全工程の完了に90年かかった業務プロセス

こんにちわ!矢作です!

突然ですが「フェルマーの最終定理」をご存知でしょうか?

フェルマーの最終定理の詳細については、ここでは述べません(というか、私(矢作)には述べるだけの数学的能力が皆無です…苦笑)が、この定理が成り立つことを証明することはとても難しくて、約300年もの間、数多くの数学者たちの挑戦をはねのけてきた、数学界ではとても有名な定理なのです。

この定理が成り立つことを証明した人に大金(懸賞金)を出す!と言った人がいました。

その人は、ヴォルフスケールさんという人。彼もフェルマーの最終定理にとりつかれた人物のひとりなのですが、彼の遺言には財産のほとんどを、フェルマーの最終定理を証明した人への懸賞金とすることが書かれていたのです。

懸賞金が支払われるまでの業務プロセスがヴォルフスケールさんの死後、1908年に発表されたのですが、その業務プロセスを BPM システムで管理すべきかどうか?そんなことを考えました。

「フェルマーの最終定理」が成り立つことを証明したら

ヴォルフスケール懸賞は、フェルマーの最終定理を最初に証明した人に10万マルク(たぶん今で言う所の1億円くらい)を提供するというもの。賞金10万マルクは、ゲッティンゲン王立協会に委託され、だいたい次のような手順で提供されることになりました。まさに「フェルマーの最終定理証明の審査プロセス」と呼べる業務プロセスです。

  1. 申請者(この段階では自称証明者)は、証明論文をゲッティンゲン王立協会に提出する。
  2. ゲッティンゲン王立協会は、受理条件を満たされているか確認後、証明論文を受理する。
  3. ゲッティンゲン王立協会は、審査メンバーを選定する。
  4. 3 で選定されたメンバーから構成される審査団は、提出された証明論文を審査する。
  5. 証明論文が、たしかにフェルマーの最終定理を証明していると審査された場合、審査結果を公表し、申し立て受付を行う。
  6. 申し立て期間は2年で、その間の申し立てを考慮しても審査結果が変わらない場合、正式に申請者をフェルマーの最終定理が成り立つことを証明した人=受賞者として発表を行う。
  7. ゲッティンゲン王立協会は、受賞者=申請者に賞金を支払う。

この手続を業務プロセス図にしてみると次のようなものになります。

この業務プロセス図は、私たちクエステトラが開発するBPM(Business Process Management)システム「Questetra BPM Suite」を使って書いたものです。もちろん、取り扱うデータ項目や、プロセスに登場する組織や人の設定を行えば、この「フェルマーの最終定理証明の審査プロセス」の進捗をしっかりと管理することができます。

もし、ヴォルフスケール賞が創設された100年前に、私がゲッティンゲン王立協会の人間だったとしたら、またBPMシステム「Questetra BPM Suite」がその頃に存在していたとしたら、この業務プロセスを「Questetra BPM Suite」を使って管理するでしょうか?

決して BPM システムは使わないでしょう。

1度しか使われない業務プロセス

「フェルマーの最終定理証明の審査プロセス」の業務案件が進捗する様子を可視化するために、「Questetra BPM Suite」を利用しないのは、この業務プロセスはたった1度しか使われないから。(正確に言うと…..受理の判断までは頻繁に使われます。最後まで流れるのはたった1度ということです。)

BPM(Business Process Management)は、対象となる業務について、3つの視点で可視化し、継続的に改善していく活動のこと。
※3つの視点:業務のルール、業務の遂行状況、業務の実績
※参考:業務の可視化(見える化)、3つの視点

1回しか業務案件が流れないような業務では、継続的な改善が行われることがないので、BPMという活動は行えません。

BPM システムは、その名の通り組織における BPM 活動を支援するシステムなので、BPM 活動が行われない現場では出番が無いということになってしまいます。(もちろん、使ってもイイのですが…)

従って、私は「フェルマーの最終定理証明の審査プロセス」に「Questetra BPM Suite」を使うことはないのです。

「フェルマーの最終定理証明の審査プロセス」は、1908年に発表されました。長い間、この定理が成り立つことは証明されませんでしたが、1993年、アンドリュー・ワイルズというイギリスの数学者がついにその証明を完成させました。

そして、早速、審議の工程がスタートします。しかし、わずか2ヶ月後、証明に欠陥があることが指摘されます。ワイルズは、その後14ヶ月の間もがき苦しみながらも証明の穴を埋め、1995年5月に完全な証明を発表します。

審議が再開され、今度は完璧な証明であることが認められました。1997年、ワイルズに懸賞金が渡され、「フェルマーの最終定理証明の審査プロセス」が準備されてから約90年後、ようやく全ての工程を終えたのです。

ノーベル賞は BPM システムで管理するべき

「フェルマーの最終定理証明の審査プロセス」では、BPM システム「Questetra BPM Suite」は業務プロセス図を書くこと以外にはあまり出番がありません。でも、毎年受賞者が決定する、芥川賞や直木賞、ノーベル賞などでは、大いに出番があります。

Wikipedia によると、ノーベル賞の受賞者を選考する方法については明らかにされていません。なので、勝手に想像するしかありませんが、ざっくりとしたレベルであれば、次のような流れが考えられます。

  1. 受賞候補者選定チームが、受賞候補者リストを作成する。
  2. 候補者審査チームのメンバ選定が行われる。
  3. 候補者審査チームが、受賞候補者それぞれの受賞条件や活動内容を審査する。
  4. 受賞者審議会にて、3 の結果に基づき受賞者を決定し発表する。

これらの基本的な流れを業務プロセス図にすると以下のようになります。

ノーベル賞の受賞者は、毎年発表されます。だから「ノーベル賞受賞者決定プロセス」では、毎年業務案件が流れます。毎年業務を進めていれば、多かれ少なかれ問題点に気づき「来年はこんなふうに進めよう!」というように、業務プロセスの見直しを少しずつ行っていくことになります。

このような活動はまさにBPM活動というもので、この活動をうまく進めるにはBPMシステムが出番ということになります。

「ノーベル賞受賞者決定プロセス」で BPM システムを使うと、規則に従って受賞者リストを作成しているか?審査が行われているか?受賞者の決定が行われているか?という必ずやらなければならないことが明確に記録に残されながら進められ、それぞれの分野(全6分野)ごとの進捗状況が可視化されるので、どの分野がうまく進んでいるのか?遅れているのか?が一目瞭然になります。

◇◇

本記事では、BPM という活動が価値を発揮するのは、日々繰り返し行われる業務であることを述べてきました。BPM の価値をなんとなく気づいている人は、身近な業務でメールやExcelでは管理している、日々行っている業務から BPM に取り組んでみるのがイイかと思います。

「フェルマーの最終定理」に戻りますが、同じ題名の書籍があります。個人的な話ですが、この書籍はこの10年の間で私が読んだ本の中で最も興奮した本でした。興味ある人は是非お読み下さいませ。

今回はここまで!


参考

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Scroll to Top
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。