私たちの身の回りにおいて、脱ハンコは進んでいる。
宅配の受取り時、CTVインターネットのモデム修理完了時、家電の修理完了時、ガスメーターの修理完了時、転入手続き時(マイナンバーカード使用の場合)など…
最近私が体験した上記全てにおいて、タブレットへのサインなどであり、ハンコは不要だった。(ただし、郵便の書留には、まだ認印が必要であり、宅配においても全ての事業者がハンコ不要なわけではない)脱ハンコが進みつつあることを実感した。
総務省「情報通信白書令和3年版」によれば、DXが進んでいる業種として、情報通信業や金融業、保険業が挙げられている。一方、医療・福祉(約9%)や運輸業、郵便業(約17%)、宿泊業、飲食サービス業(約16%)、生活関連サービス業、娯楽業(約18%)などのDXが進んでいないようだ。
脱ハンコはDXのごく一部の取組みではあるが、脱ハンコの実施状況も概ねこれに比例していると推測される。

出所:総務省「情報通信白書令和3年版」
ハンコの種類
ハンコ(印章)には様々な種類がある。ハンコは使用するシーン別に分けると以下のように分類される。
– 個人使用:実印、銀行印、認印、訂正印
– 法人使用
- 社内:役職印、会社認印、訂正印、ゴム印
- 社外:代表者印(会社実印)、役職印、銀行印、角印(社印)、会社認印、割印、訂正印、ゴム印
– その他
- 公印、官公印、登記官印、公職印、職印、組合印
これらのハンコは、書面に押印し印影を残すことで、本人確認/意思確認などを証拠化するものとして使用される。(ゴム印は住所/社名などの記載省力化のため)
ハンコ使用で生じる課題
ハンコには使用する用途毎に様々な種類があるため、用途に合わせて印章(ハンコ本体)を用意する必要がある。
例えば、個人では不動産取引や金銭消費貸借契約の際、法人では法人登記の際には、実印が必要となる。また、銀行取引には銀行印が必要となる。全て同じ印章でも良いが、紛失、偽造などのリスクを考え、一般的には別々の印章を用意するケースが多い。
ハンコを使う際に生じる主な課題は以下の通りだ。
– ハンコ特有の課題
- コストが高くつく(購入/保管/管理)
- リスクがある(不正使用/偽造/紛失・滅失)
– 押印された文書の課題
- コストが高くつく(データ入力/印刷/保管/配送・配布)
- 検索性が低い
- 紛失/滅失リスクがある
この様な「コスト高」や「リスク高」、「検索性の低さ」などの課題を解決する方法として、ハンコや押印文書のデジタル化が挙げられる。
脱ハンコの方法
ハンコや押印文書のデジタル化の方法として、ハンコ自体を電子化する「電子印鑑」や、文書をデジタル化する「デジタル文書の利用」などが挙げられる。
また、ハンコ使用のそもそもの意義である「本人確認」や「意思確認」などを電子化する方法として、「電子契約(電子署名)」などが挙げられる。
シーン毎の脱ハンコの主な方法は、以下の通りだ。
– 個人使用:「電子印鑑」、「電子契約(電子署名)」
– 法人使用(社外):「電子契約(電子署名)」
– 法人使用(社内):「電子印鑑」、「ワークフロー/BPM」
個人使用の場合、個人が能動的に脱ハンコを実施するケースは少ない。(利用サービスの提供事業者が脱ハンコの主導となるケースが大半)そのため、自主的にハンコの使用を控えるなら電子印鑑を使用することになるだろう。
また、法人使用(社外)は、契約を伴うケースが多いため、電子契約(電子署名)クラウドサービスを利用することが脱ハンコの主な手法となろう。
一方、法人使用(社内)においては、電子契約(電子署名)が必要とされるケースはほとんどないだろう。承認や決裁が大半を占めるため、業務プロセス(業務フロー)を電子化できるワークフローシステムやBPMシステムが脱ハンコの方法として主流となる。
まずは社内で脱ハンコ
法人において、社外における脱ハンコを実現させるためには、顧客や取引先などの同意が必要となる。そのため、まずは社内で脱ハンコに取り組むことが、脱ハンコ実現への近道となる。
社内で脱ハンコを実現する方法として、業務をデジタル化できるクラウドワークフロー「Questetra BPM Suite」をお勧めする。
「Questetra BPM Suite」は、電子印鑑では実現不可能なタスク受け渡しの自動化が可能だ。
承認や決裁、差し戻しのフローをワークフロー図を作成することで、ノーコードでシステム化できる。申請者や承認者、決裁者を自由に設定でき、部署を跨いだ運用も簡単だ。データはシステムに蓄積されていくため、検索性も高い。
また、差し戻しの際、修正内容の提案や棄却の理由を添えることで、担当者間のコミュニケーションを簡潔にスムーズにすることができる。
参考記事):申請承認フロー 5 つのパターン
「Questetra BPM Suite」。脱ハンコを実現したい方にお勧めしたい。