスも実現できます!
4.実際に資料ダウンロードを体験する
弊社にも、この様な資料申込受付アプリを利用し、お役立ち資料をダウンロードしてもらうページがあります。
以下のページの右上部にある入力フォームが、「Questetra BPM Suite」で作成された入力フォームです。ここで、資料を申し込むことで、弊社内の資料申込受付アプリが稼働し、資料がダウンロードできます。実際に体験してみてください!
5. 実際にワークフローアプリを作ってみる
では、実際にワークフローアプリを作ってみましょう!
以下の「60日間お試し」ページから、60日間の無料体験を申し込むと、今回ご紹介したワークフローアプリの作成をはじめ、様々なワークフローアプリの作成を無料でお試しいただけます。是非、お試しください!
※ワークフローアプリ作成方法などでご不明な点などございましたら、カスタマーサービスまでお問い合わせください。